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2019-09

白き狼の宿命 エルリック・サーガ3/マイケル・ムアコック 著



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(2017年読書感想36冊目)


久しぶりにエルリックに会いたくなって、またこの本のページをめくった。
定期的に襲ってくる、この治しがたい熱病の様な感覚は何だろう、と思う。
この本では、エルリックの人物評をするシーンがある。この人物評を読んで、なんとなくエルリックに会いたくなる病の理由を察した。
エルリックは私とよく似ているのかもしれないと思った。「世事に無関心、しかして執念深し」
この本はもう30年以上も前に出版されている。しかし、エルリックの感性や悩みは、限りなく現代人のそれに通じている。だから私はエルリックが好きなのだと思う。
この本には4つの短編が収録されている。そこで今も鮮やかに感じるのは、エルリックの世界の女性たちの、なんと魅力的で美しいのだろうか、という事である。
サイモリル、マイシェラ、シャーリラ、イシャーナ、エルリックが愛し、また愛される女性の魅力的なことといったらない。病弱なのに、沢山の女性と良い仲になるエルリックも、やはり英雄という事か。
この本の、井辻朱美さんの翻訳が好ましい。エルリックの世界にこれほど似合うj翻訳もないと思った。天野さんのイラストも素晴らしい。読んでいて震えてしまうほどだ。
この巻は短い四本の短編からなるが、どの本にも退廃と破滅の中の美の様なものが感じられて、唯一の世界観を醸し出している。やはり私は、エルリックが好きだなと思う。心から強くそう思う。
エルリックの世界でファンタジーの世界にやってきた私にとって、この本の魅力は筆舌に尽くしがたいものがある。言葉なんていらないとさえ思う。
ただ、またきっとこの世界に戻ってくると思う。私にとって、この世界が魂の故郷の一つなのだろうとさえ思う。
何度読んでも、そのたびに褪せることのない素晴らしい感動に震える。
このシリーズは、だからこそ、やはり名作なのだ。


この本の概要


著者 マイケル・ムアコック
本(作者)の国籍 イギリス 
訳者 井辻朱美
イラスト 天野喜孝
出版社 早川書房
レーベル ハヤカワ文庫SF
ジャンル ハイ・ファンタジー
ページ数 210P
フォーマット 紙本
ノンシリーズかシリーズものか? シリーズ三作目
なぜこの本を読んだか。このシリーズが好きだから
本の入手方法 図書館

   

収録作品

オーベック伯の夢
夢見る都
神々の笑うとき
歌う城塞



内容


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王様に恋した魔女/柏葉幸子 著


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(2017年読書感想7冊目)


王様、お姫様、王子様、ドラゴン、そして魔女。
この本は、そんな素敵な者たちでできている、素晴らしくファンタジックな本でした。
10の短編からなっていて、その短編が少しづつつながっている。そのつながった先は、なんだか少し、泣きたくなるくらい幸せで。
著者の柏葉さんが何年も何年もかけて書きためてきたお話との事ですが、きっと大事に大事に書いてきたんだろうなと伝わってくるお話たちで。
多くの国がひしめき合い、争いが絶えなかった時代、争いが終わった後の時代に、必死に生きる魔女たちの強さ、しなやかさ、輝きが、一冊の本に閉じ込められていて、まるで万華鏡のようでした。
母と娘の絆、姉と妹の絆、そういったものが各所で力強く描かれていて、読んでいる間、なんだか勇気づけられました。
誰かが、誰かを、大切に思い、その誰かのために、生きようとする。
争いの中で、誰かが誰かを想う気持ちほど、貴い物はないのかもしれないと思いました。
この、誰かのためを思うという事が、この本のテーマかなと思えるくらい、沢山描かれていて、本を読み終わった後、「私は誰かのために、何かできるだろうか」と考えてしまいました。
力強く生きている魔女たちの、地味で控えめだけれども、確かな輝きの物語。
素敵な読書体験として、私の胸にも残りそうです。
きっと読んでいくうちに、子供も大人も、読んでる人のお気に入りの、魔女の話に出会えると思います。
おすすめです。




この本の概要


著者 柏葉幸子
本(作者)の国籍 日本
訳者 
イラスト 佐竹美保
出版社 株式会社講談社
レーベル 
ジャンル ハイ・ファンタジー
ページ数 135ページ
フォーマット 紙本
ノンシリーズかシリーズものか? ノンシリーズ
なぜこの本を読んだか。書店で目に留まってついにお迎え
本の入手方法 書店で購入

   

収録作品

蜘蛛の帷子
カッコウの卵
魔女の縁談
三人の杖殿
石工の女房
ぶさいくな猫
ポイズン・カップ
イチノツメとよばれた魔女
魔女カラボスの子守うた
竜になりたかったお姫さま


受賞・ノミネート情報など

不明

内容

戦乱の世の中、国を守る魔女がいた。魔女は、魔法で戦を勝利へとみちびいた。杖をもった魔女は、杖殿とよばれ、魔女の受難がはじまった。あるときは、町から追われ、森の中に住み、またあるときは、国を守り、そして、王様と恋もした…。柏葉幸子×佐竹美保が贈る、珠玉のファンタジー!!


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ドラゴン・ナイト (1)よみがえった炎の騎士/J.R.キャッスル 著



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(2017年読書感想5冊目)

急にドラゴン物のファンタジーが読みたくなって書店で手に取りました。
何というか、今までにないわけじゃないけれど、ちょっと変わったファンタジーだと思いました。
人々が偽りの真実の許、悪い国王の圧政に苦しむところから物語がスタートするのですが、この圧政の、息詰る感じが、妙にリアルというか、読んでいて気分が圧迫される感じというかが、辛いんだけれどうまいなと思いました。
だからこそ物語の後半からの反撃というカタルシスがとても利いていて、気付くとページをめくってしまっていました。
物語は男の子が好みそうな本当に王道の筋のファンタジー物で、挿絵も素晴らしいです。
物語というか本全体が、とにかく熱い!! 格好いい!! 少年漫画!!
みたいな雰囲気になっていて、最初、主人公の本当の素性が読んですぐわかっちゃうのと、最後、主人公の冒険はまだ始まったばかりだ、を読んだとき、思わず微笑んでしまいました。
KADOKAWAはドラゴン物が好きなイメージがあるのですが、たぶんそのドラゴン物のどれとも違う印象を抱く物語だと思います。
この一巻は重苦しい印象が付きまといましたが、最後は妙にすっきりした気持ちになりましたし、キャラも特にテアはかわいいので、もし続刊が出るなら読んでもいいなと思いました。
男の子に読書させたい親御さんなんかに、お勧めしたい一冊です。



この本の概要


著者 J.R.キャッスル
本(作者)の国籍 アメリカ
訳者 岡本由香子
イラスト 小笠原智史
出版社 KADOKAWA
レーベル 
ジャンル ハイ・ファンタジー
ページ数 216ページ
フォーマット 紙本
ノンシリーズかシリーズものか? シリーズ一冊目
なぜこの本を読んだか。ドラゴン物が読みたくて。
本の入手方法 書店で購入

   

収録作品



受賞・ノミネート情報など

不明

内容


今まで見たことない! まったく新しいドラゴン・ファンタジー、始動!

アラリス諸島は、ベイン王と黒い騎士たちによって治められている。ある日、クインは叔母から、ベイン王は黒魔術によって、ドラゴンに変身することのできるドラゴンの騎士の力を封じ、不正に王位についたことを知らされた。しかし、そのときクインは黒い騎士たちによって連れて、黒騎士団の訓練学校へ連れて行かれてしまった。学校でクインは、隣の魔術師養成学校のテアと話をするようになる。テアも、真実の歴史を知っていた。ある晩、クインが「父の形見」として渡された剣にドラゴンの姿がうつっていた。なんと、それはクインだったのだ! そして、クインが身に着けている短剣は、長い立派な剣となり、刃に鍛冶屋の男が映った。次の瞬間、鍛冶がドラゴンの映像になった。きっと男の正体がドラゴンの騎士だと考えた2人は、弊社から脱出、エメラルドの短剣に導かれてドラゴンの騎士をさがしに行くことにする。

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宝石の筏で妖精国を旅した少女 (キャサリン・M・ヴァレンテ 著)




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(2015年読書感想41冊目)

キャサリン・M・ヴァレンテ 作 水越真麻 訳   
おすすめ度★★★★★(読んでいる間中愛おしい気持ちになれる、現代のフェアリーテール!)


この本の概要

アメリカの作家、キャサリン・M・ヴァレンテによる著作で、2012年に出版されたものの日本語訳版。ハヤカワ文庫FTの、556番目の本です。
妖精国シリーズの一冊目に当たります。
22章の短い章立ての間に、幕間を二回はさみ、章の扉ページと表紙のかわいらしいイラストは、Ana Juanの手によるものです。
〈受賞情報〉アンドレ・ノートン賞,ローカス賞ヤングアダルト部門


本のあらすじ


セプテンバーは5月生まれの、本を読むことが好きな12歳になったばかりの女の子。
退屈な日々に飽き飽きしていた彼女のもとに、ある日<緑の風>さんがやってきて、彼女に行った。
妖精国の近くの海まで旅をしないか?
「行くわ!」即答でこたえたセプテンバー。はたして彼女にはどんな冒険が待っているのでしょう?


この本の読みどころ。


妖精国から帰りたくない少女セプテンバーと、妖精国の魅力的な住民たち。とにかく登場人物が魅力的!


この本につけられた帯の文句は、現代版「不思議の国のアリス」ようなものだったように記憶しています。
次から次へと起こる不思議な出来事、少しおかしい登場人物たちは、まさしく不思議の国のアリスです。
しかし、アリスが不思議の国からたびたび帰りたいとこぼしていたのと違い、セプテンバーは、妖精国が大好きで、妖精国から帰りたくないのです。
年相応の子どもでありながら、時には優しくて仲間想いで賢いセプテンバーは、非常に魅力的なヒロインであり、少女です。
そのほかにも、図書館に住む智竜(ワイブラリー)エーエル。マリード(願いを叶える魔人)であるサタディ、セプテンバーの冒険を後から追いかける宝石の付いた<鍵>きれい好きのゴーレムのライ、はては悪役である侯爵も、とにかく登場人物がかわいくて、読んでいる間中、愛おしい気持ちになれる本です。
翻訳も、それまでロマンス小説ばかり手掛けていた方だし、苦手なですます調の翻訳だし、だいじょうぶかな? と思いましたが、非常に温かみのある素敵な翻訳になっていて、むしろこの語り口が癖になってきてさえしまいます。
あと、とにかくイマジネーションが凄く、またネーミングセンスもばっちりです。
傘の付喪神に「半蔵」「朧」とつける辺り、日本にも数年間だけ住んでいたことのあるらしいヴァレンテ女史ならではで、格好いいです。


この本の感想


とにかく、素晴らしいイマジネーションで描写される不思議な妖精国の様子が秀逸で、お気に入りです。
最初は不思議で楽しい妖精国を観光するかのようなのんびりした冒険でしたが、徐々に徐々に、それだけではない、辛いものになっていき、最後の方では、予想外の展開続きに、読む手が止まりませんでした。まさかこんなお話になるだなんて! 辛い冒険を、それでも勇敢に乗り越えていくセプテンバーが、とにかく愛おしいです。

妖精国を訪れる人間は、「取り換え子」「さらわれ子」「迷い子」と三種類に分類され、それぞれに課せられた意外なルールも印象的でした。
非常に現代的な様相の妖精国ですが、その様子が楽しいと同時に、妖精国の本質が暴かれる場面では、とにかく面白いの一言です。

想像以上にあたたかく、想像力を掻き立てられる一冊で、そういう意味でも、この妖精国、あるいはこの本には、本当に妖精が宿っているのではないかなと思わされました。
児童書テイストの素敵な本でありお話です。
気持ちはわかるけど、なぜハヤカワ文庫FTで出したんだろう。
大型の装丁の綺麗な児童書とかで出せば、読者層的にも雰囲気的にも、よりよかったのにな。
でも、非常に素敵な、読書体験になりました。


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踊る光(トンケ・ドラフト)




(2015年読書感想31冊目)

トンケ・ドラフト 著 西村由美 訳 宮越暁子 イラスト
おすすめ度★★★★★(面白かった! おとぎ話の中に誘われ、心離さない一冊です)


「そうかもしれません。だが、この物語はこれでおしまいです。王子と姫ぎみは、末永く幸せに暮らすのです」(p262)
ー幽霊ナイフより―


王子、姫君、ドラゴン魔法使い吟遊詩人。ページをめくればおとぎ話にあなたを誘う。ひねくれたフェアリー・テールファンタジーの短編集!


図書館で、美しい表紙に惹かれ手に取りました。オランダの女流作家、トンケ・ドラフトさんによる短編集。「幽霊ナイフ」「二人の王」「十三番目の妖精」「夢にすぎない」「ドラゴンと鍵」「踊る光」の6編を収録しています。
ページをめくって目次を見た時、ドキドキが止まりませんでした。王に妖精、夢にドラゴン、そういった、大好きな単語が目に入ったからです。
実際に、王子や王や姫君や魔法使い吟遊詩人といった登場人物が多く登場し、おとぎ話的ではありますが、ファンタジー小説としても上質で、楽しめます。

一般的なおとぎ話とは少し様相が違うのですが、でもやっぱりおとぎ話なんだなあと安心して読むことができる一冊で、その塩梅が見事です。
私がファンタジー小説というかおとぎ話が好きなのは、トンケさんの描くこのような世界が好きだからだよなあと改めて思わされるような、そんな素敵な一冊です。

お気に入りは「幽霊ナイフ」でしょうか。
最初に収録されているこのお話を読んだ瞬間から、この本は私の心を離さないと直感しました。ナイフというものが物語の核を担うのも面白いと思ったし、出てくる登場人物やそのパーツが面白いと感じました。
でも、どのお話も本当によかったです。挿絵も素晴らしく、表紙が心に入ってきた人には、楽しめるファンタジー小説だと思います。

トンケさんの作品はなんとなく敬遠していたのですが。一気に心近くなったような感覚です。他の作品も読んでみたいと思えるような、素敵な一冊です。おすすめ。

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