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2019-11

王様に恋した魔女/柏葉幸子 著


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(2017年読書感想7冊目)


王様、お姫様、王子様、ドラゴン、そして魔女。
この本は、そんな素敵な者たちでできている、素晴らしくファンタジックな本でした。
10の短編からなっていて、その短編が少しづつつながっている。そのつながった先は、なんだか少し、泣きたくなるくらい幸せで。
著者の柏葉さんが何年も何年もかけて書きためてきたお話との事ですが、きっと大事に大事に書いてきたんだろうなと伝わってくるお話たちで。
多くの国がひしめき合い、争いが絶えなかった時代、争いが終わった後の時代に、必死に生きる魔女たちの強さ、しなやかさ、輝きが、一冊の本に閉じ込められていて、まるで万華鏡のようでした。
母と娘の絆、姉と妹の絆、そういったものが各所で力強く描かれていて、読んでいる間、なんだか勇気づけられました。
誰かが、誰かを、大切に思い、その誰かのために、生きようとする。
争いの中で、誰かが誰かを想う気持ちほど、貴い物はないのかもしれないと思いました。
この、誰かのためを思うという事が、この本のテーマかなと思えるくらい、沢山描かれていて、本を読み終わった後、「私は誰かのために、何かできるだろうか」と考えてしまいました。
力強く生きている魔女たちの、地味で控えめだけれども、確かな輝きの物語。
素敵な読書体験として、私の胸にも残りそうです。
きっと読んでいくうちに、子供も大人も、読んでる人のお気に入りの、魔女の話に出会えると思います。
おすすめです。




この本の概要


著者 柏葉幸子
本(作者)の国籍 日本
訳者 
イラスト 佐竹美保
出版社 株式会社講談社
レーベル 
ジャンル ハイ・ファンタジー
ページ数 135ページ
フォーマット 紙本
ノンシリーズかシリーズものか? ノンシリーズ
なぜこの本を読んだか。書店で目に留まってついにお迎え
本の入手方法 書店で購入

   

収録作品

蜘蛛の帷子
カッコウの卵
魔女の縁談
三人の杖殿
石工の女房
ぶさいくな猫
ポイズン・カップ
イチノツメとよばれた魔女
魔女カラボスの子守うた
竜になりたかったお姫さま


受賞・ノミネート情報など

不明

内容

戦乱の世の中、国を守る魔女がいた。魔女は、魔法で戦を勝利へとみちびいた。杖をもった魔女は、杖殿とよばれ、魔女の受難がはじまった。あるときは、町から追われ、森の中に住み、またあるときは、国を守り、そして、王様と恋もした…。柏葉幸子×佐竹美保が贈る、珠玉のファンタジー!!


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『女神の誓い』/マーセデス・ラッキー 著




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(2015年読書感想51冊目)

マーセデス・ラッキー 著 
山口みどり 訳
末弥純 表紙絵
   
おすすめ度★★★★☆(4・5くらい。 女性2人が主役の相棒ものファンタジー! ドキドキします!)


この本の概要

アメリカの女流作家、マーセデス・ラッキーさんの著作。
「剣の誓い」「女神の誓い」を収録している。
架空の大陸、ヴェルガースを舞台にした小説群、ヴァルデマール年代記シリーズの第一作目にあたります。
と言っても、この著作では、ヴァルデマール辺境を舞台にしている描写が散見されます。
女剣士タルマと女魔法使いケスリーを主役にした物語の一作目です。

本のあらすじ

遊牧民族として誇り高く生きるシン=エイ=シンは、山賊に襲撃され、一夜にして滅ぼされた。
一族の唯一の生き残りタルマは、復讐の誓いを立てて、山賊もろとも死のうとしていた。
そんなタルマに、剣を下げた女魔法使いけケスリーが声をかける。
「あなたの復讐に、手を貸してあげてもいいわよ」
魂の姉妹として結ばれることになるタルマとケスリーの、初めての冒険を収録した物語!


この本の読みどころ


今や女性が、剣と魔法の力をふるって悪を退治する時代なのです!

訳者さまのあとがきにもありましたが、今までの剣と魔法物ファンタジー小説というと、ん何となく男性が主役のイメージでした。
ですが、ラッキーの描くこのファンタジー小説は違います。
女剣士と女魔法使いという女性としても魅力的なこの2人が、鮮やかに自分の業を駆使して、悪と対峙し、退治してしまうのです。
女性2人の相棒ものというだけで、物語はとても鮮やかで、新鮮さを覚えます。
また、女流作家の書いた女性ものファンタジーということで、フェミニズム色の濃いファンタジーになっているかなと思います。
同じ女性として、非常に楽しく読めました。しかしこの物語は、きっと男性読者も気に入ること間違いなし。そんな魅力にあふれています。




感想

ヴァルデマール年代記と言えば、今までずっと、避けてきたファンタジー小説たちでした。理由は簡単。読みだしたら、絶対にはまってしまうのが判っていたから。
しかし、遂に読み始めてしまいました。
結果物語にぐいぐい引き付けられました。何より、タルマとケスリーという主役二人の女性が魅力的にすぎます。二人とも、過去にけりをつけ、新たな希望のために頑張り、時に仲たがいし、しかし最後には絆を確認する。王道ではありますが、感動してしまいました。
血と鉄の香りとともに、非常にフェミニズムの香りもする物語であり、今回の最終的な敵の性質もあって、どことなくエロティックな雰囲気さえ漂います。そのあたりは、さすが女流作家といったところでしょうか。
ヴァルデマールを舞台にした色々な本が出ていますが、たとえそれらをすべて読んだって、わたしの中でこの本は、タルマとケスリーは、特別な存在になるのだろうなあと思える、そんな素敵な本となりました。




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ゴブリン・マーケット(クリスティナ・ロセッティ 作)




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(2015年感想40冊目)


クリスティナ・ロセッティ 作 ローレンス・ハウスマン  絵 
おすすめ度★★★★★(良質な妖精書籍です! 本棚に飾っておきたい!)


この本の概要


ヴィクトリア朝時代の詩人イギリスの詩人、クリスティナ・ロセッティによって1862年に書かれた詩「ゴブリン・マーケット」に、イギリスの版画家、ローレンス・ハウスマンが挿絵を手掛けたもので、それを日本語訳したものです。
巻末にアーサー・ラッカムやマーガレット・タラントといった画家のカラーイラストや、妖精学者である井村君江さんの詳細な解説がついていて、とてもためになる、小さいけれど行き届いた、豪華な本になっています。


本のあらすじ


朝な夕な乙女を誘惑してゴブリンの果実を食べさせようとする、ゴブリンの隊商。
賢い姉、リジーはその誘惑をはねのけますが、好奇心旺盛な妹のローラは、誘惑に負けてゴブリンたちの果実を食べてしまって……。


この本の読みどころ。


清廉でありながらにじみ出る官能的な詩文で語られる姉妹の美しい絆


クリスティナ・ロセッティは、ヴィクトリア朝時代の女流詩人であり、その詩文の題材や文体などは、女流らしい清廉さを存分に感じられる。
しかしこのゴブリン・マーケット、それでいてなかなかに官能的な詩文や表現が散見し、その艶かしさは、清らかさを凌駕するときがあって、読みながら、話の展開はもちろん、詩文の表現に対してもドキドキしてしまう、なんてことが多々ありました。
詳しい話は井村君江さんの開設に詳しいのですが、しかしこの話は誘惑と救済をテーマにした、乙女である姉妹の美しい絆の物語であり、そこに男性忌避の思想が覗こうが、何とも言え愛、百合の花のようなこの詩作を、美しい日本語訳で読めることが、素晴らしいことです。
巻末には井村君江さんの詳細だがわかりやすい解説と、妖精画家であるアーサー・ラッカムやマーガレット・タラントの美しいカラーの挿絵が掲載されていて、妖精書籍として非常に良質で、秀逸だと思います。
本の大きさもA5 変形で、大きすぎず(むしろ小さ目)本棚の隅にこそりと秘密めいてしまっておきたい、そんな、乙女のかけがえない宝物になるような、本当に素敵な一冊です。
おすすめ。
表紙も素敵です、書影が出ないのが残念。

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雨のティアラ(今野緒雪)

雨のティアラ (集英社オレンジ文庫)雨のティアラ (集英社オレンジ文庫)
(2015/01/20)
今野 緒雪

商品詳細を見る



(2015年読書感想7冊目)

今野緒雪 著 結布 表紙絵  
おすすめ度★★★★★(読みやすいし面白いし、すごく好きです!)


「露ちゃんは」
アルトさんは、私の名前を漢字で呼んだ。
「雨粒でできた冠を被っているんだね」(p149)

―有斗の言葉ー


姉妹や家族の絆を繊細な筆致で描く連作短編集


集英社が2015年一月に創刊した新レーベル、集英社オレンジ文庫の第一回目の配本。路線としては、コバルト文庫を挿絵をなくして少しだけ一般よりにした感じでしょうか。
マリア様がみてるで有名な、今野緒雪さんの新作です。
竜田メグムは両親に内緒で美大進学を志望している高校一年生。大学生の姉カスミと、10歳の妹キリとの3人姉妹5人家族だ。
進路希望を打ち明けられずに悶々と過ごすメグムの日常は、近所の「お化け屋敷」に新しい住人が引っ越してきたことをきっかけに、少しづつ色を変えていく……。
16歳という今だけの青春の一瞬を瑞々しく描いた素敵な少女小説です。

マリみても読んでいたけれど、個人的にはマリみてよりこちらのほうが好きかも! ってくらい面白かったです。メグムちゃんの語り口は少しピリっとしていて、ユーモアにあふれ、思わずくすっと笑ってしまいます。この語り口が、本当に面白かったです。
3姉妹という姉妹ならではの、リアルな距離感の書き方や、10代の頃の友情の描き方、心の機微なども繊細にリアルに描かれています。
ただ、メグムを取り巻く環境は複雑というか、なかなかない状況だとは思うので、そこはあまりリアルではないのですが。

16歳の少女の、多分一般的には遅い初恋の様子が、甘くて、少し苦くて、微笑ましくて。
ああ、姉妹って、家族っていいなと思える、そんな小説になっています。
連作短編にする意味は正直あまりよくわからなかったけど、そのおかげで読みやすくなっていて、さらりと軽く読めます。今野緒雪さんらしい読みやすい文章は健在で、面白い本なので、あっという間に読み終えてしまいました。
なにより、タイトルである「雨のティアラ」の意味が美しいです。
この本はぜひメグムちゃんと同じ年頃の女の子に読んで欲しいなあと思いました。
正直なんとなく買った一冊でしたが、とても面白かったので買ってよかったです。
続編も出るならそれも読みたいな、なんて思わせる素敵な一冊でした。


オーブランの少女(深緑野分)

オーブランの少女 (ミステリ・フロンティア)
オーブランの少女 (ミステリ・フロンティア)
  • 発売元: 東京創元社
  • 発売日: 2013/10/22




(2014年読書感想31冊目)


深緑野分 著
おすすめ度★★★★☆(4・5くらい! 少女好きにはたまらない一冊です。)


「それにしても女ってやつは怖いもんだな」
(中略)
「お前らなあ、そんな昔話の姫様よりも家の母ちゃんを怖がったほうがいいぞ(後略)」(p258)



新人作家、深緑野分(ふかみどり のわき)さんの、少女を題材にした短編集、「オーブランの少女」の感想です。
「オーブランの少女」、「仮面」、「大雨とトマト」、「片思い」。「氷の皇国」の5篇を収録していて、いずれも少女が鍵を握っている内容となっています。

とにかく、デビュー作でまだ30代前半の若さであるというのに、その文章力の高さに文章の上手さに驚きました。とっても叙情的な表現力豊かな文章で、ミステリーというよりファンタジー小説を読んでいるような印象を受けました。推理小説もいいけど、純粋なファンタジー小説とかも読んでみたいな。

しかし、この本は「少女」が書きたいのであって、ミステリー的な要素はスパイスかなあと思わせる部分もあります。
表題作は、ミステリーというより美しいホラーな印象すらあったし(印象に焼きついて夢にみたくらい)、驚きはしたけど、謎自体は意外と簡単なものでもありましたしね。

わたしは少女も少年も好きですが、この方の描く少女はかなり理想に近いです。でも、少女の組み合わせも、割とテンプレな印象を受けました。(美人と醜女とか)
少女を際立たせたいがために、男性の扱いもちょっとひどかったように思えます。(特に二作目、「仮面」の男性は可哀想すぎるの一言)

それでも、読めてよかったと思える本でした。
お気に入りは1作目と4作目。5作目はミステリーというよりファンタジーとして読んでいました。
基本的にどの話も描写が美しすぎて、ミステリーの「謎」部分がちょっと浮いてしまう印象なのですよね。ライトな感じですが、ライト過ぎない重さもあって、個人的にはちょうどいいミステリーでした。
文章がうまい作家さんなので、ミステリー以外も読んでみたいです。それこそ少女小説とか、ファンタジーものとか。
とにかく、印象に残る読書体験でした。普段は書店員さんらしいですが、この作家さんが別の本を出したら、また読みたいなと思います。

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