FC2ブログ

2019-08

紙の魔術師/チャーリー・N・ホームバーグ 著



(2018年読書感想11冊目)


少し前に購入し積んでいた本を読了。面白くてずっとページをめくって一日ほどで読み終わりました。大変よくまとまっているファンタジー小説の小品。海外のFTは二分冊などが多いが、一冊で完結しているあたりも好感。
もともと一冊完結の予定だったものが好評を博して三部作になったというのも納得の展開とまとまりの良さは読んでいてとても気持ち良かったです。また、ディズニーで映画化の話も進行中だとか。本読みながらディズニー映画を思い浮かべたので、訳者後書きを読んで納得。物語の題材である紙の魔術がよい。確かに最初は、主人公のシオニーと同じで、紙の魔術なんて地味でぱっとしないのに、と読んでいる私自身も思っていたのですが、物語を読むにつれて、紙の魔術の魅力に気づき、みせられていくのは、本当に気持ちがよかったです。紙という物室と結合し、折り紙で作ったものに命を与える。素晴らしい。読んでいる本に命を吹き込み内容を視覚化する。素晴らしい。読書家必涎だ。
また、シオニーと彼女の先生であるセイン師との関係が徐々に変わっていく心の動きもよいなと思った。多少急激なものは感じたが、シオニーの心の動きは共感できる。この一冊がとてもよくまとまっているので、続編が蛇足に想える節もあるが、魅力的な魔法に満ちた世界観なので、気持ちがまたこの世界に戻ってきたがるのだろうと思う。
シオニーは優秀だけれど、嫌味なくてかわいくて、たくさんの後悔を抱えても真っ直ぐ生きているところがとても良い。あとセイン師の瞳の輝きの描写がとても素敵。年の差の二人のロマンスも気になるところです。
何よりもドキドキわくわくする冒険を味わる、とても素敵な読書の時間でした。
さらりと読めるし、映像も浮かびやすいので、魔法とかディズニーとか歳の差とか子弟とかのロマンスが好きならお勧めです。

この本の概要

著者 チャーリー・N・ホームバーグ
本(作者)の国籍 アメリカ
訳者 原島文世
イラスト minoru
出版社 早川書房
レーベル ハヤカワ文庫FT
ジャンル ヒストリカル・ファンタジー
ページ数 334P
フォーマット 紙本
ノンシリーズかシリーズものか? シリーズ1作目
なぜこの本を読んだか 書店で惹かれて。
本の入手方法 書店にて購入

収録作品


内容

魔術が高度な専門技術とみなされている1900年代初めのロンドン。魔術師養成学院を卒業したシオニーは、金属の魔術師になりたかったのに、人気のない紙の魔術の実習を命じられた。そのうえ師匠の折り師セインは変わり者。だが気の進まない勉強を続けるうちに、彼女は紙の魔術の魅力と師匠の優しさに気づきはじめる。そんなある日、セイン師が禁断の魔術の使い手に襲撃され…!魔法きらめく歴史ファンタジイ三部作開幕。
。・.。*゚+。。.。・.。*゚+。。.。・.。*゚+。。.。・.。*゚+。。.。・.。*゚+。。.。・.。*゚+。。.。・・

スポンサーサイト



風の名前 3 キングキラークロニクル第1部





(2018年読書感想4冊目)


今日読んだ本はパトリック・ロスファスの、キングキラークロニクル第一部、風の名前の三巻。
この本はずっと存在は知っていて、早川の復刊に合わせて購読したら、一気に世界観に引き込まれて、それ以来大好きな一冊です。
さびれた宿酒場を経営している、燃える炎のような赤髪の主人、コート。
しかしそれは世を忍ぶ仮の姿で、本当は伝説の秘術師クォートである。
ある日街を訪れた紀伝家にせがまれ、クォートは自身の半生を語り始める。
キングキラークロニクルといいつつ、まだ核心には至らないこの第一部。謎がいっぱいなのですが、話の最初の雰囲気も暗いのですが、クォートの語りに入るころには、徐々に引き込まれていき、そうして気づいたら彼の語りを最後まで聞かずにはいられなくなってしまう。
そうしてその内容も、最初は慣れないけれど、慣れると本当に面白い。
この魔力は何だろうと思います。
私がこの本を好きだなと思う理由は、たくさんあります。
まず一つに、世界が生きていて、その生きた世界で、キャラクターも生きていると感じることができる、その世界の構築力です。つまりクォートもバストも生きている。生き生きしている。
暦をはじめ、かなり独特な世界観ではありますが、ここまで作りこまれた世界には生きているといってよいものがある。ロスファスの世界構築には個人的に賞賛しかない。
どこか甘やかな、詩的な文章、語りも魅力の一つ。私の大のお気に入りポイント。
主人公クォートの、考え方、行動、もののとらえ方、価値観、思想。
そういったものが、とにかく素敵だなと思う
みずみずしくて、上品で、なめらかで、的確、どこか懐かしいと感じるけれど。嫌味なほどには感傷的すぎない絶妙な按配。
つまり私はこの物語の主人公のクォートが好きなのだ。この本を読んでクォートを嫌いになるのは難しいと思う。
悲惨な過去を嘆くでもなく、しかし忘れるでもなく、生きている。友人もできる。目の敵にも思われる。恐れられ噂の的になることもある。お金のやりくりに苦しみ、異性が気になって、戸惑ってしまう。
そんなクォートは本当にたまらなく魅力的で、一言でいえばかわいい、デナになりたいとは言わない。けれどシモンにはなりたい。
この三巻目はほとんど学生パートだけれど、クォートに友人ができたことがうれしいし、デナと再会したシーンは、感動のあまり読書にのめり込み、読みながら涙してしまった。
なんて運命的な出会いだろう。しかし物語における現実
この三巻ハイライトはこの演奏のシーンに違いない。本当に、素晴らしいシーンだと感じる。私がクォートでも、デナに運命を感じるだろうと思う。
この本の、クォートの青春してる感じが好きです。美しいです。既に少なくない伝説を生み出しているクォートの、それでもまだ少年なんだと思える感性が好きです。
ファンタジー小説として、非常に贅沢な一冊だと思います。
このシリーズは間違いなくお勧めです。


著者 パトリック・ロスファス
本(作者)の国籍 アメリカ
訳者 山形浩生 渡辺佐智江 守岡桜
イラスト 中田春彌
出版社  早川書房
レーベル ハヤカワ文庫FT
ジャンル ハイファンタジー
ページ数 286P
フォーマット 紙本
ノンシリーズかシリーズものか? 三部作1部目の3巻
なぜこの本を読んだか。このシリーズが好きだから。
本の入手方法 書店にて購入

死神うどんカフェ1号店別腹編☆/石川宏千花 著


。.。・.。*゚+。。.。・.。*゚+。。.。・.。*゚+。。.。・.。*゚+。。.。・.。*゚+。。.。・.。*゚+。。.。・


(2018年読書感想1冊目)

このシリーズも大好きなシリーズです。
また彼らと会えるなんて! と、今更ながらではありますが、歓びに浸りながら読みました。
しかも視点人物は、私の大好きな深海さん! これは読んだときにテンション上がりました。
深海さんと希子ちゃんは性格というかが似てるなと思ったので、あまり違和感なく読めるのも好印象です。
お話としてはまさしく番外編といった感じなのですが、やはり石川さんは、この年頃の子の感情を書くのがうまいなーと思いました。
潔癖でありながら、ちょっとずるくもなれるというか、でも潔癖というか繊細というか。
今回の事件は、真相というかがなかなかに重く、切なかったけれど、前向きなラストに救われました。
ヤングアダルトを結構読んでいますが、石川さんの本に出てくる大人は、優しくて、さりげなくて、格好いい。理想の大人だと思います。こういう、等身大の子供に対して、理想の大人を描くのがヤングアダルトというジャンルの一つの側面なのかな、と思いました。
私は石川さんの描く物語が大好きで、きっとそれは、切なさの中に優しさが、優しさの中に前を向く力が、隠されているからなのだと思いました。
そして死神の皆さんは相変わらず仲が良くてとてもよいですね。
別腹編の続編も希望するのですが、なかなか難しいかな。
しかし、彼らに再び会えただけで、心から嬉しくて、またこのシリーズが、やはり大好きだと思えた、そんな一冊でした。


この本の概要


著者 石川宏千花
本(作者)の国籍 日本 
訳者 
イラスト 庭
出版社 講談社
レーベル YA!ENTERTAINMENT
ジャンル キャラクター文芸
ページ数 226P
フォーマット 紙本
ノンシリーズかシリーズものか? シリーズ番外編
なぜこの本を読んだか。このシリーズが好きだったから
本の入手方法 図書館にて

   

収録作品



内容

人間は、死神のダンスを見ることによって死ぬ。
だから、死神は知っている。霊なんて、この世に存在しないことを。
ひょんなことから死神をやめ、人間界で《死神うどんカフェ1号店》を開いた星海九嵐のもとに、ある日奇妙な依頼が持ちこまれる。「知り合いが経営している《オカルトアート美術館》に出るという霊がホンモノなのかどうか、調査してほしい」というものだ。「霊の存在を信じないなら、証明できるか」と。
依頼を引き受けた星海九嵐と現役の死神、花園深海と福富一淋は、北関東のとある地方都市へ向かう。はたして、美術館に出るという〈ドレスを着た女の幽霊〉の正体を、死神たちは見破ることができるのか?

「死神うどんカフェ」シリーズ、大好評につき、まさかのおかわり!
とっておきの別腹を、お楽しみください。

。・.。*゚+。。.。・.。*゚+。。.。・.。*゚+。。.。・.。*゚+。。.。・.。*゚+。。.。・.。*゚+。。.。・・



風の名前 2 (キングキラー・クロニクル第1部)



。.。・.。*゚+。。.。・.。*゚+。。.。・.。*゚+。。.。・.。*゚+。。.。・.。*゚+。。.。・.。*゚+。。.。・




(2017年読書感想26冊目)


一巻を読んで、正直わからないことだらけだけれど、謎の吸引力があって、引き込まれるように貪るように読んだ読書体験が熱烈な印象を残していた風の名前の第二巻。
両親をはじめとする旅一座の仲間たちを、伝説の暗殺集団チャンドリアンに惨殺されたクォートは、タルビアンでの過酷な路上生活を経て、ついに大学を目指すことになった。しかしそこで待っていたものは……??
この2巻目も、読みはずめると私を掴んで離さなかった。
クォートのタルビアンでの生活は本当に過酷で、読んでいて時に辛いこともあったが、機知を働かせ切り抜けていくクォートがとても魅力的に映ったものだ。
タルビアンでの生活も過酷だったが、では大学での生活はどうかというと、タルビアン以上に過酷なものがクォートを待っていたと言っていい。嫌な上級生が憧れの場所を仕切り、先生である師匠の一人に目を付けられる。
それでも、それらを必死に乗り越えようとするクォートのたくましさに、読んでいる私もどこか勇気づけられるものを感じた。
この2巻では幕間は僅か一章のみであり、他の全ての章はクォートの過去の階層にあてられる。
クォートの語る過去は、厳しくて過酷だけれど、それでも希望と、甘酸っぱい恋と感情が、差し色の様に鮮やかに彩られている。黒髪の美しい少女、デナと過ごした大学に向かうまでのわずかな旅路は、クォートにとってそうであるように、私にとっても強い印象を残した。
とにかくこのシリーズは、クォートの人生の中で交差しては離れていく、脇役の一人一人に至るまでも個性豊かで、生き生きとしていて、その背景に深い人生を感じさせられるところが、私はとても好きで、魅力に思ってるのだろうと思った。
デナ、とラピス、スカルピ、そして大学でのルームメイトたち。
こんなに生き生きとした登場人物に出会うjことは読書体験を通じてもまれであり、だからこそこの本を忘れられないものにしていると思う。
個人的にはルームメイトのシモンとか好きなのですが、とにかく脇役に至るまで本当に皆素晴らしいのです。
同じ魔法学校ものではあるけれど、ハリー・ポッターと比べて読んでも、まったく違う面白さがある。
クォートの人生にこれからどんなことが起こるのか、目が離せない。引き続き三巻も読んでいきたいと思う。
しかしなぜか4巻を買ってしまっている。三巻を買わねば。



この本の概要


著者 パトリック・ロスファス
本(作者)の国籍 アメリカ
訳者 山形浩生 渡辺佐智江 守岡桜
イラスト 中田春彌
出版社  早川書房
レーベル ハヤカワ文庫FT(589)
ジャンル ハイファンタジー
ページ数 286P
フォーマット 紙本
ノンシリーズかシリーズものか? 三部作1部目の2巻
なぜこの本を読んだか。このシリーズが好きだから。
本の入手方法 書店にて購入

   

収録作品




内容


両親をはじめとする旅一座全員をチャンドリアンに惨殺されながらも、ただひとり生き残り、港町タルビアンへと流れ着いたクォート。だが、そこでの生活は悲惨をきわめた。父の遺品のリュートは無残にも壊され、絶えまない暴力に身をさらされながら、ごみ箱をあさって食べ物を探す毎日。そんなある日、酒場で語り部の老人スカルピに出会ったことがきっかけで、秘術士ベンの言葉を思い出し、大学に行くことを決意するが…。

。・.。*゚+。。.。・.。*゚+。。.。・.。*゚+。。.。・.。*゚+。。.。・.。*゚+。。.。・.。*゚+。。.。・・



白冥の獄2(下) 影との死闘(ジン・ヘイル)

白冥の獄2 下 - 影との死闘 (C・NOVELSファンタジア)白冥の獄2 下 - 影との死闘 (C・NOVELSファンタジア)
(2014/04/24)
ジン・ヘイル

商品詳細を見る




(2014年読書感想40冊目)


原題 Lord of the White hell Book Two
ジン・ヘイル 著 原島文世 訳 笹原亜美 イラスト
おすすめ度★★★★☆(いろいろ突っ込みたいことあるけど、気づけば最後までどっぷりでした!)


「なにがしたい?」
「機械学者になりたいです」「世界じゅうを旅してまわりたい。あなたの恋人になりたいです」(p95)

―ハビエルとキラーム。会話のみ抜粋ー


「白冥の獄」の2冊目の下巻。どっぷりハマったこのシリーズも、いよいよ最終巻です。
ハビエルの意外な決断を垣間見たり、意外な? 人物が黒幕だったり、題名通りなかなかの死闘を繰り広げたり。盛りだくさんの下巻でした。
主役カップルの凛々しい姿が表紙を飾っていますが、口絵のフェでレスがとにかく素敵でした。この口絵のために、真面目に購入を検討してる私がいるくらい……。

とにかく、いろいろ消化不良だったり、書き込みが足りない部分もあったりしましたが、ハビエルとキラームの2人は、なんというかお互い、心から求め合ってる真のカップルに出逢えたって印象が強くあって、こんな2人の本だったからこそ、ここまでのめり込んで、印象に残ってるのかなと思える一冊でした。そういう意味では、作者様のあとがきも、感動的でした。
ゲイ・ロマンスというよりBLだけど、気持ちのいい話を読んだなあという気持ちでいっぱいです。

後半になって、かなり気の毒な役を振られたエレザールの株がぐんぐん上がるという現象が私の中で起こったので、エレザール主役の続編も楽しみです。5年後といえば、もう皆立派な大人ですね。こちらもぜひ翻訳希望です。
作者様はこの路線で物語を書き続けるようなので、エレザールにもパートナーが見つかるのかしら。

この本はファンタジー小説としてもしっかり世界観が出来ていますが、基本ロマンスであり、青春小説だと思います。
そういう読み方をしたもの勝ちな話かなと思いました。
登場人物皆が少年から大人としての階段をのぼっていました。その成長が嬉しかったです。
偶然ではありましたが、素敵な本に出会えて嬉しい気持ちでいっぱい。ファンタジーとBLに抵抗がなければ、おすすめのシリーズです。
個人的には、今年指折りのシリーズになりました。


NEW ENTRY «  | BLOG TOP |  » OLD ENTRY

プロフィール

マユリ

Author:マユリ
FC2ブログへようこそ!

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ(タブ)

カテゴリ

未分類 (6)
紅茶・お茶・珈琲 (9)
海外ファンタジー (202)
ハイ・ファンタジー (105)
エブリディ・マジック (50)
アーバン・ファンタジー (22)
アニマル・ファンタジー (9)
ヒストリカル・ファンタジー (16)
国内ファンタジー (70)
異世界ファンタジー (58)
日常の不思議 (11)
神話・伝説・童話 (31)
神話 (4)
伝説 (9)
童話 (18)
ロマンス (14)
SF (29)
少女小説 (76)
ラノベ (26)
BL・JUNE・少年もの (20)
BL (14)
JUNE (3)
少年物 (3)
ミステリ・ホラー (38)
ミステリ (31)
ホラー (7)
古典・文学 (8)
現代小説 (7)
ヤング・アダルト・児童書 (114)
YA (58)
高学年 (29)
低学年 (27)
絵本 (34)
戯曲・詩 (4)
幻想・耽美小説 (7)
ハードボイルド (1)
伝奇 (2)
歴史・時代物 (4)
ノヴェライズ (4)
漫画 (5)
日記 (2)
このブログについて (1)
未選択 (2)
キャラクター文芸 (3)
エッセイ (1)

タグ

美青年 王子 美少年 王女 魔法使い 妖精 異世界 騎士 吸血鬼 双子 学校 海賊 ドラゴン 兄妹 女王 吟遊詩人 アーサー王伝説 中華風 三角関係 身分違い 兄弟 巫女 西洋風 人狼 姉妹 エリザベス朝 本・図書館 ケルト  妖怪 近未来 おすすめ 姉弟 切ない 神父・シスター 人造人間 天使 幼馴染 ユニコーン ヴィクトリア朝 お店物 RPG小説 軍人 和風 人魚 食べ物系 学園 中世 人形 ホームズ 

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR

訪問者様