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2019-12

幻想古書店で珈琲を6 それぞれの逡巡/蒼月海里



(2018年読書感想6冊目)

神保町のランドマークである書店にひっそりと軒を借りる形で存在するこの古書店「止まり木」も随分とにぎやかになってきました。今回の巻は、前巻から登場した魔神、アスモデウスがメインの巻。
前の巻読んだときには、アスモデウスさんは癖が強すぎて結構ドン引きしていたのですが(でも好き)今回の一冊を読むと、本当我々人間と変わらないといったイメージで、むしろ親近感を覚えます。
そして、アスモデウスさん以上に、成長著しいのは司君。
最初はどうもなじめない語り手だったのですが、本当にいい子です。
司君、偏見がないっていうのは、今の世の中、素晴らしい美徳だよ!
神とかそういう存在は現代においてとかく偏見とかを受けやすいので、ありのままを受け止める司君は、アザリアさんじゃないけれど、「器が広い」のだと思いました。
読みやすくて、フラットなのだけれど、考えさせられる部分もある。
それがこの本の魅力というかなのだと思います。
まさしくコーヒーのように、身近にあるシリーズというべきか。
最後の糸口のように、飲み切るのが名残惜しく、飲んだ後、残り香にしばし思いをはせる。
本当に素敵な本だと思います。
あと司君、亜門とコバルトだけじゃなくて、アスモデウスも幸せにしてあげてください。
きっと司君なら、それができるから。

この本の概要


著者 蒼月海里
本(作者)の国籍真人日本
訳者 
イラスト 六七質
出版社 角川春樹事務所
レーベル ハルキ文庫
ジャンル エブリディ・マジック
ページ数 222P
フォーマット 紙本
ノンシリーズかシリーズものか? シリーズ6冊目
なぜこの本を読んだか。このシリーズが好きだから
本の入手方法 書店にて購入

   

収録作品

内容

本の街・神保町にある不思議な古書店『止まり木』。普段は店主・亜門の笑顔と美味しい珈琲で穏やかな時間を過ごせる店だが、この日はなんと魔神アスモデウスと大天使アザリアという宿敵同士が長い年月を経てはち合わせてしまった。まさに一触即発!!この店で働く名取司は慌てるが、二つの大いなる力がぶつからんとしたその時―。人として、魔神として、天使として、様々な想いが交錯する中、それぞれが自分の道を模索し始める。大人気シリーズ第六弾!!

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光の巫女を放つ風/ひずき優 著





(2018年読書感想5冊目)

私が前田珠子さんと出会ったのは中学校の図書委員が、図書館の蔵書を購入するイベント、図書購入で、「破妖の剣」が並んでいるのを見て、主人公ラエスリールの美しく凛々しいたたずまいの表紙に惹かれ、気づいたらシリーズすべてを買い物かごに入れていました。
それから本を読み進め、前田珠子さんの世界観に多大な影響を受けました。
この本も、前珠原作ということで手に取った一冊。
読み始めるまで時間がかかったものの、読みだすと、前珠の本に熱狂した青春時代を思い出して、何とも懐かしい気持ちになりました。こてこてのファンタジーな世界観とか、登場人物の長ったるい名前とか、すべてがいとおしいです。
世界観としては、もう単語からして好きですね。前珠の本でファンタジーの薫陶を受けた少女が何人いるか。私もその一人です。
筆致としては非常に読みやすい文体で(ひずきさんの小説は初めて読みました)
けれど雰囲気があってとても良いのではないかなと思いました。
話としては、エイシャラムもハワルアトも魅力的だけれど、肝心の巫女である主人公のヒアルキトには、気持ちはわかるのだけれど、納得できない部分もあり、そこまで感情移入できませんでした。
けれど、恋あり陰謀在り戦いあり、少女小説としてかなり贅沢で華やかな仕上がりになっていると思います。
エイシャラムみたいな男子がいたら女の子はそりゃあ揺れるでしょう。ハワルアトが気の毒だったので、この後に読むハワルアトルートの「夜」も読むのが楽しみです。
なかなかの良書で、ファンタジーな少女小説として気軽に、けれど充分に楽しめる一冊です。

著者 前田珠子原案 ひずき優
本(作者)の国籍 日本
訳者
イラスト 由利子
出版社  集英社
レーベル コバルト文庫
ジャンル ハイファンタジー
ページ数 263P
フォーマット 紙本
ノンシリーズかシリーズものか? 別著者別ストーリーの姉妹編有
なぜこの本を読んだか。原案者が好きだから。
本の入手方法 書店にて購入

暁の女王マイシェラ エルリック・サーガ4/マイクル・ムアコック 著




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(2018年読書感想2冊目)


訳者さんの言葉ではないけれど、エルリックもやっと四冊目です。何度読んでも、そのたびに新しい視点と感慨を抱かせてくれるこのシリーズは、やっぱり私にとっては大切なシリーズです。
かつて、エターナル・チャンピオンほど、エルリックほど、宿命や神々、宇宙の意志に翻弄された人物はいただろうか、と思います。
しかしそれは、程度の差こそあれ、現代に生きる我々も同じことで、そう考えると、メルニボネ人でありエルリックは、現代人の我々をして鏡なのだなと思わされます。
そんな感慨を抱かせる一方で、この話はやはりファンタジーを感じさせる十分な要素がふんだんに出てきて、純粋に胸を熱くさせます。
この巻はそういったエンターテインメントの部分も本当に素晴らしく、悪役のセレブ・カーナはいささか小物ではあるものの、ファンタジーとして存分に楽しめます。
それにしても、マイシェラ、オーベック伯とエルリックに対する態度が別人ですね。エルリックに対するマイシェラがかわいらしい。
あとこの巻では、ラッキールも再登場し、エルリックとともに戦う様子が熱いです。ラッキール好き。
宿命に、神々に、多次元宇宙に翻弄されるエルリック。
この巻の最後のセリフが、心にいつまでも響きます。
「ああ、呪われよ、呪われよ、呪われよ」
どうかエルリック安らぎあれと思ってしまいますが、タネローンでさえエルリックに安らぎをもたらせないのですから、安らぎというのはなんというむなしく儚い響きなのだろうと感じさせます。
この、哲学的な要素が、エルリックの魅力の一つに違いないと、心からそう思います。



この本の概要


著者 マイケル・ムアコック
本(作者)の国籍 イギリス
訳者 井辻朱美
イラスト 天野義孝
出版社 早川書房
レーベル ハヤカワ文庫SF(606
ジャンル ハイ・ファンタジー
ページ数 252P
フォーマット 紙本
ノンシリーズかシリーズものか? シリーズ4冊目
なぜこの本を読んだか。このシリーズが好きだから
本の入手方法 図書館にて

   

収録作品



内容

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白き狼の宿命 エルリック・サーガ3/マイケル・ムアコック 著



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(2017年読書感想36冊目)


久しぶりにエルリックに会いたくなって、またこの本のページをめくった。
定期的に襲ってくる、この治しがたい熱病の様な感覚は何だろう、と思う。
この本では、エルリックの人物評をするシーンがある。この人物評を読んで、なんとなくエルリックに会いたくなる病の理由を察した。
エルリックは私とよく似ているのかもしれないと思った。「世事に無関心、しかして執念深し」
この本はもう30年以上も前に出版されている。しかし、エルリックの感性や悩みは、限りなく現代人のそれに通じている。だから私はエルリックが好きなのだと思う。
この本には4つの短編が収録されている。そこで今も鮮やかに感じるのは、エルリックの世界の女性たちの、なんと魅力的で美しいのだろうか、という事である。
サイモリル、マイシェラ、シャーリラ、イシャーナ、エルリックが愛し、また愛される女性の魅力的なことといったらない。病弱なのに、沢山の女性と良い仲になるエルリックも、やはり英雄という事か。
この本の、井辻朱美さんの翻訳が好ましい。エルリックの世界にこれほど似合うj翻訳もないと思った。天野さんのイラストも素晴らしい。読んでいて震えてしまうほどだ。
この巻は短い四本の短編からなるが、どの本にも退廃と破滅の中の美の様なものが感じられて、唯一の世界観を醸し出している。やはり私は、エルリックが好きだなと思う。心から強くそう思う。
エルリックの世界でファンタジーの世界にやってきた私にとって、この本の魅力は筆舌に尽くしがたいものがある。言葉なんていらないとさえ思う。
ただ、またきっとこの世界に戻ってくると思う。私にとって、この世界が魂の故郷の一つなのだろうとさえ思う。
何度読んでも、そのたびに褪せることのない素晴らしい感動に震える。
このシリーズは、だからこそ、やはり名作なのだ。


この本の概要


著者 マイケル・ムアコック
本(作者)の国籍 イギリス 
訳者 井辻朱美
イラスト 天野喜孝
出版社 早川書房
レーベル ハヤカワ文庫SF
ジャンル ハイ・ファンタジー
ページ数 210P
フォーマット 紙本
ノンシリーズかシリーズものか? シリーズ三作目
なぜこの本を読んだか。このシリーズが好きだから
本の入手方法 図書館

   

収録作品

オーベック伯の夢
夢見る都
神々の笑うとき
歌う城塞



内容


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ひみつの小説家の偽装結婚 恋の始まりは遺言状!? /仲村つばき 著



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(2017年読書感想34冊目)


普段はビーズログで書いている仲村つばきさんのコバルトの作品。
仲村つばきさんは一冊しか読んでないけれど、品と趣のある少女小説を書かれる方だなあと思っていて、コン感度が高い作家さんです。
この本は、一寸軽めなタイトルはどうかと思いつつも、落ち着いた色合いの表紙と他の読書家さんたちの評判のよさに興味を惹かれて読んでみました。

女性はほとんど本を読む習慣がない国で、無類の本好きであり、男性名義でせいべつを偽り小説を書いているセシリア嬢が主人公。セシリアのペンネームはセオ。
とある事情によって父親ほどに年の離れた国の騎士団長のヒースと契約結婚していたが、そのヒースが病気で亡くなったところから物語は始まります。
ヒースの遺言状には、自分の亡き後、騎士団長になる貴族の三男、クラウス・シロンと結婚するように書いてあって……。セシリアは已むに已まれぬ事情により、二度目の契約結婚をすることになります。

仲村さんらしい、しっとりと品のある落ち着いた少女小説でした。
読書家のクラウスはセオ(セシリア)の小説の熱烈なファン。そうとは知らず、最初は最悪な出会い方をして、お互いの印象は悪いなんてものではなかった二人。しかしセシリアとクラウスの共通の趣味読書を通じて、心が通い合っていく様が本当に素敵でした。
二人の性格も相まって、糖度は低めですが、2人のお互いに対する信頼感というか、お互いを尊重し合い支え合い、気遣う様子は、低い糖度を感じさせないほど、胸をときめかすものでした。
また、全編にわたって演出されるヒースの遺言状の、なんと二人への愛情に満ちていることでしょうか。ヒースは挿絵もなかったけれど、どんな人物か、想像しながら読むのは楽しかったです。
また、ヒースに限らず、どこか憎めない弁護士のマルコや、クラウスの兄デューイなどの脇役も、皆が皆二人の事を察して思いあっていて、とてもよかったです。
セシリアの小説家仲間で、同じく男性名義で小説を書いているフレデリカとの、ライバルであり、善き友人でもある友情関係もとてもよかったです。お菓子会社のご令嬢のフレデリカの家で振る舞われるお菓子がどれも本当においしそうで、読んでいる間、お菓子が食べたくなってしまいました。本が汚れるからそんなことしませんけれどね。
クライマックスの展開も秀逸。というかほとんど完璧。一見冷たいクラウスの家族が、実はとてもクラウスの事を想って、かわいがっていることが判り、読んでいる私まで涙が出そうでした。
展開は地味なんだけれど、物語として無駄な要素というか展開がそぎ落とされていて、本当に素敵な小説だなと思います。読者の視点の「本」と、作者の視点の「本」の違いというかも、興味深いものでした。
ラストシーンも良かったです。思わず泣きそうになりました。この本で何度泣きそうになったんだろう。
この作品そのものが、セオの小説の様に、厳しい夏、苦しい冬を乗り越えて、新しい芽吹く春になっているような、そんなイメージが浮かびました。
この話はこれできちんとまとまってるから続編とかはいいかなと思うのですが、同じ世界観でスピンオ展開なんかを期待してしまいます。
面白かったです。おすすめ



この本の概要


著者 仲村つばき
本(作者)の国籍 日本 
訳者 
イラスト 藤ヶ咲
出版社 集英社
レーベル コバルト文庫
ジャンル 少女小説
ページ数 237P
フォーマット 紙本
ノンシリーズかシリーズものか? 単巻。
なぜこの本を読んだか。表紙に惹かれて
本の入手方法 書店にて購入

   

収録作品




内容

覆面小説家のセシリアは、没落貴族の両親から逃れるために後見人の騎士ヒースと名目上の結婚をしていた。だがヒースが亡くなり、遺言でヒースの部下クラウスと再婚させられる羽目に。その上次の小説大賞を獲らなければ契約を切られる危機に陥る。が、最初は喧嘩腰だったクラウスがセシリアの小説のファンだとわかり、ふたりの気持ちは次第に近づいて…。にせもの夫婦の間に芽生えた、本物の恋。文学少女と堅物騎士のラブロマンス!


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