新装版 ロードス島戦記 3 火竜山の魔竜(上)
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(2017年読書感想30冊目)
やはりロードス島戦記は面白い。
改めて読んで、その想いを深くした一冊でした。
この巻は、20年くらい前に放送されたアニメの原作にあたる巻。懐かしいですね。アニメ、何回見たかわかりません。
久しぶりん原作を読み返すと、様々な思い出と共に、情景がばぁっとあふれるように、甦ります。
ああ、ロードス島戦記は、間違いなく私のファンタジーの原風景、アルカディアの一つだなぁと思います。
この、読ませる力は何だろうか、と考えます。そしてそれはきっと、難しく複雑な事を、平易な言葉で表現する、作者の筆力にもあるのだろうなと思いました。プロの作家でも、誰にだってできる事じゃありません。本当にすごいことだと思います。
物語の中では、2巻から3年の月日が流れ、よい意味で登場人物たちも変化、成長しています。
魅力的な女傭兵シーリスの登場で、嫉妬の気持ちを抱くディード。
名声を買われ、王にならないかと誘われるパーン。実際に王になったエト。
そうして、華麗なるアシュラムの再登場。
ロードス島戦記は日本の王道の異世界ファンタジーですが、その本の内容は、まさしく王の道を描くものではないのかな、と読んでいて感じます。
人の上に立つと言こと、国を治めるということ。
現実世界では関係なさそうなこれらの出来事でありながら、この本には現実世界にも大事だと思われるような言葉が沢山ちりばめられています。そうして、そういう物事こそが、ファンタジーの物語としての役割ではないかと、私はそう思います。
一気に読みました。下巻も楽しみです。
この本の概要
著者 水野良
本(作者)の国籍 日本
訳者
イラスト 出渕裕
出版社 KADOKAWA
レーベル 角川スニーカー文庫
ジャンル ハイ・ファンタジー
ページ数 262P
フォーマット 紙本
ノンシリーズかシリーズものか? シリーズ3作目の上巻。
なぜこの本を読んだか。このシリーズが好きだから。
本の入手方法 電子書籍版を購入
収録作品
内容
皇帝ベルド亡きあと、かつての勢いを失ったマーモ帝国。その騎士アシュラムが、絶対的権力を与えるという太守の秘宝「支配の王錫」を求めて旅を始めた。パーンはその野望を阻止すべく後を追うようにディードリットやスレインたちと冒険に出る。しかしその秘宝はロードス各地に棲む5匹の古竜のいずれかが守っているらしい。硬く巨大な体躯を持ち、強力な魔術をも駆使する伝説の古竜にパーンは立ち向かうが!?
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青の王/廣嶋玲子 著
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(2017年読書感想27冊目)
あらすじがドストライクだから買いました。今年四月に横浜で開催されたHALコンでもお見かけしたけれど、まさかこんなに面白いとは。もっと早く読んでいればよかったです。
逃亡奴隷の少年、美しく謎めいた記憶喪失の少女、子供たちを助ける、翼船に乗る女稲妻狩人。幸いの虫アッハーム。
こうやって、書いているだけでドキドキワクワクできる、そんなイメージの奔流が物語に溢れ、この物語を愛おしいものにしています。橋さんの挿絵も素晴らしい。本当に、この方の察し絵もそれだけで魔法の様だ。
様々な出会いから成り立つ物語がファンタジーの醍醐味だと私は考えているのですが、だとしたらこの本はなんと魅力的なファンタジー物語であることでしょうか。
圧倒的な色彩と展開の波が気持ち良いです。登場人物が良くも悪くも凄くジブリ的な印象。陰謀と冒険に満ち溢れながらも、王道で、安心して読めるのにハラハラする物語展開には何度も手に汗握りました。本当に巧いです。
ジブリがお好きな方ならお好きなはず。間違いなくお勧めです。
そういいつつ、私はあまりジブリを知らないのですが、そんな私でもとても面白く読めるあたり、総てのファンタジーファンに捧げる素晴らしい一冊と言えるでしょう。
とにかく面白い。日本のファンタジーの土壌は、熱く厚くなってきている。
そんなことを確信させられた一冊でした。
この本の概要
著者 廣嶋玲子
本(作者)の国籍 日本
訳者
イラスト 橋賢亀
出版社 東京創元社
レーベル
ジャンル 異世界ファンタジー
ページ数 318P
フォーマット 紙本
ノンシリーズかシリーズものか? 単巻
なぜこの本を読んだか。あらすじが超絶的に好みだったから。
本の入手方法 書店にて購入
収録作品
内容
砂漠に咲く奇跡の都ナルマーン。王宮の上空では翼をもつ魔族が飛び交い、豊かな水をたたえた池の中には魚や竜の姿をした魔族が泳ぐ。ナルマーンの王は神に選ばれ、魔族を操る力を授けられたのだ…。そんなナルマーンに住む孤児の少年ハルーンが出会ったのは、不思議な塔に閉じ込められたひとりの少女だった。ハルーンは、自分の名前も知らないというその謎めいた少女を助けて塔を脱出する。だが彼らのあとを、魔族が、そしてナルマーン軍が追いかけてきたのだ!
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深海カフェ 海底二万哩 3/蒼月海里 著
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(2017年読書感想25冊目)
蒼月さんの本は、疲れた時についつい手に取ってしまいます。私にとって癒しの空間に行くような様子なのかもしれません。蒼月さんの本で最初に出会ったのがこの深海カフェだから、やはり特別な思い入れがあります。前の2巻がとても印象的だったので、続きが出てくれたことがとてもうれしかったです。
今回のテーマは、「行動することの勇気」かなと思いました。
このシリーズのとても印象的なキャラクター、セバスチャンの秘密も明らかになります。なるほど、こんなことが、と感じてしまいました。
確かにそれをできてしまう深海の力は考えれば怖くて、それを想像してわかったうえでそれでも深海と一緒にいたいと思う倫太郎の決断は勇気以外の何物でもないと感じました。軽いだけではなく、その中にも考えさせられるところがあったりして、そういう所がお気に入りです。
私は前の巻から登場するシータが好きなのだけれど、シータが今回は深海にデレてくれます。少しだけですが。
和解するの早いな、とも思いましたが、もともとの感情を考えるとこれくらい早くていいのかも。
みんな仲良しで、今が良くて、ずっとこれからも仲良しでいてくれたらと思えて、正直この巻で終わってもいいくらいだったんだけれど、皆の活躍があともう少しみたいので続きがあると嬉しいです。
それと、定番の倫太郎の女顔ネタですが、これ読んでると倫太郎がどれだけの美少女顔なのかがとても気になります。
何となくこのシリーズは、深海が海、大空兄ちゃんが空、そうして彼らを繋ぐ倫太郎は陸なのかな、と感じました。
深海カフェのメニューは見た目が面白そうだから食べてみたいです。水族館の歴史なども興味深く読めました。私にとって、深海という未知の世界のお話だったけれど、今はこの本のおかげで、少しだけ近く感じられて、水族館と科もまた行ってみたいなと思える本で、そういう意味では、大切なシリーズなのだろうなあと思います。
この本の概要
著者 蒼月海里
本(作者)の国籍 日本
訳者
イラスト 六七質
出版社 KADOKAWA
レーベル 角川文庫
ジャンル キャラクター文芸
ページ数 208P
フォーマット 紙本
ノンシリーズかシリーズものか? シリーズ3冊目
なぜこの本を読んだか。このシリーズが好きだから。
本の入手方法 書店にて購入(著者サイン本)
収録作品
受賞・ノミネート情報など
不明
内容
“心の海”に宝物を落としてしまった人は、このカフェの入口が見えるんだ
サンシャイン水族館のミズクラゲの回廊のそばにある扉を開くと、そこは“深海カフェ 海底二万哩”という不思議な空間。そっと入り込んだ僕、来栖倫太郎をいつものように深海(ふかみ)とその執事でメンダコのセバスチャンが歓迎してくれる。今日の客は、八景島シーパラダイスに繋がった入り口からやってきたと思われる女性、真帆。誰にでも意見を合わせ、自分では何も決められない彼女はなぜそうなってしまったのか、それを探りに深海たちは真帆と一緒に彼女の“心の海”に潜ってみる。(「クダクラゲシュークリームサワー」)。他に、誰かの宝物を呑み込んでしまったようだ、というデメニギスの相談を受ける(「デメニギスゼリーケーキ」)。うっかりセバスチャン共々、カフェ店内から“心の海”に落っこちてしまった倫太郎が出会ったのは?(「シーフードサンドイッチ」)。日本最古の水族館を調べて、葛西臨海水族園で出会ったのは、「幽落町」にでてくるアノ人だった!(ブレイクタイム アクアミュージアムヒストリー)
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幻想古書店で珈琲を―賢者たちの秘密/蒼月海里 著
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(2017年読書感想21冊目)
この本も三冊目になりました。
正直、最初読んだときは嫌いじゃないけれどまあ普通かな、くらいに想っていたのですが、このシリーズは巻を増すごとに、面白く、味わい深くなっていきますね。まるで本当に珈琲みたい。
今回は、「あしながおじさん」「素晴らしき新世界」「クリスマス・キャロル」の三つの先雨品を題材にした連作短編集で、新たな登場人物も増えて、にぎやかに、司君の世界も広がってきました。
亜門やコバルトの正体があの方たちなので、天使が出てきてもおかしくないな、とは思っていましたが、何でしょう、アゼリアさんがいい味出し過ぎてて、この人好き、ってなっています。
今回、本の中全体に、「幸せは、自分で引き寄せつかむもの」といったテーマを感じました。
司君も一巻のころに比べるとどんどん心に変化があって成長していて、読んでいる此方が嬉しくなります。
また、コバルトと三谷君が出会って会話するくだりは面白いなと感じました。聖書を改めて、物語としてたのしみたい気持ちになります。
全体的には、巻を重ねるごとに、テーマとして取り上げられてる本の取り上げ方が薄くなってるようにも想うのですが、それはこの本ならではのオリジナリティが出てきてるからかなと思うと、微笑ましくなってしまいます。
個人的に、私はどうやら登場人物に感情移入しながら読む、「登場人物を愛す型」の本の愛で方をするみたいで、この巻では亜門とコバルトの友人関係がたまらなくいいなあと思って読んでいました。アゼリアさんは実際にお会いしてみたいなと思うし、魅力的な登場人物が織成す心温まる物語展開が、本当にほっと一息珈琲を飲むような雰囲気で、たまらないです。亜門の背負う「リミット」も気になります。
あと、この本で紹介されている、「テ・エ・カフェ」早速作ってみたのですが、美味しかったです。
本がつなぐ人との縁は、事実素敵なもので、読んでる時、読んだ後、不思議な余韻が残る、そんな本です。好き。
この本の概要
著者 蒼月海里
本(作者)の国籍 日本
訳者
イラスト 六七質
出版社 角川春樹事務所
レーベル ハルキ文庫
ジャンル キャラクター文芸
ページ数 230P
フォーマット 紙本
ノンシリーズかシリーズものか? シリーズ3冊目
なぜこの本を読んだか。このシリーズが好きだから。
本の入手方法 書店にて購入
収録作品
受賞・ノミネート情報など
不明
内容
本や人との「縁」を失くした者の前にだけ現れるという不思議な古書店『止まり木』で働く名取司。ある日、自らを魔法使いだと名乗る店主の亜門が、書庫の整理をしてくると、店の奥に消えて行った。奥の部屋が気になってしかたがない司は、亜門の友人・コバルトとともに、亜門が入った「秘密の書庫」に向かう。そして、そこで見た光景に驚愕する――。新キャラクターも登場し、ますます目が離せない人気シリーズ第三弾!
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新装版 ロードス島戦記 2 炎の魔神/水野良 著
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(2017年読書感想8冊目)
実際本編では思い切り怒りに怒っていたディードですが、表紙のディードがとてもかわいいです。
ロードス島の二巻目、炎の魔神です。
ロードス島はずっと昔に読んだ記憶があるのですが、昔過ぎてきれいさっぱり忘れていました。
この巻は砂漠の国フレイムで、過去の盟約によって対立する風の部族と炎の部族の対立と争いを描いた話で、エルフ娘のディードリットの話で、パーンも少し成長したかなあというようなお話です。
昔読んだときというか、最近まで、パーンは熱血過ぎるイメージがあったのですが、今ではそのまっすぐさが好ましく思います。
パーンのまっすぐさが、運命とかではなくて、人を惹きつける一番の魅力なんだと思います。悩んで前進していく姿、好きです。
ディードは今読むとパーンのこと好きすぎてかわいいです。
ナルディア様も高潔で、その生き様は悲しいくらいなのですが、でも美しいですね。
そして私はカシュ―陛下が大好きなのですが、やはこの二巻はカシュ―陛下の言葉が、王としての言葉の一つ一つが胸を打ちます。
シュードとかマーシュとかデ二とか、傭兵三人組も、この巻のいいアクセントになっていますね。
ロードス島戦記はD&Dのリプレイとして書かれたことで有名ですが、TRPG者のわたしとしては、このシーンは実際にTRPGで遊んでこういう結果が出たんだろうなとか、そういう想像ができるのも楽しいところです。
ロードス島といえば日本のファンタジーの、今となっては古典に数えられるのでしょうが、この二巻目は、ファンタジーとリアルのバランスが絶妙で、冒険という現実と魔法という幻想がうまく奏で合っていて、思わず惹きこまれます。
ファンタジーこそリアルを描いているといつも思うのですが、この話もそんなことを想わさせます。
アレクラスト大陸もやはりロードス島はいいなと思わせる、そんなお話です。
あと読んでる最中、カセットテープ時代の声優さんの声でセリフの再生がナチュラルに余裕でできてしまいました。
あのカセットテープ版のキャスト、名キャストだと思います。
この本の概要
著者 水野良
本(作者)の国籍 日本
訳者
イラスト 出渕裕
出版社 KADOKAWA
レーベル 角川スニーカー文庫
ジャンル ハイ・ファンタジー
ページ数 342ページ
フォーマット 電子書籍
ノンシリーズかシリーズものか? シリーズ2作目
なぜこの本を読んだか。急に読みたくなって
本の入手方法 キンドル版を購入
収録作品
受賞・ノミネート情報など
不明
内容
英雄戦争から2年。その傷は癒えるどころかロードス各地の内戦はさらに混迷を深めていた。カーラの行方を求めて旅を続けるパーンとディードリットは、強力な魔法を操る魔術師の噂を聞き、砂漠の国フレイムを訪れる。そこではふたつの部族が対立し、フレイム王カシューを悩ませていた。パーンは助力を買って出るが、彼の前に恐るべき力を持つ魔神が立ちはだかり!?新たな仲間と共にパーンは苦難の戦いに挑む!
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