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2012-04

ブラック・ダイヤモンド1(令丈ヒロ子)

ブラック・ダイヤモンド 1 (フォア文庫 C 232)
ブラック・ダイヤモンド 1 (フォア文庫 C 232)
  • 発売元: 理論社
  • 発売日: 2010/10/01

(2012年感想54冊目)

令丈ヒロ子 著 谷朋 イラスト
おすすめ度★★★☆☆(3・5くらい。面白いですが、ちょっと物足りないかな?)
 
「……もう、美影ちゃん。そんなわけないでしょ? だって……」
「いや、きっとそうだって。わたしが男の子だったら、もう灯花理のこと大好きでずーっと追いかけちゃいそう」(p129)



「若おかみは小学生!」シリーズで有名な令丈ヒロ子さんの別シリーズもの。


ママを亡くした灯花理(あかり)は、怖いおばあちゃんの家に引っ越すことに。あるとき、ママの部屋でママの日記を発見する。そこには、B・Dと謎の言葉が書いてあって……? 近くに住んでいる仲良しの従姉妹、美影(みかげ)ちゃんと一緒に、灯花理はB・Dについて調べ始めるが、学校でもいろいろなことがあって…!? 

というようなお話。


ブラック・ダイヤモンド。
どことなく、女の子であれば魅力的に感じてしまう言葉ですよね。この話はそのブラック・ダイヤモンドにまつわるお話です。はたしてブラック・ダイヤモンドとはなんなのか? 気になってしまいます。

なんというか、とても女の子女の子したお話でした。でも、おもしろかったです。だからこそ、一巻完結で事件が終わらないことにびっくりしてしまいましたし、続きが気になって気になって仕方ありませんでした。

なにより、キャラクターがどの子もかわいらしくて、ガールズ・サスペンスとして魅力的です。灯花理や美影もいいですが、須藤さんをはじめ、叔母さんやおばあちゃんまで、とっても魅力的です。そんな彼女たちの友情や日常が、ある意味ではブラック・ダイヤモンドよりも鮮明に輝いています。

児童書ですが、なかなか奥の深いところもお気に入りです。小学生の時期って、意外と多感で、善悪とか、嫌なこととか、そういうのがはっきりと出てくる時なのですよね。
なにはともあれ、ブラック・ダイヤモンドとはなんなのか? いったい灯花理の学校生活に何が待ち受けているのか。続きが気になります。
ただ最後、灯花理が見つけたかもしれないブラック・ダイヤモンドの輝きだけは、どんな宝石よりも貴く、人間の中で輝くものなのかもしれないなあと思います。


そしてこの本の見どころは、やっぱり美影ちゃんとの友情でしょう。従姉妹でありながら、同じクラスでもあり、強い絆で結ばれた灯花理と美影ちゃんの友情は、それこそブラック・ダイヤモンド以上でした。
続き物だと知らずに読んだのでちょっと肩透かしを食らって物足りなかったのですが、続きも読んでみたいと思います。


ちなみに、出版元の理論社が今はなくなってしまったので、現在は岩崎書店から刊行されています。


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ドラゴンランス3 氷壁の白竜(ワイス&ヒックマン)

ドラゴンランス(3) 氷壁の白竜
ドラゴンランス(3) 氷壁の白竜
  • 発売元: エンターブレイン
  • 発売日: 2002/05/31

(2012年感想53冊目)

原題 DragonLance Chronicles -Dragons of Winter Night
マーガレット・ワイス&トレイシー・ヒックマン 著 安田均 訳
おすすめ度★★★★☆(4・5くらい。何度も読み返した名作です)

「与えられた愛を否定したり、失うのが怖いからといって愛を与えるのを拒んだりしたら、われわれの生は虚しくなり、失うものはいっそう大きくなってしまいます」(p217)


私の大好きなファンタジー小説、ドラゴンランス戦記の3冊目。原本2冊目の最初の部分に当たります。
この本は、二つの愛の物語です。

パックス・タルカスからの難民を連れて、うるわしの都タルシスに向かった一行。しかしタルシスで、絶望的なドラゴンの襲撃にあい、パーティは分断されてしまう。
「今生の訣れとなる定めの……」とレイストリンにささやかれる中、いったいこの旅路はどうなってしまうのか?

といったようなお話です。

この話はもう大好きで大好きで、何回読んだかわかりません。アルハナとスタームの恋、ギルサナスとシルヴァラの恋、この物語のハイライトとなる二つの恋はどちらも悲しく、甲乙つけがたいものです。そこに、タニスとローラナの愛やリヴァーウィンドとゴールドムーンの愛、キャラモンとティカの愛などが重低音を奏でかなかさなり、この本を素晴らしい愛の物語にしています。

特にギルサナスとシルヴァラがお互いの気持ちを確かめあうシーンは、作者も言っていたとおり、最高のシーンの一つだと思います。本当に好きです。

私は常々、ドラゴンランスは愛の物語だと思っているのですが、この本を読んでいると本当にそう思います。
今まで険悪だったパーティが、それぞれ友情を表現していったり、自分の道を進んでいったりする様もいいですね。
久しぶりに読んだら、レイストリンがとても好きになりました。今までそうでもなかったのにな……。変わったなあと思います。

ドラゴンランスのすべてを肯定するわけではありませんが、心から面白いシリーズだと思います。
おすすめです。

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銀のキス(アネット・カーティス・クラウス)

銀のキス
銀のキス
  • 発売元: 徳間書店
  • 価格: ¥ 1,470
  • 発売日: 2001/03

(2012年感想52冊目)

原題 The Silver Kiss
アネット・カーティス・クラウス 著 柳田利枝 訳
おすすめ度★★★★☆(不思議な雰囲気に引き込まれてしまいます)

「だが死はやってこない」サイモンはつぶやいた。「おれには死がない。愛がやってくるはずがない」(p90)


図書館で見かけるたびにずっと気になっていたお話。やっと読むことができました。
末期がんの母親を持つゾーイ。仲の良い親友のロレインは遠方へと引っ越しが決まっています。変わっていくことを恐れるゾーイと、変わることなき生を生きる吸血鬼の少年サイモン。二人が出会ったとき、二人にちょっとした変化が訪れます。

この話はよかった!全編にわたって、死というものが不思議な感覚や雰囲気とともに香り立ちます。思わず、読んでいて引き込まれてしまいます。
死を身近に感じながらも実感できないゾーイ。死ぬことができない吸血鬼の少年サイモン。二人は決定的に違うようで、お互いに死について思いをはせている。だからこそ惹かれあう二人。とっても納得できました。

物語はサイモンの悪い兄クリストファーを交え、最後は彼に立ち向かっていくことで終わりに向います。
そのあと、サイモンが自分自身に下した結末がよかったです。ラストシーン、好きです。

吸血鬼の描写としては、非常にクラシックな感じの描写で、逆に好感が持てました。サイモンが吸血鬼であるとあまり明言されていないところもいいです。非常に作品の幻想的な雰囲気とマッチしています。

何とも言えない幻想的な雰囲気が作中に漂っている作品です。そうして、いろいろなことを考えさせてくれる良書だと思います。
ゾーイの書いた、「死にあらがうための呪文」読んでみたかったです。
いろいろと後を引くお話で、再版された原書には後日談と前日譚がついているとか。ちょっと気になります。

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翼の還る処(上)(妹尾ゆふ子)

翼の帰る処 上 (幻狼ファンタジアノベルス S 1-1)
翼の帰る処 上 (幻狼ファンタジアノベルス S 1-1)
  • 発売元: 幻冬舎
  • 価格: ¥ 945
  • 発売日: 2008/10/31

(2012年感想51冊目)

妹尾ゆふ子 著 ことき イラスト
おすすめ度★★★★☆(良質なファンタジー作品です)

「そなたの」
ヤエトの言葉を遮った声は、おそろしく低い。
ゆっくりと、皇女はくり返した。
「そなたの、望みはなんだ」
「隠居です」(p184)


妹尾ゆふ子さんの「翼の還る処」第一巻。
妹尾さんはなかなか良質なファンタジー作品を書くので、お気に入りの作家のひとりです。
魔法の庭が好きだったので、こちらも読むことにしてみました。

過去を視る力のある病弱で隠居願望のある尚書官のヤエトは、歴史すら存在しない見放された地域、北嶺に左遷される。そのすぐ後に、帝国の皇女がヤエトの上官(太守)として赴任してきて……?
というお話。

このお話は面白かったです!
まずはなにより、主人公ヤエトの設定がいい。病弱で隠居願望があって、厄介ごとには首を突っ込みたくないのに突っ込まざるを得ない状況に立たされてしまう損な役回り……。(というか中間管理職)
そんな彼の背負うものの重さと苦悩に、思わず胸がきゅんとしてしまいました。
物語はヤエトの過去を絡めて、ますます大きくなっていきそうな予感をはらみつつ下巻に。楽しみです。

何より、イラストのヤエトが素敵ですね。表紙の人がヤエトですが、こんなにイケメンだとは! あとは登場人物もみんな素敵でよかったです。
物語は大きくなりそうな予感をはらみつつ、まだまだどうなるかわかりません。ただ、注目は竜の血を引くという皇族たちの存在と、ヤエトの故郷である古王国の血脈でしょう。
それらがどんな役割を担うのか、大変楽しみです。

何よりヤエトの大人な感じのキャラクターがいい。そんなヤエトが皇女と同じく、暗闇が苦手だったりするのがたまらなくツボです。この巻の最後で、ヤエトは皇女の名前を知ってしまいます。そのシーンがよかった。妹尾さんは、美しい描写を書くのが得意だなあと思いました。
鳥で空を飛ぶ描写とかも美しくて好きです。

本当に良質のファンタジー作品だと思います。気になっている方がいたら、ぜひ読んでみてください。
おすすめ。

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煉獄姫(藤原祐)

煉獄姫 (電撃文庫)
煉獄姫 (電撃文庫)
  • 発売元: アスキーメディアワークス
  • 価格: ¥ 620
  • 発売日: 2010/08/10

(2012年感想50冊目)

藤原祐 著 kaya8 イラスト
おすすめ度★★★★☆(4・5くらい。万人には勧められないかもですが、私は大好きです)

そして、彼女は。
「だったらめいれいするわ、フォグ」
彼がここへ来て初めて、年相応の、幼い笑みを浮かべ。
嬉しそうに──本当に嬉しそうに、言ったのだった。
「わたしと……ともだちになって」 (p22)



ずっと気になっていた本を、お友達がプレゼントしてくださいました。(ありがとうございます!)

瑩国という、英国をモチーフにした架空の王国で起きた産業革命を背景に進んでいく物語。産業革命の背景にあるのは、煉術という、煉獄の香気を使用した術であった……。
煉獄の香りにあてられたものは徐々に身体をむしばまれていく社会で、特異体質をもつ王女アルテミシアと少年騎士フォグは、国家転覆の陰謀を阻止しようと活動するが…!?

あらすじはだいたい上記のような感じですが、あまり説明できていないなあ……。

これは、面白かったです! ライトノベルとしての質も非常に高いと思います。固有名詞以外のカタカナに全部漢字が使われているのも、個人的には好感でした。
昨今の、キャラ萌えや会話のテンポを重視した多くのライトノベルと違い、地の文が非常に多く、世界観もしっかりしていて、安心して読むことができました。

何より、ダークな感じがとってもたまらないです。塔の中に長いこと閉じ込められていた王女アルテミシアの、純粋だけど歪んでしまった人との距離感、彼女を守る少年騎士フォグもまたいびつな存在として語られます。彼が煉術に耐性のある理由は圧巻でした。面白かった!
また、アルテミシアがフォグやイオ以外に初めて友達になった少女が実は……、というのもいい。
なかなかに、この関係がどういう風に展開していくのか、続きが気になります。
イパーシとトリエラもどうなってしまうんだろう。

とにかく、しっかりした世界観、雰囲気のある文体、キャラクターはちょっと弱いかなと思うものの魅力的で、とても安定した水準を保っている本です。
まだまだたくさんの人が出てきそうな雰囲気ではありますが、アルトはかわいいし、フォグは最後のほうで明かされた秘密にぐっと来ました。
なにより、この独特な世界観がいいですね。
欲を言えば挿絵が、アルトとフォグをもっと書いてほしいのと、フォグが若い! というのが気になるところでしょうか。
でも、面白かったです。
囚われの王女と少年騎士、という組み合わせがまさにどんぴしゃでした。

ダークなので万人には勧められませんが、そういうのが好きな方にはおすすめです。

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ビロードのうさぎ(酒井駒子絵)

ビロードのうさぎ
ビロードのうさぎ
  • 発売元: ブロンズ新社
  • 価格: ¥ 1,575
  • 発売日: 2007/04

(2012年感想49冊目)

原題 The Velveteen Rabbit
マージェリィ・W. ビアンコ 著 酒井駒子 絵 抄訳
おすすめ度★★★★★(宝物のような1冊。

「ぼく いままでも ほんとうの うさぎだったよ」
「ええ ぼうやにとっては そうでしたよ。 ほんとうに あなたを あいしていましたから(後略)(P32)


ビアンコが書いた世界中で愛される物語を、酒井駒子さんが絵本にしたもの。
友人に勧められてからずっと気になっていたものを、図書館で借りて読みました。 
もう五年も前の本なのに、図書館で多少待たされるような、そんな大人気の絵本です。

それも納得の、素晴らしい絵本でした! 文章、翻訳の雰囲気。そうして酒井さんの絵が、この本を素晴らしいものにしています。
特にウサギ好きの私にはたまらない内容でした。
最後の、余韻のある終わり方も素晴らしいですし、何より絵本らしいファンタジックな展開に、胸がしまります。

お話自体は、ビロードでできた、一度は忘れ去られたウサギのおもちゃと、その持ち主である坊やの短いお話なのですが、物語全体に何とも言えない希望と切なさの混ざったような雰囲気があり、とても魅力的です。
酒井さんの絵も素晴らしく、絵も大きいので、絵本としてはとても素晴らしい1冊となっていると思います。
図書館で借りたけど、自分用にも持っていたいくらいです。
とってもおすすめの1冊です。

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彩雲国物語 暗き黄昏の宮(雪乃紗衣)

彩雲国物語  暗き黄昏の宮 (角川ビーンズ文庫)
彩雲国物語 暗き黄昏の宮 (角川ビーンズ文庫)
  • 発売元: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 価格: ¥ 500
  • 発売日: 2009/12/01

(2012年感想48冊目)

雪乃紗衣 著 由羅カイリ イラスト
おすすめ度★★★★☆(ラストに向けて物語が動き出します!)

何かが起ころうとしていた。……いや、少し違う。何かが終わろうとしていた。本当はずっと前から始まっていたものが、終焉に向かって転がり始めたような気が、した。(p51)


久しぶりの彩雲国物語。
御史の任務中に、秀麗が失踪した……。そうして、国では劉輝治世最大の国難が起ころうとしている! シリーズ最終章突入です。

いやー、物語はとってもシリアスなのですが、久しぶりに読んだこのシリーズはやっぱり面白かったです!
劉輝のしてきたことのつけが一気に回ってきた蝗害という結果に、国がどうなってしまうのかがすごくドキドキする。
そうして、この巻では、お互いを思いながらも引き離されてしまう秀麗と劉輝が、なんとも言えません。まあ、その思う気持ちのベクトルも違うのですが。二人には幸せになってほしいなあ……。

そうして今回は、縹家の人が大活躍でした。いやー、リオウも瑠花様も格好良かったです。特に瑠花様は、彩雲国の女性の中で一番麗しく感じました。彼女が今後のキーとなっていくのは間違いないので、注目していきたいです。

それにしてもこのラストステージに赴いた人間が、藍将軍と迅と……っていう人選が意外でした。はたしてどうなるのでしょう。

そうして劉輝は、確かによくないこともたくさんしたけど、劉輝の育ちだったらある程度しょうがないよね、って思ってしまう。彼の立場は本当に苦しいな。頑張ってほしいです。

それにしても、いろいろな登場人物が出てきて、行きつく先が今まさに見えようとしているのは感慨深いですね。
懐かしの人まで顔をのぞかせて、どうなるのか本当に楽しみです。
物語において、登場人物がなしてきたことの行く末を、見届けたいと思います。
しかし、登場人物が多すぎて、ひとりひとりあんまり活躍できてないのがちょっと悲しいです。
でも、続きも楽しみに読みたいと思います。あと3冊!

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子供部屋のアリス(ルイス・キャロル)

子供部屋のアリス
子供部屋のアリス
  • 発売元: 新書館
  • 価格: ¥ 1,260
  • 発売日: 2003/11

(2012年感想47冊目)

原題 The Nursery Alice
ルイス・キャロル 著 ジョン・テニエル 絵 高橋康也 高橋廸 訳
おすすめ度★★★★★(不思議の国のアリスにはない良さがあります)


さようなら、なつかしいアリス、さようなら。(p100)



不思議の国のアリスを、ルイス・キャロル自身が、もっと子供な年齢の0歳から5歳の子供たちのために書き直した、妹と呼べる作品があるのはご存知ですか?
それが本書、「子供部屋のアリス」です。
詩や難解な言葉遊びを省略して、テニエルの挿絵を大きく引き伸ばしたバージョンです。

これは、よかった! 
最近不思議の国のアリスブームだったのですが、アリスは昔読んだきりだったので、久しぶりに手に取ってみたのが本書。
詩や言葉遊びこそアリスの醍醐味だという方もいらっしゃると思いますし、それももっともだと思うのですが、詩や言葉遊びを抜かしたからこそ味わえる物語本来の味というものがあります。

また、この本にはこの本ならではの味があり、大変お勧めです。キャロルが書き下ろした序文、詩、そうして上にあげた本編の最後の一行は、なんだかとても切なく、この本を素晴らしく、唯一のものにしていると思います。

テニエルの挿絵を見ながら解説していく感じで語られる語り口も面白い。そのテニエルの挿絵もふんだんに入っていて、0歳から5歳の子供たちと言わずに、アリスを愛するすべての大人たちにもお勧めの1冊になっていると思います。

不思議の国のアリスしか知らなかった方も、ぜひ読んでみてほしい一冊です。
おすすめ。

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イリリアの冒険 ベスパー・ホリー物語1(ロイド・アリグザンダー)

ベスパー・ホリー物語〈1〉イリリアの冒険 (児童図書館・文学の部屋)
  • 発売元: 評論社
  • 価格: ¥ 2,310
  • 発売日: 1994/03

原題 The Illyrian Adventure
ロイド・アリグザンダー 著 宮下嶺夫 訳 長野剛 表紙絵
おすすめ度★★★★☆(ドキドキさせられる冒険ミステリー)

ミス・ベスパー・ホリーは、山羊のような消化能力とチェスの名人のような頭脳をもっている。六か国語がペラペラで、そのうちの、どのことばでも悪態をつくことができる。計算尺も使えるけれど、暗算でパッ答えを出すのが得意だ。命を──わたしのであれ彼女自身のであれ──危険にさらすことなど、なんとも思っていない。(p9)

私の大好きな作者の一人、ロイド・アリグザンダーの別シリーズもの。ファンタジーではなく、冒険活劇&ミステリーって感じの1冊ですね。
主人公の16歳の少女ベスパー・ホリーは、自由闊達な女の子。そのベスパーが、彼女の父の遺産から興味を持って訪れた土地、イリリアで陰謀に巻き込まれます。

これはなかなか面白かったです! ベスパーがちょっとスーパー・ウーマンですが、どんな絶体絶命のピンチの時でも、彼女の前向きな思考が物語を明るいものにしてくれています。
ほぼベスパーが紅一点なのですが、周りを彩る男性陣も魅力的。私のお気に入りは、ニーロですね。

また、イリリアという王国についても、その歴史、風土などがよく描かれていて、楽しいです。

ロイド・アリグザンダーというと、個人的には名誉や正しいことを貴ぶ作風という印象があります。その作風がもう本当に大好きなのですが、今回の物語でも、そのエッセンスが見え隠れしているようで(オスマン王とか)、ハラハラしながらも、最後はハッピーエンドでよかったです。最後の終わり方が好き。

もっといろいろなシリーズが出ているようですが、日本での邦訳は三冊だけ。残りも読んでみようかなと思います。

プリデインやウェストマークが大好きなので、それに比べるとあっさりしてるかな? という気がしますが、これはこれで興味深いシリーズでした。
興味のある方はぜひ。


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