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2012-08

時間のない国で(上)(ケイト・トンプソン)

時間のない国で 上 (創元ブックランド)
時間のない国で 上 (創元ブックランド)
  • 発売元: 東京創元社
  • 発売日: 2006/11/18



(2012年感想92冊目)

原題 The New Policeman
ケイト・トンプソン 著 渡辺庸子 訳
おすすめ度★★★★☆(4・5くらい。アイルランドの伝統音楽と一緒に読みたい。)


「本当に」JJはうなずいた。「時間って、どこに行けば買えるんでしょうね?」
アンが笑った。「それはこっちが知りたいわ。でも、みんなその表現をずいぶん簡単に使っていると思わない? 時間を買う。そんなこと、無理なのに」(p134)


アイルランド音楽ファンタジー。
JJ・リディは伝統的な音楽一家に生まれたフィドル&フルート奏者の15歳の男の子。いつも時間に追われて生きているが、最近特に時間が足りない……。そんなJJが、母親の誕生日に時間をプレゼントすると約束したために、とんでもないことに足を踏み入れて……!?
というようなお話。

いやー、このお話は面白かったです。章末にアイリッシュのトラッド音楽の楽譜がついていて、わたしはYou tubeでそれぞれの楽曲を検索し、BGMにしながら読んでいました。そうすると、雰囲気もおもしろさも倍増するように思います。そういう読み方はでも時間がかかるので無理という方は、アルタンとか聞きながら読むといいかなあと思います(わたしは後半はそうやって読みました。)

現代社会では、多くの人が時間が足りないという悩みにおかされています。そういう私も、24時間じゃたりない、とつくづく思いながら生きています。でも、本当に時間が足りなくなっていたら、忙しすぎてそのことにも気づかないんだろうなあと思います。そうして、大事なもの(想像力とか)が失われていくんだろうなあ。
アイルランドの音楽の歴史に触れられたのも良かったです。

それにしても、ティル・ナ・ノーグの書き方が、本当にのんびりしていて素敵です。現代社会の時間が、そちらに「漏れ」ているなんていう発想も素敵。
話の本筋に入るまでがいささか長いのですが、後半はちょっと話に進展があるので、このまま下巻に期待したいと思います。

しかし、音楽を聞きながら読書するのは、ある意味とっても贅沢な至福の時間でした。そんな満足感を与えてくれた1冊です。

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フェアリー・プリンセス 夢迷宮への片道切符(下)(ジュリー・カガワ)



(2012年感想91冊目)

原題 The Iron King
ジュリー・カガワ 著 宮崎真紀 訳 彩 表紙絵
おすすめ度★★★★☆(面白かったです。次の巻も気になる。)


「持ち物はそれで全部?」
アッシュが尋ね、わたしはうなずいた。
「うん。必要なものは全部あるから。さあ、行こう」(p291)



ジュリー・カガワさんのデビュー作、「Iron Fey」シリーズの第一作目の邦訳の下巻。
ミーガンは弟のイーサンを助けるために、親友のロビー・グッドフェロー(パック)猫妖精のグリマルキン、冬の国の美王子アッシュとともに旅立つが、とんでもない敵がネバーネバーを襲おうとしているのを知ってしまい!?

というようなお話。
下巻からは展開が一気に進み、ぐいぐいと読ませられました。
科学技術から生まれた鉄の妖精たちという発想が面白いなと思います。現代社会へのメッセージ的なニュアンスもあるのでしょう。「必要なものは全てもってるから」とミーガンはいいます。現代社会でも、本当に必要なものは多くないのかもしれないですね。

それにしてもミーガンは、何でもかんでもすぐ取引しすぎで、読んでいるこっちがヒヤヒヤしてしまいました。これらの取引のほとんどは次巻以降への伏線となっているようなので、きっと次巻も読んでしまうんだろうなあ。それにしてもアッシュはアンシーリー(悪い、祝福されていない妖精)の国の王子なのに、いいやつすぎます。わたしは、作者の贔屓を感じても断然アッシュ派です。アッシュとパックの過去をもっと読みたいです。

しかし、アッシュとパック、二人のイイ男から「姫」と呼ばれるミーガン。上巻は薄味だったロマンス要素も、下巻はそれなりで嬉しかったです。向こうでは、ロマンス・ファンタジーなんていう日本にはあまり馴染みのないジャンルもYAに多いんですよねえ。
しかし下巻はパックがほとんどいいところなしだったので、巻き返しを測れるのかだろうか。そもそも公式HPによると、次の巻は、敵が味方に、味方が敵になるとか。パックとアッシュはどっちにつくのか!? 今後の展開が気になりますね。

全体的に、色々な作品のいいところどりって感じの作品です。でも、面白いと思います。ロマンスレーベルだからと思って読まないのはもったいない作品だと思います。というか出す出版社間違えてないかしら……、とちょっと不安に。
なにはともあれ、次の巻も楽しみな1冊です。

フェアリー・プリンセス 夢迷宮への片道切符(上)(ジュリー・カガワ)





(2012年感想90冊目)

原題 The Iron King
ジュリー・カガワ 著 宮崎真紀 訳 彩 表紙絵
おすすめ度★★★★☆(テンポのいいYAファンタジー。サクサク読めます。)

「ちょっと違うな、姫。そう難しく考えることはない。ネバーネバーへの入口は、信じる心や想像力、空想力であふれている場所に現れる。たとえば、子ども部屋のクローゼットや、ベッドの下なんかに」(p112)


ジュリー・カガワさんのデビュー作、「Iron Fey」シリーズの第一作目の邦訳。
好みのあらすじだったので、色々なところでやってた献本に応募したのですが、どれも当たらず、思わず購入に踏み切ってしまいました。
一部店舗ではおまけにブックマーカーがついてて、なんだか得した気分に。内容も面白いかどうか不安だったのですが、よかった、面白かった! と一安心の1作でした。

弟が妖精界にさらわれた! 地味で冴えない女の子のミーガンは、親友のロビーと一緒に弟を助けるために妖精界へと旅立った! しかしそこで、自分が人間と妖精王のあいだに生まれた混血の姫だなんてきかされて……?? というお話です。

作者様のルーツは苗字から察せられるように日本にあるようで、日本の漫画が大好きなのだとインタビューで答えていました。なので、キャラクターや展開が漫画的な部分もあり、映像が鮮やかに浮かんで、さくさくと読み進めることが出来ました。様々な色彩にあふれる世界は、読んでいてドキドキと面白かったです。

ロマンスレーベルから出ている割にはロマンス要素は薄味。でも、ロビーより既に断然アッシュ派なわたしは、彼との踊りのシーンが印象に残りました。ロマンス要素は「トワイライト」みたいな感じの雰囲気でした。相手がヴァンパイアか妖精かって話ですね。

でも、正直言うと個人的にはページをめくる手が止まらず、一日で読み切ってしまったほど。ロマンスとかそんなの関係なく、普通のファンタジーとして、面白かったです。さまざまな妖精が出てくるところも、妖精好きとしてはうれしい。現代的な要素と古の妖精たちがどう絡んでいくのか、下巻も楽しみです。

ポイズン(下)(クリス・ウッディング)

ポイズン 下 (創元ブックランド)
ポイズン 下 (創元ブックランド)
  • 発売元: 東京創元社
  • 発売日: 2005/11/29


(2012年感想89冊目)

原題 poison
クリス・ウッディング 著 渡辺庸子 訳 橋賢亀 挿画
おすすめ度★★★★☆(上下巻でまるで雰囲気が違う。ちょっと変わったファンタジーが読みたい時に)

「すべては物語なのだ」とフリートが答えた。「さっきも言ったようにな。それも、お前さんの考えひとつで内容が変わる物語なのだ」(p77)

ウッディングの「ポイズン」下巻。
妖精王に妹をさらわれたポイズンは、妹を返してもらうように妖精界に赴くが……!?
というような話ですが、いやー、これはなんというかすごかった。下巻のあらすじを少しでも書こうものならネタバレになってしまうという……。ここまで上下巻で違う話を読んでる気分になったのは初めてです。
もちろん、それが悪いとかではなく面白いのです。ポイズンは相変わらず頭が切れて勇敢で格好いいし、ブラムはいい男です。ペパーコーンの明るさには救われます。

それにしても、前半以上にキレのある展開は流石です。重要な登場人物が次々と殺されていく展開には、鳥肌が立ちました。
まあ、面白かったのですが、普通のファンタジー小説でもよかったのかも。と思わないでもないです。普通じゃないファンタジー小説を読みたい時などにお勧めかもしれないです。

お気に入りのシーンは妹に関する伏線のシーンが回収されるところですね。妹関連はすごく良い。
終わりも大団円という感じで、物語が収まるところに収まって、読んでいて気持ちのいい作品でした。
場合によっては続編もありそうな終わり方というかだったので、ちょっと番外編(それこそ妹の話とか)を読んでみたいなあと思いました。
とりあえず、なんだか、面白いものを読んだなー、と思える作品。上下巻間をあけず一気に読めば良かったです。おすすめ。
ちなみに下巻の表紙は妖精界の住民たちによって彩れています。この挿画も雰囲気あって、最後まで堪能できた一冊でした。

青い石の伝説 魔法少女マリリン1(村山早紀)



(2012年感想88冊目)

村山早紀 著 佐竹美保 挿画
おすすめ度★★★☆☆(面白かったけど、ちょっと児童書過ぎたかしら。)

まっとうなやつらじゃないって、人によってはいうけれど、わたしはーー人間に生まれたからには、そういう物語的はでな生き方をつらぬいてみていいんじゃないかって思う。(p52) 

村山早紀さんの、魔法少女マリリンの1冊目。近くの図書館に2冊目から置いてあって、題名とかが気になったので取り寄せて読みました。
マリリンは魔法使いの女の子。お母さんは商売人だけど、マリリンの夢は跡を継がずに冒険者になること。
おばさんのいる都に夏休みに遊びにいったマリリンは、そこで冒険者として冒険しようと、、ギルドに依頼を受けに行って……。

非常に村山さんらしいファンタジーの1冊。吟遊詩人が出てきて、冒険者が活躍するテレビゲーム的な世界観。一癖も二癖もあるキャラクターたち。
面白かったのですが、各所各所の展開が児童書らしくあっさりしていて、ちょっと児童書過ぎたかなあという気が拭えませんでした。
でも、安定の村山さんの世界観なので、彼女の物語が好きな人は読んでもいい一冊だと思います。
純ファンタジーっぽい世界観なのに、ウニ教とかウニャニャ様とか出てくるのは、どうにも違和感が拭えませんでしたが。

でも、マリリンを見守る大人たちの視線は暖かく、所々のセリフも含蓄に富んでいて印象が深いです。
何より、冒険者という職種の人間たちが、まっすぐ描かれているのもいいですね。私もRPG大好きなので、そうそう、冒険者はこうじゃなくっちゃね、なんて思いながら読んでいました。特に、最初の文章がとてもいいです。
全部で四冊。気が向いたら読んでみたいと思います。

ポイズン(上)(クリス・ウッディング)

ポイズン 上 (創元ブックランド)
ポイズン 上 (創元ブックランド)
  • 発売元: 東京創元社
  • 発売日: 2005/11/29


(2012年感想87冊目)


原題 Poison
クリス・ウッディング 著 渡辺庸子 訳 橋賢亀 挿画

おすすめ度★★★★☆(面白かった! 主人公のポイズンが魅力的。)

「そんなもの、なりたくもない」とポイズンは答えた。「みんなお姫様に憧れるけどね。でも、そんなのは退屈だよ」
「ほう! だったら、お前の望みはなんだ?」
「あたしの望みは、妖精王の宮殿に行くこと。そうすれば、妹を返してくれって、頼めるから」(p231)


ずっと前から気になっていた、ウッディングの「ポイズン」の上巻。やっと読むことが出来ました。挿画の人は好きだし、あらすじの好みもストライク。そうして、期待にたがわず、楽しく読むことができた一冊です。
ポイズンは、自分でその名をつけた、ガル村に暮らすちょっとひねくれた女の子。
ある日、妹のアザレアを妖精に連れ去られてしまい? ポイズンは妹を取り返すため、妖精王に会いにいくのだった!

というようなお話です。

表紙のポイズンは可愛らしいのですが、自分のことをポイズンって名づけちゃうくらいだから、主人公のポイズンはかなりのひねくれもので、感情移入することは難しいんじゃないかなと最初の方を読んだときは思いましたが、全然そんなことはなかった! むしろポイズンの素直じゃない部分が可愛らしく見えるくらいでした。
それ以上に、ポイズンの機転が聞く頭と、勇敢さにすっかり魅了されてしまいました。<

ひねくれてるのに、物語やお話が大好きというのが、ある意味ではポイズンの純粋さの裏返しかなあと思いまます。

旅の道連れとなる精霊獲りのプラムや、ペパーコーンもいいですね。
人間の感情の機微というものが、よく出ている3人の関係だと思います。特にプラムはいいやつすぎる。
上巻まるごと、妖精界にたどり着くまでのお話みたいな感じだったので、下巻ではどのようにして3人が帰ってくるのか見ものです。

また、本の挿画や装幀が素敵。綺麗だし、とっても読みやすい一冊になっています妖精たちがどんな描かれ方をするのかも含めて、下巻に期待です。面白かった!


輝ける王女の帰還(下)妖精王女メリー・ジェントリー1(ローレル・K・ハミルトン)




(2012年感想86冊目)

原題 A Kiss of Shadowsローレル・K・ハミルトン 著 阿尾正子 訳 
おすすめ度★★★★☆(面白かった! このシリーズ、私は好きです)


「あなたが彼の死を望むといえばそのようにします。体の部位をひとつ選んでください、わたしがこの手でもってくる」(p303)


輝ける王女の帰還の下巻。
上巻は読むのに多少時間がかかりましたが、下巻はあっという間だった! 面白かった!
魔力を復活させたメリーは、伯母である女王から宮廷に召集され、次期王位継承者へと指名される。いとこのケルと、どちらか早く後継ぎを設けたほうが王位につくのだ。
宮廷に戻るなり仕掛けられる様々な罠。近衛兵たちは、身を挺してメリーを守ると誓うが……。

というようなお話。

いやー、このお話にここまでハマるとは思わなかったです。
何より、メリーをまもる近衛兵たちが魅力的。黒のドール、銀のフロスト、緑のゲイレン、白のリースと青のバリンサス。それにゴブリンのキットー。どの近衛兵も甲乙つけ難くて、みんな魅力的に見えてしまいます。
でも、強いて言うならお気に入りはドール、フロスト、リースかな……。
また、メリーも守られてばかりじゃなくて、自分、あるいは近衛兵たちを守ってやるぞ、という気概が感じられて素敵です。ある意味では、メリーが一番男前かも……。

色っぽい描写もかなりありますが、それでもロマンス小説というよりはファンタジーなのかも。でも、誰が王配になるのかが気になって仕方ないです。ついついページをめくる手が止まりませんでした。
いずれにしても、まだ物語はプロローグといったところ。
メリーと近衛兵たちの今後の活躍に期待です。

ピーターと星の守護団(下)(デイヴ・バリー&リドリー・ピアスン)

ピーターと星の守護団 (下)
ピーターと星の守護団 (下)
  • 発売元: 主婦の友社
  • 発売日: 2007/03/01


(2012年感想85冊目)


原題 Peter and The Starcatchers
デイヴ・バリー リドリー・ピアスン 著 海後礼子 訳  谷口愛 挿絵
おすすめ度★★★☆☆(3・5くらい。ピーターパンの前日譚としてパズルがはまっていきます)

ネバーランド。あるわけもない場所……。
ピーターは、その言葉を見つめ、それから、あたりを見わたした。
(中略)
「なんだ、ネバーランドって、この島のことじゃないか!」(p313)




「ピーターと星の守護団の下巻。
船での逃走劇が一転、下巻では謎の島でのお宝争奪戦となっています。
あとがきでも書かれていましたが、テンポのいい文章、短い章立て、気の利いた会話、それらが組み合わさって、読んでいて息もつかせず、なかなかページをめくる手が止まりませんでした。
でも、章立てが短くてあちこち視点が変わるので、読んでいて混乱したのも事実でしたが……。

でも、この本のなによりいいところは、ピーターパンの前日譚として、全てのピースがきちんとはまっていくところですね。
ネバーランド、黒ひげとピーターの出会い、ピーターが空を飛べたり、年を取らなかったり、人魚と仲良しな理由……、読んでいてこの小説に書かれていることが真実なんじゃないかと思ってしまうくらい、この本の中にはファンタジーが詰まっていました。

まあそのぶん、全ての力の源である<流星砂>はいささか便利すぎるかなあ、という気もしてしまいましたが。でも、そのネーミングも含めて、これまた素敵なアイテムです。
最後、モリーとピーターが別れてしまうのも残念。まあ、しょうがないのですが。続編では二人も再会すると書かれていたので、続編にも期待したいです。期待といえば、最後に出てきた妖精ティンクにも期待したいですね。
実は原作はほとんど知らなかったのですが、それでも楽しく読めましたし、とっても面白いシリーズでした。おすすめです。




サーカス物語(ミヒャエル・エンデ)

サーカス物語 (エンデの傑作ファンタジー)
サーカス物語 (エンデの傑作ファンタジー)
  • 発売元: 岩波書店
  • 発売日: 1984/07/13


(2012年感想84冊目)


原題 Das Gauklermärchen
ミヒャエル・エンデ 著 矢川澄子 訳 司修 絵  
おすすめ度★★★★★(いろいろ考えさせられる、とっても素敵な一冊でした。)

きたるべき世界は幻想からしか生まれない
みずからつくりだすもののなかでこそ、ぼくらは自由なのだ。(p192)


ミヒャエル・エンデの戯曲。
「サーカス物語」という題名ですが、そのサーカス団はいままさに廃業を余儀なくされているところ。スカウトしてくれるという会社が出した条件は、団員の知恵遅れの少女エリを手放せというもの。
悩む団員たちに、エリはお話をせがみ、そして……、というお話です。

いやー、面白かった!
学生の時一度読んだ記憶があるのですが、その時はいまいちおもしろさがわからなかったのですが、今読むと本当に面白いです! 大人向きの戯曲だなあと思いました。
劇中劇があって、その劇中劇と劇がつながって最後の展開になるのですが、この劇の登場人物が、みんなどこか妖しくて、それでいて繊細なのが素敵です。
このお話は、明日国という国名に象徴されるように、痛々しいほどの希望と愛情、そして夢を見、想像することのすばらしさを訴えた作品になっています。とても素晴らしい。本当に素敵な一冊です。

最後、最初はエリを手放すことが彼女の幸せになると考えていた団員たちが、エリを手放さず、時代遅れで嘲笑の的になろうとも、サーカス団を続けていこうとしたところが良かったです。
現代社会にたいする様々な批判のようなものも読めて、非常にエンデらしい作品となっているように思います。

また、本の装丁も本当に素晴らしく、図書館で借りたのですが、思わず手元に置いておきたくなります。
読みやすいし、本当におすすめの一冊です。
ぜひ読んでみてください。面白かった。

RDG レッドデータガール はじめてのお使い(荻原規子)

RDG レッドデータガール  はじめてのお使い (カドカワ銀のさじシリーズ)
RDG レッドデータガール はじめてのお使い (カドカワ銀のさじシリーズ)
  • 発売元: 角川グループパブリッシング
  • 発売日: 2008/07/04


(2012年感想83冊目)

荻原規子 著 酒井駒子 表紙絵  
おすすめ度★★★★☆(まだまだ序章? 思ったより楽しめて嬉しい誤算でした。)

舞踏などにはまったくなじみのない深行だったが、それでもたぐいまれなものを目にしていることはよくわかった。うなじの毛が逆立つ思いは、和宮ばかりのせいではなかった。
(……どこが、何もできない女の子だよ……)(p300)


勾玉三部作や西の善き魔女などで知られる荻原規子さんの別作品。酒井駒子さんの描く表紙絵が素敵です。この作品、ちょうどアニメ化が決定したらしく、そう言う意味でも楽しく読めました。

レッド・データ・ガールってなんだろう? と思ったのですが、それはつまり、「絶滅危惧種の少女」のことでした。
なるほど主人公の女の子、鈴原泉水子(すずはらいずみこ)は、あらゆる意味で今の時代、絶滅危惧種の女の子。引っ込み思案で、今時ちょっと見かけないくらい長いおさげ頭をしている……。
しかしそんなことよりももっとずっとはるかに、泉水子には重大な秘密があって……?
父の友人の相楽雪政(さがらゆきまさ)が、自分の息子の深行(みゆき)を、下僕として紹介した頃から、泉水子の周りにはおかしなことが起こり始める……。

といったようなお話です。

正直、序盤は泉水子の引っ込み思案な性格に、結構読んでいていらいらさせられたのですが、雪政や深行が出てきたあたりから面白くなってきて、一気に読んでしまいました。なのでぜひ、第二章までは読んで欲しいです。
物語自体は、この一巻まるごと大きなプロローグと言った感じです。
泉水子の性格も少しずつ改善されていって、今後の成長が楽しみだったり、意外と正統派のボーイミーツガールだったりもしたので、二人の距離感がこれからどうなるかも注目していきたいです。

私のお気に入りは雪政と深行の親子ですね。泉水子もいいのですが、どうしてもちょっと煮え切らなくて、脇を固める二人のほうに魅力を感じちゃいます。
和宮くんはこれからも出てくるのでしょうか。
そのあたりも合わせて、ぜひ二巻まで読んでみたいと思いました。面白いです。日本の山の清浄な雰囲気が好きな方には特におすすめ。




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