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2013-10

七王国の玉座5 氷と炎の歌1(ジョージ・R・R・マーティン)



(2013年読書感想67冊目)

原題 A Song of Ice and Fire1 A Game of Thrones
ジョージ・R・R・マーティン 著 岡部宏之 訳 菅原健 表紙絵
おすすめ度★★★★☆(第一部完結! 壮大なる序章でした。)


「(前略)こんなことにはもう、終止符を打ちたい。家に帰りたいのです、みなさん。そして、夫のために泣きたいのです」(p301)


氷と炎の歌シリーズ、第一部完結編。
アメリカでは一番人気のファンタジー小説で、近年ドラマにもなって大成功しています。
この第一部を読むだけでも、1年以上かかりました。内容があまりにシビアなため、精神的に続けて読むことがつらくて……。でも、読んだらその本のおもしろさは折り紙付き。特にこの5冊目は、一気に読んでしまいました。

この5冊目に、エダードの章はありません。彼の最期があまりにもあっけなさ過ぎて、すごく悲しかったです。この第一部は、エダードとロバート王のお話だったと思うのですが、その2人とも亡くなってしまいました。
この1冊は、次の物語への序章といったところです。
何より目を見張るほど成長したのは、デーナリスとロブの二人ですね。ロブは次巻あたりに視点人物になりそうです。エダードに似てきたりして、この巻ではロブへの好感度急上昇でした。

一方、エダードの子どもの中で一番父親に似てるといわれた私生児、ジョンの行く末も気になります。彼の狼であるゴーストが守ってくれるといいのですが。

デーナリスは女王の風格たっぷりですね。次巻以降も注目していきたいです。この本はデーナリスのための一冊でした。

何にせよ、登場人物に対して、冬の寒風以上に厳しいこの物語ですが、全く先が読めないので、おもしろいのですが読んでいて心臓に悪いです。
おもしろいから次の話も読みたいですが、読むのはしばらくあとででもいいかな、などと弱気なことを考えてしまいます。

しかし、この物語のドラゴンは哺乳類だったんだなあ。ドラゴンの存在が、この小説をよりファンタジー小説らしくしていると常々思います。
正直登場人物みんな気になるから、いつか必ず続きを読むんだろうなあ。いつになるかはわかりませんが。
ドラマも、撮りためてるのを視ようかと思いました。
おもしろかったです。しかし、作者のマーティンは間違いなく(登場人物に対して)鬼畜ですね、とこのシリーズ読むたびに思います。

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グリム姉妹の事件簿1 事件のかげに巨人あり(マイケル・バックリー)


(2013年読書感想66冊目)


マイケル・バックリー 著 三辺律子 訳
おすすめ度★★★☆☆(3・5くらい。後半になるにつれておもしろくなってきます。)


「それに、レルダおばあちゃんが言ったことをきいてたでしょ。あたしたちはグリムの一族で、これはグリムの人間がしなくちゃならないことなんだって。おとぎばなしにかかわる事件を解決するのが、あたしたちの仕事なんだから。(後略)」(p117)


最近のYAファンタジー小説はディストピアものかパラノーマルものが流行っていますが、児童書はフェアリーテールものが流行っているようなので、試しにと一冊読んでみました。

サブリナとダフネの姉妹はある日、両親が行方不明になったために孤児院にいたが、死んだはずのおばあちゃんが現れて、彼女たちを引き取った。しかも、サブリナとダフネはあの、グリム兄弟の子孫なのだというが……??

というさわりのお話。

これはなかなか面白かったです! 最初はサブリナの疑い深い性格や、ダフネの順応性の高すぎる性格にも違和感があったのですが、二人の正反対な性格がなかなかいい味を出しているし、後半になればなるほど面白くなっていきます。

何より、姉妹のやってきた町が、おとぎ話や童話の登場人物たちが暮らす街という設定がたまらなく楽しいです。グリム家はそんな彼ら(エバーアフターと呼ばれています)をこの街に閉じ込めた張本人として、むしろ嫌われているという設定も面白い。
しかしそんなグリム家が、おとぎ話の住人達と協力して、事件を解決していきます。

事件簿と題名にはついていますが、ミステリ色はほとんどなく、ほぼファンタジーです。
主役の姉妹には最初イライラさせられますが、おばあちゃんは素敵だし、ほかの脇役も個性が光っています。私は何気にチャーミング市長が好きです。今回はいいやつでしたが、次巻からはどうなるのでしょうか? 白雪姫のことも気になりますし、少なくとももう一冊は読んでみたいと思えるシリーズでした。

ただ、おもしろいシリーズなのですが、おもしろくなるのが後半からなのが、何とも残念です。
でも、おとぎ話の登場人物が職を変えて町で暮らしているのはおもしろいですし、きっとお気に入りの童話の登場人物も出てくるはずなので、少しでも興味があれば読んでも損はないかなあと思える一冊でした。

おばあちゃんのお料理、見た目はかなりエキセントリックだけど食べてみたいです。
次は姉妹が学校に行く話かな? 何やら怪しげな団体も影をちらつかせてますし、なかなか奥が深そうで、楽しめそうな物語です。

狐笛のかなた(上橋菜穂子)

狐笛のかなた
狐笛のかなた
  • 発売元: 理論社
  • 発売日: 2003/11




(2013年読書感想65冊目)


上橋菜穂子 著
おすすめ度★★★★☆(切なく、だけどどこかきれいなファンタジー。)


(……この子らは、蜘蛛の巣の、細い糸の先でふるえている、透きとおった水の玉のようだ。)(p216)



上橋菜穂子さんといえば、「守り人」シリーズ「獣の奏者」シリーズが特に有名ですが、この「狐笛のかなた」は一冊完結ものです。
340ページと、決して長すぎはしない本なのに、読み終わったとき、長い長い時の中を共に歩んでいったような、そんな不思議な気持ちにさせてくれる一冊でした。
小夜は産婆の祖母と里のはずれで暮らしていた。ある日、一匹の狐を助けるために、近寄ってはいけないといういわくありげな屋敷に身を隠したのがきっかけで、人生が大きく動き始める……、といった導入かな。

上橋さんの物語のすごいところは、とにかくまるで自分たちもその景色を「視ている」ような気分にさせられる、その素晴らしい描写力にあると思います。
小夜に助けられた野火が、小夜と小春丸と混ざって遊びたいと願う最初のほうのシーンからもう泣きそうになってしまいました。切ない……!

この野火がすごくいいやつで、最後はそうなるのかあと思いつつ納得の結末でした。
野火には報われてほしと思ったので、ちょっと切ない余韻の残る終わり方でしたが、この終わり方は好きです。
私は小春丸も好きだったので、逆に小春丸の出番が予想以上に少なかったことが残念でしたが。
全体的にページの割に人物がたくさん出てくるので、もっと書き込んでほしかった登場人物とかも多くて、そこがちょっと惜しかったです。木縄坊とか好きだったのですが。そう考えると、もうちょっと分量があってもよかったのかもしれないですね。

でも、非常に切なく、けれど優しい気持ちになれるような、満足感の高いファンタジー小説です。やっぱり上橋さんの書くファンタジー小説はいいなあと思ってしまいました。ほかの物語も久しぶりに読みたくなったりして、余韻に浸っています。

あと、何と言っても表紙がきれいで、断然ハードカバーのほうがお気に入りです。

猫目堂(水名月けい)

猫目堂
猫目堂
  • 発売元: 文芸社
  • 発売日: 2006/02





(2013年読書感想64冊目)


水名月けい 著
おすすめ度★★★☆☆(不思議でファンタジックな物語。)

≪喫茶・雑貨 猫目堂≫
『あなたの探しているものがきっと見つかります。
どうぞお気軽にお入りください』(p6他)



猫が好きなので、猫ものの本は大体読んでしまいます。(余談ですが読書好きって猫好きな方が多い気がします)
この本は母が知り合いから借りてくれた本です。
山奥のバス停を降りたところにある、喫茶、猫目堂。
そこには黒髪と金髪の二人の美少年が働いています。
何か後悔のある人々が、その喫茶店に迷い込んで……??

正直、ありきたりのお話で、文章もうまいとは言えないです。でも、普遍的だからこそ心に響くものがあるように感じます。最初読んだときは、ちょっと簡単すぎるかなー?? と思ってしまいまして、読むのをやめようかと思ったのですが、不思議なことに読み進めると、何度も目頭が熱くなってしまいました。
このお話には、不思議な良さがあるとおもいます。どうやらすっかりこの不思議な本の世界に引き込まれてしまったようです。

お話は非常にファンタジックなお話で、天使とか出てくるし、ファンタジー小説だなあという感じでした。
ふしぎに癒されていく、絵本のような感じでしょうか。すぐ読めますし。
そうして、タイトルは猫ですが、印象に残っているのは犬のほうです。
どのお話が印象に残っているとかはないのですが、読後感はほんわかするような、そんなちょっと心に残る小説です。
簡単に読めますし、ちょっと癒されたいときにおすすめです。

全体的にすごく説明不足なのですが、その説明不足が不思議とファンタジーな雰囲気を出していて、読み進めるごとに引き込まれていく感じです。
私も猫目堂みたいなお店があったら行ってみたいなあって思いました。
そんな少し不思議な小説。なかなか面白かったです。

孤児の物語1 夜の庭園にて(キャサリン・M・ヴァレンテ)

孤児の物語 I (夜の庭園にて) (海外文学セレクション)
孤児の物語 I (夜の庭園にて) (海外文学セレクション)
  • 発売元: 東京創元社
  • 発売日: 2013/01/29




(2013年読書感想63冊目)


キャサリン・M・ヴァレンテ 著 井辻朱美 訳

おすすめ度★★★☆☆(3・5くらい。好きな人はもっとはまると思う。)


昔ひとりの女童がいて、その容貌は糸杉の木と水鳥の羽毛を照らす新月のようであった。(p4)


普段から割と強気な価格設定の東京創元社の本ですが、この本の価格はけた違いです。約520ページの本で1冊5500円。上下巻だから2冊買うと1万円くらいします。
そんな高い本だからといういささか俗っぽい理由で興味をひかれ、図書館で予約してみることに。
現物を見るまでは、きっとこんなに高いからフルカラーに違いないとか、すごい本に違いないかとか思っていたのですが、現物を見てちょっと拍子抜け。
フルカラーなわけでもなくて、挿絵があることにはあるけどそこまでふんだんというわけではない。
なぜこの本が5500円するの? と真剣に考えてしまいました。

お話としては現代のアラビアン・ナイト。物語の迷路に迷い込んだような、めくるめく入れ子構造の物語です。
草原の書と海の書という二部構成に分かれていて、夜の庭園で、一人の女童(めのわらわ)が、王子である童子に物語を語ります。
その物語は、王子と鵞鳥の物語、あるいは白い娘の話がメインになっています。
メモとかしながら読んでいくと楽しいんだろうなあと思いながら読んでました。
本当にすごい複雑な入れ子構造で、ところどころの発想も面白く、訳文も美しいです。
おもしろかったし、好きなのですが、なんだか今一歩っていう感じでした。
なんか、私がアラビアン・ナイトと聞いてイメージする艶っぽさみたいなのが、あまり感じられなかったからでしょうか。
ただ、女童と童子の会話や関係は愛らしく、ところどころときめきながら読んでいました。この女童がかわいいのですよ!
お話としては、第一部が男性性を語った王子の話で、第二部は女性性を語った聖女の話という印象。対になってる感じを受けました。
続編も読みたいですが、いつか読めたらいいなあという感じです。
すごく期待して読んだので、ちょっと肩すかしでしたが、ファンタジー小説としてはもちろん、幻想小説という趣のある一冊で、なかなか味わい深いです。
興味のある方は図書館で借りて読んでいることをお勧めしたい一冊です。

黒猫の遊歩あるいは美学講義(森晶麿)

黒猫の遊歩あるいは美学講義
黒猫の遊歩あるいは美学講義
  • 発売元: 早川書房
  • 発売日: 2011/10/21




(2013年読書感想62冊目)


森晶麿 著 丹地陽子 表紙絵
おすすめ度★★★★☆(4・5くらい。すごく興味深いミステリでした!)

「僕が行うのは美的推理であって、導き出された真相が美的なものでなければその時点で僕の関心は失われる。美的でない解釈が解釈の名に値しないように、美的でない真相もまた真相の名に値しない」(p14)


最近いろいろなところで名前を聞くようになってきたこのシリーズ。図書館に置いてあったのを見かけたので、借りて読んでみることに。
まず、この何とも言えないお洒落な題名がいいですよね。丹地陽子さんの装丁も素敵です。

24歳という若さで教授職に就いた美学学者の通称「黒猫」
大学院でポオ研究をしている、彼の面倒を見ることになった「付き人」の私。(女の子)
彼らが解決する、ちょっと不思議な事件とは??

この本は予想以上に私の好みでした! まず、美学という普段あまり接しない学問にスポットが当たっているのがいいですね。黒猫も美学学者として、すごく変わっているけど優しくて、そんなキャラの立った登場人物たちが織り成すミステリにひき込まれていきました。
また、黒猫と付き人である女の子の距離感が最高にいいのですよ! 黒猫のこの優しさは付き人ちゃん限定では?? と勘ぐってときめいていました。
何というかミステリなのですけど、青春少女小説みたいな塩梅の二人の距離感に、キュンキュンしてしまいました。30分くらいの枠で、ドラマ化したらいいのにななんて読みながら思ってしまいました。

話の内容は少し小難しかったけど、少しだけ籍を置いていた大学院時代を懐かしく思い起こせました。
そういう意味でも青春していてよかったなあと思います。

ミステリとしては、非常に端正なミステリという印象で、多少の強引さはあるものの、小気味よいです。
私が好きなのは1作目、「月まで」と3作目「水のレトリック」でしょうか。なんともこの作者の描く女性たちがかわいらしくて、たまりませんでした。
ただ、後ろの選評にも書いてありましたが、ポオの小説の犯人について言及されてたりするのはいかがなものかなと思いました。でも、この本読んでからポオを読んだらおもしろそうですね。
2作目からは長編という形式になるのでしょうか。
いずれにしても大変好みの作品なので、続きも読んでみたいなあと思いました。

FLESH&BLOOD8(松岡なつき)

FLESH&BLOOD (8) (キャラ文庫)
FLESH&BLOOD (8) (キャラ文庫)
  • 発売元: 徳間書店
  • 発売日: 2005/06/29



(2013年読書感想61冊目)


松岡なつき 著 雪舟薫 イラスト
おすすめ度★★★★☆ (スペイン編開幕! ドキドキして面白かったです!)

そう、今の海斗にできるのはそれだけーー。赤ん坊のように泣き喚くことだけだった。誰よりも愛する人を求めて。
「ジェフリー! ジェフリー! ジェフリ……ッ!」


松岡なつきさんの大人気BL小説、「F&B」シリーズ8冊目。ついにスペインの手に落ちた海斗。ビセンテに護られながら、スペインを目指します。
一方海斗を奪還しようとするジェフリーとナイジェルの間には亀裂が……!?

いやー、面白かったです! まず見てくださいこの表紙! ビセンテがこんなに大きく、しかも海斗と2ショット! ビセンテ好きの私は、この表紙だけで本当に嬉しかったです。
挿し絵もビセンテビセンテビセンテで、眼福でした。

でも本編自体はなかなかにハードですごくドキドキしました! 海斗をまもってくれるのは今のところビセンテだけだし、ジェフリーとナイジェルの間にはこんなときなのにわだかまりが出来るし……、海斗はあんな目にあっちゃうし!

しかしビセンテは本当に良い男ですね。前から好きでしたが、更に好きになってしまいました。
味方の少ない状況で、スペインでは更に難儀なことが襲いかかってくると思いますが、これからも見届けていきたいと思います。そしてスペインにも素敵な登場人物が沢山だと思うので、今から楽しみです。
でも海斗が居たたまれなさすぎるので、いつかはジェフリーのもとに帰ってほしいです。
こういうとき、この時代の歴史に詳しくないのが悔やまれます。

スペインに入ってますます目の離せないこのシリーズ、これからも楽しみに読みたいと思います。
海斗も、少しで良いからビセンテに心を許してほしいなあとビセンテファンとしては思います。
レオと海斗も仲良くなって欲しいなあ。

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