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2014-05

オーブランの少女(深緑野分)

オーブランの少女 (ミステリ・フロンティア)
オーブランの少女 (ミステリ・フロンティア)
  • 発売元: 東京創元社
  • 発売日: 2013/10/22




(2014年読書感想31冊目)


深緑野分 著
おすすめ度★★★★☆(4・5くらい! 少女好きにはたまらない一冊です。)


「それにしても女ってやつは怖いもんだな」
(中略)
「お前らなあ、そんな昔話の姫様よりも家の母ちゃんを怖がったほうがいいぞ(後略)」(p258)



新人作家、深緑野分(ふかみどり のわき)さんの、少女を題材にした短編集、「オーブランの少女」の感想です。
「オーブランの少女」、「仮面」、「大雨とトマト」、「片思い」。「氷の皇国」の5篇を収録していて、いずれも少女が鍵を握っている内容となっています。

とにかく、デビュー作でまだ30代前半の若さであるというのに、その文章力の高さに文章の上手さに驚きました。とっても叙情的な表現力豊かな文章で、ミステリーというよりファンタジー小説を読んでいるような印象を受けました。推理小説もいいけど、純粋なファンタジー小説とかも読んでみたいな。

しかし、この本は「少女」が書きたいのであって、ミステリー的な要素はスパイスかなあと思わせる部分もあります。
表題作は、ミステリーというより美しいホラーな印象すらあったし(印象に焼きついて夢にみたくらい)、驚きはしたけど、謎自体は意外と簡単なものでもありましたしね。

わたしは少女も少年も好きですが、この方の描く少女はかなり理想に近いです。でも、少女の組み合わせも、割とテンプレな印象を受けました。(美人と醜女とか)
少女を際立たせたいがために、男性の扱いもちょっとひどかったように思えます。(特に二作目、「仮面」の男性は可哀想すぎるの一言)

それでも、読めてよかったと思える本でした。
お気に入りは1作目と4作目。5作目はミステリーというよりファンタジーとして読んでいました。
基本的にどの話も描写が美しすぎて、ミステリーの「謎」部分がちょっと浮いてしまう印象なのですよね。ライトな感じですが、ライト過ぎない重さもあって、個人的にはちょうどいいミステリーでした。
文章がうまい作家さんなので、ミステリー以外も読んでみたいです。それこそ少女小説とか、ファンタジーものとか。
とにかく、印象に残る読書体験でした。普段は書店員さんらしいですが、この作家さんが別の本を出したら、また読みたいなと思います。

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FLESH&BLOOD 10(松岡なつき)

FLESH&BLOOD 10 (キャラ文庫 ま 1-20)
FLESH&BLOOD 10 (キャラ文庫 ま 1-20)
  • 発売元: 徳間書店
  • 発売日: 2007/06/23




(2014年読書感想30冊目)

松岡なつき 著  雪舟薫 イラスト
おすすめ度★★★★☆(新キャラも出てきて、スペイン組好きにはたまらない一冊!)

今、エリザベス朝の頃のスペインが熱くて、勢いで久しぶりに読んだBL小説、「F&B」シリーズの第10巻。
表紙がビセンテですよ! すごくお洒落していて、本当に格好いいです!
異端審問にかけられる海斗。いつも傍にいてくれるビセンテと国王フェリペの計いで、有能な弁護人、ラウル・デ・トレドを付けてもらえて、ほっとしたのも束の間、今度は毒殺されかけて??

もう、この時代のスペインは本当に怖いですね! 海斗がかわいそうでかわいそうで、読むのが辛いシーンが多かったです。
新しく出てきたラウルは、今までちょっといなかった感じのキャラクターで、これからどうかかわってくれるか楽しみ!
今回は波乱のスペイン編ということで、スペイン組びいきの私には嬉しかったです。しかし前述のとおり痛々しいシーンが多くて……。BL小説なのに、話のやすらぎどころがビセンテの騎士話(という名のサクセスストーリー)ってどういうことなの!? と思ってしまいました。BL小説ですが、女性に大変モテるビセンテにときめいてしまいます。ビセンテの幸せは私の幸せ位の勢いで本を読んでいたくらいビセンテが好きな私……。
ビセンテが好きすぎて、ジェフリーの良さがまたもやわからなくなってきましたよ(ジェフリー好きな方、ごめんなさい)

そして、忘れちゃいけない和哉の存在。
和哉も、すっかり変わってしまいましたね。ですが再登場ありそうな感じで嬉しいです。一体どんなふうに今後の物語が展開していくのか、大変楽しみです。

今回は雪舟さんの挿絵も少しですが復活していて嬉しかったです。特にラウルが見れたのが良かったな。この時代の物語には、神父やシスターが不可欠ですからね。ラウルはいい意味でも悪い意味でも魅力的なキャラクターだと思うので、期待しています。
次の巻では、いよいよ海斗の奪還へと物語が動くのでしょうか。
海斗の故郷はスペインではなくイングランドだと思うので、早くジェフリーと再会できればいいなって思います。(ビセンテには悪いけど……)
あと、レオがかなりの美少年らしいという描写があって、嬉しいやら驚いたやら。この世界のスペインって美男が多いですね。というか美男ばっかりです。そんな中、フェリペの寵愛あついアロンソ様の出番も、心待ちにしています! 本当、やっぱり読み出すと止まらない、続きがきになるシリーズです。

帰ってきた空飛び猫(アーシュラ・K・ル=グウィン)

帰ってきた空飛び猫 (講談社文庫)
帰ってきた空飛び猫 (講談社文庫)
  • 発売元: 講談社
  • 発売日: 1996/11/14




(2014年読書感想29冊目)

原題 Catwings Return
アーシュラ・K・ル=グウィン 著  村上春樹 訳 S・Dシンドラー 絵
おすすめ度★★★★★(好きにはたまらないとってもキュートなファンタジー。)


「私はこの屋上庭園でひなたぼっこをしながら、この子がお前たちと一緒に、自由に空を飛び回っている夢でも見るわ。それが私にとっての幸福というものなのよ」(p72)


「ゲド戦記」などで知られる、ファンタジー小説作家としては大御所のル=グウィンの描いた、とってもキュートな空飛ぶを主役にした動物ファンタジー。
猫好きの母のために贈った本を、私も読書です。
ちなみに一作目の「空飛び猫」は未読です。ですが、未読でも存分に楽しめる内容となっていました。

このシリーズ、前から気になっていたので、読めてよかったです!
空飛び猫が帰ってきたよって意味と、故郷に帰るお話だよ! という二重の意味がタイトルに込められています。
ル=グウィンってシリアスな文章を書く人かと思ったら、こういうちょっとポップな感じのお話も書くのですね。猫に対する深い愛情が感じられて、読んで数ページですっかり引き込まれてしまいました。シンドラーの描くカラーの挿絵がとっても魅力的です。

また、このシリーズの翻訳は村上春樹さんです。
村上春樹の作品には特別な感情を抱いていない私ですが、この本の翻訳はとっても良かったし、注釈やあとがきは印象的で、興味深かったです。村上春樹さんも猫が好きなのでしょうか……。
彼は他にも何冊か絵本の翻訳を担当していますよね。そういったものも読んでみたくなりました。

とにかく、空飛ぶ翼の生えた猫、なんてまさしくファンタジーならではの設定で、ところどころ風刺もきいて、でも軽く楽しく読めて、何より可愛くて、本当、読んでよかったなと思えるファンタジーでした。
猫に対する愛情が感じられる、心のこもった一冊で、ほかのシリーズも読みたいです。
一冊目を読まずに二冊目を読んでも問題なく楽しめましたが、2冊目を読んでから3冊目以降を読んだほうが楽しめるシリーズだと感じました。
とにかく、猫好きには絶対おすすめの、心温まるファンタジー小説です!
可愛い挿絵がいっぱいで、横書きで薄めの本なので、普段本はあまり読まないけど猫が好き、なんて方への贈り物にもいいかもしれません。
おすすめです。

ノーブルチルドレンの残酷(綾崎隼)

ノーブルチルドレンの残酷 (メディアワークス文庫)
ノーブルチルドレンの残酷 (メディアワークス文庫)
  • 発売元: アスキーメディアワークス
  • 発売日: 2011/06/25




(2014年読書感想28冊目)


綾崎隼 著  ワカマツカオリ イラスト
おすすめ度★★★★☆(4・5くらい。面白かったです!続きも気になる。)


この世界にあって、一番美しい言葉は、好きな人が呼んでくれる自分の名前だ。だから、せめて百万回でも祈るだろう。
好きよ、吐季。
お願いだから、あたしの名前を呼んで。(p206)
(p206)



題名とイラストに惹かれて、あらすじも予備知識もなく読んだ、初読みの作家さんのシリーズものの第一巻。いろいろなところで名前はよく聞いていたのと、ワカマツカオリさんが好きだったので読みました。表紙が素晴らしいです。

結果、すごく面白かったです! 続きを借りてこなかったことを後悔…! こういう話大好きです。
作中でも例えられていますが、現代の学園物ロミオとジュリエットのようなお話。
といっても、登場人物は一癖も二癖もあります。
私が好きなのは麗羅ですね。(女子の名前のようですが、男子です) ワカマツさんのイラストにやられました。
彼と吐季の間に何があったのか、非常に気になります。
緑葉と歩夢のコンビもいいです。特に、暴走しがちな緑葉を温かく見守る歩夢に心惹かれます。この2人がこんな関係なのも、何か理由があるのかな? いろいろ黒そうな伏線が張られてるので、伏線が解消されるのが楽しみです。(怖い気もしますが……)

しかし一方で、冷めた見方をすれば面白いのですがあくまでラノベかな、という印象の作品です。
一応ミステリっぽい味付けがされていますが、ミステリがメインではなく、あくまでスパイス程度といったところ。
ミステリというより、ラブストーリーって感じの小説です。ミステリを期待して読むと、残念な感じですね。

でも、ミステリがこの作品の書きたいことではないのでしょう。
とにかく、吐季に恋する緑葉が素敵だし、実は繊細な吐季もいいですね。キャラクターとイラストがとっても魅力的で、読んでいて面白かったです。
まあ、伏線とかを見る限り、すごくシリアスな上に悲恋? っぽい話になりそうですが、この。4人の高貴な子供たちを見届けたい気持ちでいっぱいです。

初読みの作家さんでしたが、どうやらほかの著者の作品とも世界観や登場人物がリンクしているようで、ほかの作品も読んでみたいなと思わせる作風でした。
キャラクター小説といった雰囲気はありますが、とにかく、恋する緑葉をはじめキャラクターの心情が秀逸に描かれているので、面白かったです。
続きも読みたい! おすすめです。

白冥の獄1(下)  武術大会の光と影(ジン・ヘイル)

白冥の獄1下 - 武術大会の光と影 (C・NOVELSファンタジア)
白冥の獄1下 - 武術大会の光と影 (C・NOVELSファンタジア)
  • 発売元: 中央公論新社
  • 発売日: 2013/05/24



(2014年読書感想27冊目)

原題 Lord of the White hell Book One
ジン・ヘイル 著 原島文世 訳 笹原亜美 イラスト
おすすめ度★★★★☆(非常に萌えるBL。こんなところで終わるかって感じなので続きも読む!)


「ああ、おまえは乗馬と剣の稽古が大好きだからな」
「数学と自然科学の授業が最高なんです」
「わたしのことが好きだと認めてかまわないぞ」ハビエルはそっと言った。(p124)


翻訳ファンタジー、「白冥の獄」の一巻目の下巻。
平たく言うと異世界ファンタジー学園物BL小説なんだけど、この世界観や登場人物たちがすごくツボで、すっかり魅了され、夢中になって読みました。
下巻は丸一冊武術大会の様子です。キラームの叔父のラーフィやその連れ合いのアリザデも登場し、カデレオンやハルディームの国の様子や違いが分かり、キラームとハビエルの間に横たわる溝の深さが浮き彫りになります。

なんといっても、キラームとハビエルがお互い大好きすぎて、一挙一動にドキドキしている様子に、こちらもドキドキしてしまいます。なんという美しいBL……。でも、この恋はお互いにとって楽な道ではなく、ハビエルが最後にやらかして、こんなところで終わるの!? ってところで終わります。
ハビエルもキラームもすごく面倒くさいんだけど、二人の立場を考えると仕方ないよねって思える。王道すぎるBLなのですが、その王道さが、いろいろなことを考えさせてくれる良書だと思います。

一巻目は謎が提示されるだけされて、二巻にお預けな感じ。
何よりもこの下巻は、二人のお互いが好き! っていうドキドキ感を堪能する一冊になっていると思います。
本人たちは真面目なんだけど、傍目には痴話喧嘩してるようにしか見えないところも美味しいです。
あと、キラームの叔父のラーフィとその連れ合いのアリザデがいい味を出していました。アリザデが美しすぎる……。キラームとハビエルもこの2人のようになれる日が来るといいのですが。

しかし、魅力的なイラストのおかげか、非常に脳内で視覚化されて読めるのがいいです。表紙のハビエルが麗しすぎて、私はやっぱりハビエルが好きって思いました。
あと、この下巻には軽めの? 性描写があります。苦手な方はご注意くださいね。
全ての謎が解けるらしい2冊目に激しく期待しています。物語の鍵を握るのはフェデレスかな。

八番街の探偵貴族 はじまりは、舞踏会。(青木祐子)






(2014年読書感想26冊目)

青木祐子 著 ⑪(トイチ)イラスト
おすすめ度★★★★☆(ベリーカルテットと甲乙つけがたく、読みやすくて好印象です!)


「良心的な、いい事務所なんだよ。探偵事務所だが、目的は人を救うことだ。つまり、がんじがらめになっている人間というものを」
(p235)



大好きな青木祐子先生のコバルト文庫の新作です。
「ベリーカルテットの事件簿」の続きを楽しみにしていたら、なんだか同じ時代の、似たような設定のこのシリーズが発表されたので、最初はちょっと戸惑ってしまいましたが、同一世界観の、物語が「ベリーカルテット」と「八番街」で交差する仕組みになっているのですね。
なので「ベリーカルテット」とどうしても比べて読んでしまったのですが、同じ貴族ならロイよりレヴィンが好きだし、メイドならばシャノンよりマイアの方が好きでした!
特にレヴィンは、こういう人すごく好きです! まず外見がいいですね。青い瞳に黒い髪。私の超好みの外見をしています。性格も人を食う感じがなかなか好きです。
マイアはだめんずスキーな感じが、可愛くて憎めないのですよね。

やっぱり、青木先生の描くヴィクトリア朝ものと、そこに生きる貴族やメイドや庶民のお話が好きです。
少女小説らしく、恋の芽生えを予感させるような描写もあっていいですね。
「ベリーカルテット」のロイとこちらの小説のレヴィンは友人ということで、色々妄想が膨らみ、ドキドキします。シャノンもレヴィンの言動から察するに、ロイの良いパートナーになってるみたいで、「ベリーカルテット」の続きも読みたいな、なんて思います。
そして青木先生は相変わらず、、少女のちょっと怖いどろどろした心理を描くのが上手くて、もう本当に大好きです。

ただ、「ベリーカルテット」とこちらの「八番街」のシリーズが統合されてひとつの物語になっちゃうんじゃないかとか、この本は間違いなく面白かったのですが、内容以外のところで色々心配になってしまっています。どちらも大好きなシリーズになると思うのえ、続いて欲しいのですが。

それにしても、シャノンもマイアも女神さまが由来なことに、青木先生、狙ってらっしゃる!? と思ってしまった私がいます。レヴィンも神話由来なお名前ですしね。でもマイアって名前もレヴィンって名前もすごく好きです。

とにかく、本当に面白かったです!
ベリーカルテットと八番街だったら、読みやすさなどはこちらに軍配があがるかなという感じなので、どちらを読むか迷っている方はこちらがおすすめかなって思います。
しかし、レヴィンとロイの会話とかすごいことになりそうですね。覗いてみたいな。


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