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2014-08

ストラヴァガンザ 仮面の都(上)(メアリ・ホフマン)

ストラヴァガンザ 仮面の都 (SUPER!YA)ストラヴァガンザ 仮面の都 (SUPER!YA)
(2010/06/29)
メアリ ホフマン

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(2014年読書感想46冊目)

メアリ・ホフマン 著 乾侑美子 訳 丹地陽子 表紙絵
おすすめ度★★★★✩(4・5くらい。とにかく夢中になって読めるファンタジーです!)


「ああ女公様、ご婚礼が待ち遠しくていらっしゃいましょうね!」
「そうね。いつもの年と同じくらいにね」(p12)

―侍女とドゥチェッサの会話ー


ずっとずっと興味はあったけど、ハードカバー版の分厚さから読むのをためらっていたファンタジー小説、ストラヴァガンザが、ソフトカバーで上下巻になっているのを図書館で発見し、思わず借りて読書しました。表紙は大好きな丹地陽子さんの手によるもので、主人公のルシアン(ルチアーノ)が描かれています。ルシアン、たしかになかなかの美少年ですね。

お話としては、病弱な少年がある出来事をきっかけにタイムトラベルし、16世紀のヴェネツィアを彷彿させる都市、ヴェレッツァにストラヴァカント(タイムトラベル)を繰り返すことから、お話が展開していきます。
現代と過去が交錯するので、読みにくいのかなー?? と思っていたのですが、細かく段落で分かれていて、読みやすいです。
そうして、物語にスピード感と、読者を世界に取り込む「力」のある作品となっています。面白い!
ルシアンにはなんだか感情移入して読んでしまいますし、アリアンナも可愛い。でも、なんといっても魅力的なのはドゥチェッサとロドルフォの二人でしょう。大人なバイプレイヤーの皆様がなんとも魅力的です。
とにかく読みやすくて、ページをめくり出すと一気に読めること間違いなしの作品です。
物語はまだどういうふうに展開していくのかわからないところがあり、終着点もまだわからないですが、この本を読んでいると、自分がまるで本物の、ドゥチェッサを慕うヴェレッツァっ子になったような、ルシアンと一緒にタイムトラベルしているような、そんな気持ちになれる、ワクワクできる一冊です。ヴェレッツァの都市が視えるような読書体験です。
また、ハードカバー版よりこちらのソフトカバー版がまたいいです。上下巻各250ページほどと、読みやすくて、装幀もいいです。朝の読書とか通勤通学時間に、ちょっとづつ読んでも楽しめるお話だと思います。

個人的には、アリアンナが物語にどうか変わっていくのか、ルシアンは最終的に現代とヴェレッツァどちらを選ぶのか、その辺りがとても気になります。早く続きが読みたい! そんな本です。
展開がある、スピード感のあるワクワクドキドキ系のファンタジー小説を読みたい方には、特におすすめのシリーズです。


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夜市(恒川光太郎)

夜市夜市
(2005/10/26)
恒川 光太郎

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(2014年読書感想45冊目)

恒川光太郎 著
おすすめ度★★★★★(これはすごくよかった! ほかのも読みたいです。)


「いかなる奇跡を用いようとも、生を得るとはそういうことではないのですか? そのはじまりから終わりまで、覚悟と犠牲を必要とする(後略)」(p170)
―僧侶のセリフー


最近よく名前を聞くホラー作家、恒川光太郎さんのデビュー作。普段はあまり読まないジャンルですが、夏ということでちょっとホラーが読みたくなり、手に取ってみました。
そして納得、これは人気なのもわかります。デビュー作にして、完成している雰囲気が漂っています。
ホラーというよりは幻想的怪奇日常系? みたいな感じです。 日常の隣にあるホラー。ホラーというよりはファンタジー小説に近いかもしれません。
表題作の「夜市」と「風の古道」を収録しています。

どっちもよくある話かも知れないし、それを言ってしまえばおしまいなんだけど、何とも言えない幻想的な怖さと風情があります。
読んでる最中は「夜市」の方が好きって思ったけど、「風の古道」にも味わい深い良さがあります。レンがいい味を出しているんですよね。
「夜市」はとっても切ない話でした。

恒川さんの著作には、「ある一定の場所から、ある一定の条件を満たさないと出ることができず、その場をさまよい続ける」、といった牢獄系の怖さがあり、どうもそれが作者さんの中で一つのテーマになっているように思います。
これがまた、何とも言えない愁いといったようなものと一緒に、怖さが同居していていいのですよね。
本当、日常の隣にある異界の扉といった雰囲気の作品を書く人で、そういうのがお好きな人には間違いなくおすすめできる一冊です。

「風の古道」の最後で、これは成長の物語ではない、と言っているのが印象的です。なんとなく作者の哲学を感じます。成長の物語でないあたりが、またなんとも幻想的怪奇だけを私たちの心の中に残してくれるのですよね。
ぜひいろいろな作品を読んでみたい、と思わせる作家さんと出会いました。別の物語も機会を見て読んでみたいと思います。

素晴らしいアレキサンダーと、空飛び猫たち(アーシュラ・K・ル=グウィン)

素晴らしいアレキサンダーと、空飛び猫たち素晴らしいアレキサンダーと、空飛び猫たち
(1997/06/25)
アーシュラ・K. ル=グウィン

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(2014年読書感想44冊目)


原題 Wonderful Alexander and the Catwings
アーシュラ・K・ル=グウィン 著  村上春樹 訳 S・Dシンドラー 絵
おすすめ度★★★★✩(4・5くらい。いろいろ考えさせられる一冊。)


「(前略)君には翼があるじゃないか、ジェーン。君はどこへでも空を飛んでいけるんだ」(p46)ーアレキサンダーの台詞ー

最近すっかりこのシリーズに夢中です。
とにかく好きにはたまらないル=グウィンのファンタジー小品、「空飛び」シリーズの三冊目です。っ全部で四冊出てるから、残すところあと一冊、と思うと、もったいなくて読書が進みません。
今までこの本に出てくると言ったら、翼の生えた空飛び四兄弟でしたが、今回はそこに、翼の生えてない普通な猫、アレキサンダーが登場します。
裕福な飼い主の家から一転、街に飛び出したアレキサンダー。素晴らしい猫になってやろうと考えますが??

この本もまた、とってもよかったです。
翼の生えた猫だけではなく、普通の猫が出てきたことにより、物語に一層奥行が増したように思えます。
そんなアレキサンダーが兄弟の末っ子、ジェーンと出会い、彼女のトラウマを癒してあげるシーンは感動的ですらあります。
アレキサンダーは本当に素晴らしい猫だなって皆が思うと思います。
しかし、私はこうも思うのです。猫の飼い主にとって、自分の猫が何にも優って素晴らしい猫なんだって。ひいては、猫とは素晴らしい生き物なんだって。
村上春樹さんの翻訳や注釈、あとがきも素敵です。この本をきっかけに、村上春樹を読んで見てもいいかな、なんて思っちゃうくらいには。
ル=グウィンといい、村上春樹といい、シンドラーといい、猫好きの、猫好きによる、猫好きのためのファンタジー小説っていう、あたたかい眼差しが物語を彩っていて、本当に素敵なファンタジー小説だなって思ってしまいます。
メッセージ性に富んだ絵本だし、すぐに読めるし、ぜひいろいろな人に読んで欲しいなって思う本です。
猫が好きな方に、特に贈りたい素敵なファンタジー小説です。おすすめ。

空飛び猫(アーシュラ・K・ル=グウィン)

空飛び猫空飛び猫
(1993/03/25)
アーシュラ・K. ル・グウィン

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(2014年読書感想43冊目)

原題 Catwings
アーシュラ・K・ル=グウィン 著  村上春樹 訳 S・Dシンドラー 絵
おすすめ度★★★★✩(4・5くらい。ハードカバーより文庫版がおすすめ!)

「もしお前が良い『手』をみつけたら、もう自分で餌を探す必要はなくなるんだよ。でもそれがいけない『手』だったら、それは犬よりたちが悪いって」(p35)
ーセルマの台詞ー

大好きな作家、ル=グウィンが執筆し、村上春樹さんが翻訳したとってもキュートなファンタジー小説、「空飛び」の感想です。以前に、続編となる「帰ってきた空飛びたち」を読了済み。こちらの「空飛び」がシリーズ第一作目です。

まず最初に、今回図書館でハードカバー版を借りて読みましたが、このシリーズはハードカバー版で読むより、文庫版で読んだほうがいいな、という印象を受けました。文庫版は色の発色もいいし、紙質も良いのですよね。

中身に関してですが、これは文句なく良かったです! 猫が好きな方が、猫をもっと好きになる素敵なファンタジーです。
あとがきに書かれていますが、村上春樹さんが、日本語として声に出して読みやすい翻訳を心がけられたらしく、長さ的にも内容的にも、読み聞かせに最適の一冊です。

お話としは、現代都市に対する風刺と、自然に対する愛情、なにより深い優しさに満ちた視線を感じることが出来て、本当に素敵な一冊になっています。
空飛び猫4兄弟が出会うことになった「良い『手』」である人間の兄妹が、とにかく優しくて、そうして猫も人間も兄妹だからか、立場を超えて同じ悩みや感覚を持っていたりして、そこから由来するクスッと笑えるエピソードなんかもあり、とにかく本当に面白かったです。
ル=グウィンの原文も素敵なんだろうし、村上春樹さんの訳も素敵。そうしてなにより、シンドラーの挿絵がとても素敵な一冊です。
全ての猫好きにおすすめしたい素敵な一冊です。
一冊目と二冊目を読んで分かりましたが、1巻から順番に、一気に読むのがお勧めのシリーズですよ。
すぐに読めるし、いろいろ考えさせられるし、とにかくいろいろな人に読んで欲しいシリーズです。

ばんぱいやのパフェ屋さん 禁断の恋(佐々木禎子)

(P[さ]4-3)ばんぱいやのパフェ屋さん 禁断の恋 (ポプラ文庫ピュアフル)(P[さ]4-3)ばんぱいやのパフェ屋さん 禁断の恋 (ポプラ文庫ピュアフル)
(2014/07/04)
佐々木 禎子

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(2014年読書感想42冊目)

佐々木禎子 著 栄太 表紙絵
おすすめ度★★★✩☆(面白かったけど、二巻には及ばずかな。)


ずっとそういうことだけを考えていたい。
だけど、子どもはいつも忙しい。
好きの意味を探してる余裕なんて、ない。(p159)

ーとある少女の独白ー


なんだか無性に好きで、ついつい購入して読んでしまうシリーズ、「ばんぱいやのパフェ屋さん」の三冊目。
最初出たときは続くのかなあと若干心配でしたが、三冊も出たんですね。似たような感じの、このシリーズ好きな人が結構いるのかな??
今回、犬を探して欲しいと頼まれるパフェバー、マジックアワーの一行です。少しだけですが伯爵も登場。伯爵、なんだか好きだなあ。この巻では最後、伯爵とお友達になりたいと願う音斗の成長が、よかったです。

今回は、前から気になっていたパフェの描写の少なさが解消されて、美味しそうなパフェの描写がたくさん出ていたのがよかったです。音斗も胸を張って友達と言える友達ができて、精神的な成長も著しく、読んでいてほんわかします。
でも、本としての面白さなら断然二巻の方が面白かったです。今回は面白いんだけどちょっと内容が薄いというか、そういう印象を受けました。
題名の意味や話の核も、途中、間章を読んでしまえばなんとなく察してしまえますしね。
でも、三冊目になって愛着の湧いてきた登場人物、少し間の抜けたハートフルな設定、なんだか癖になってしまって、好きなシリーズなのですよね。

どういう終着点を迎えるかまったくわからないシリーズだけど、個人的には追いかけて行こうかなと思っています。
なんだかほのぼのした軽く読める日常系ファンタジー小説が読みたい方にはお勧めのシリーズかなと思います。
次も出たら読みます。
最初はフユが好きだったけど、ハルもナツも、好きになってきました。スルメのようなじわじわくるシリーズだと思います。


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