ヴラディミール・トッド・クロニクルズ1 牙に秘めた思い(ヘザー・ブリューワー)
ヴラディミール・トッド・クロニクルズ (1) 牙に秘めた思い (2014/07/25) ヘザー・ブリューワー 商品詳細を見る |
(2014年読書感想47冊目)
ヘザー・ブリューワー 著 園生さち 訳 カズアキ イラスト
おすすめ度★★★★✩(ポップな雰囲気の、明るい面白さが魅力的です!)
「ねえ、ヘンリー?」
「ああ?」
「八歳の時、噛んでごめんね」(p181)
―ヴラッドとヘンリーの会話ー
ヴァンパイアものということと、タイトルが気に入ったので図書館で借りて読書しました。全米では100万部のベストセラーシリーズとのことです。
ヴラディミール・トッドは吸血鬼の父と人間の母の間に生まれた半吸血鬼の中学生。そんな両親は三年前に死んでしまった。あるとき、担任の先生の代わりに、オーティス・オーティス先生が現れた時から、ヴラッドの平和な日常は徐々に変化し始めて……、という話かな。
これはなかなかに面白かったです!
まず何より面白いなと思ったのは、半吸血鬼であるヴラッドを取り巻くその環境です。
後見人であるネリーおばさんも、親友であるヘンリーも、ヴラッドが吸血鬼であるということを、ごく自然に受け入れて生活しています。現代社会に生きる吸血鬼というと、自身の本性を隠して生きるというイメージが強いですが、もちろんヴラッドも自信の正体を隠していますが、一部にはオープンで、そのことが物語全体を非常に明るい雰囲気にしています。
そんなヴラッドはゴス野郎と呼ばれるいじめられっ子で、好きな女の子とはまともにお話もできない感じなのが、何とも言えずリアルで、やっぱり吸血鬼のイメージとは違いますね。そのあたりの雰囲気が気に入れば、面白いシリーズだと思います。
なによりも際立つのはオーティス先生でしょう。
最初登場したときはなんともおかしな感じでしたが、そこがまたよかったです。
最後までオーティスが敵か味方かわからなくてドキドキしました。
半吸血鬼のヴラッドの、恋に友情に成長に葛藤にと、王道だけど楽しい要素盛りだくさんの、素敵なYAロー・ファンタジー小説です。私は好きです。
2巻ではヴラッドたちは高校生に。楽しみですね。
刊行も順調のようで、嬉しいです。2巻まで借りてきたので、続きも読みたいです。
すぐ読める本なので、何か気楽に読みたい問にはいいかもしれません。おすすめ。
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