女神の幼い娘(下) ArcheAge もみの木と鷹2 (ジョン・ミンヒ)
女神の幼い娘(下) ArcheAge もみの木と鷹2 ゲームオン (2013/06/14) ジョン・ミンヒ 商品詳細を見る |
(2014年読書感想57冊目)
ジョン・ミンヒ 著 田端かや 訳
おすすめ度★★★☆☆(3・5くらい。もう少し丁寧に描写があってもよかったかも。)
「慈悲だって? 私に慈悲を期待するのか?そう、これが私を翻弄して座を奪おうとした、身分も知らない女への、私を裏切って勝手に行動した弟への、私をだまして三年も幸せに生きてきたおまえ達への私の慈悲だ。お前が慈悲を望むなら!」(位置番号527)
ーサビーナの台詞ー
日本でも、オンラインゲーム「テイルスウィーバー」の原作者としても知られている韓国のファンタジー小説作家、ジョン・ミンヒさんが、別のオンラインゲームの小説として書いたのが本書です。
電子書籍限定配信本で、紙の本で言うと70ページにも満たない短さですが、なかなかに濃厚な読書体験です。
ページが少ない分、下巻は怒涛の勢いで話が進みます。
物語の中でも3年の月日が流れ、ティナとラバンは……、というところから話が始まるのですが、結末は、なんとも悲しいものでした。ラバンの苦悩が切ないですが、なぜ、こういう結末にならなくてはいけなかったのか…。
暗に示されたサビーナとラバンの関係にドキドキしたりもしつつ、自分がいかにラバンが好きだったのか感じて、読後はとても切ない気分でした。これ、ジンはやさぐれるでしょうね…。
それにしてもこの小説、ゲームの販促物として書かれたのかもしれませんが、ゲームより前の時代の物語というのがとても惜しいです。小説に書かれた時代=ゲームの時代だったら、間違いなくゲームやってたのに! なにより、最初の遠征隊12人が魅力的に過ぎます。
毎回、巻末の遠征隊の説明が楽しみすぎます。韓国らしく、挿絵が美麗なのが素敵なのです。
それにしても小説、もっと丁寧に色々と書いて欲しかったなあという印象が拭えないです。なんだか、ダイジェストを読まされてる気分なんですよね。
でも、面白いです。
まだあと三冊あるようなので、それも余裕のあるときによみたいと思います。
ルーンの子供たちが好きだった人には、やっぱりおすすめの一冊です。
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