FC2ブログ

2015-01

ユニコーンの乙女 ラーラと二頭の聖獣(牧野礼)

ユニコーンの乙女 ラーラと二頭の聖獣 (講談社青い鳥文庫)ユニコーンの乙女 ラーラと二頭の聖獣 (講談社青い鳥文庫)
(2014/12/12)
牧野 礼、sime 他

商品詳細を見る




(2015年読書感想9冊目)

牧野礼 著 sime イラスト  
おすすめ度★★★★✩(面白かった! 夢中で読んでしまいました)


あたしは、あたしが今できることをするんだ。(p215)
―ラーラの決意ー


ユニコーンとグリフィンの男の子と一緒に冒険! 大人も子供も楽しめる、ドキドキのファンタジー


青い鳥文庫といえば子供の頃はとってもお世話になっていたレーベルです。
でも十数年後、大人になった今も自分で購入して読もうだなんて思うなど、想像もしていませんでした。でも、この本には不思議と引力があって、手にとったら離すことができず、そのままお迎えしてしまいました。「ユニコーンの乙女」という題名に釣られました。

ドラゴンがいればそこはどこだってファンタジーの世界である、といったようなことを言ったのはトールキン先生ですが、この本にはドラゴンこそ出てこないものの(といっても、出てきたって不思議じゃない!)ユニコーン、グリフィン、夢告げ鳥、女神など、ファンタジーの素養に溢れています。
ファンタジーな物語なのに、物語はまるで現実の現し世であり、するりと感情移入して読むことができます。

とにかく、予想以上に面白かったです! 物語は王道なのですが、読み進めるうちにキャラクターに愛着が沸いてきて、もっとこのキャラクターたちの冒険を見てみたい、などと思わせてくれました。
何事にも一生懸命なラーラは好感が持てるし、ユニコーンであるルッカとの関係性はまるで少女小説のようで、これは女の子が好きだろうなあと思いました。思わず頬が緩んでしまうようなところがいくつかあって、よくできた物語だと感じました。
ただ、若干説明不足なところが多く、ファンタジー中級者~上級者向けのお話であるように感じました。
物語の鍵を握るユニコーンやグリフィン自体の説明が足りず、予備知識がないと悩んでしまうかも

でも、夢中になって読んでしまった一冊であるのは事実です。とても面白かった!
説明不足であるとは書きましたが、物語の描写は丁寧に描かれていて、文章も美しく好感が持てます。
個人的にはユニコーンのルッカよりもグリフィンのネロの方が活躍した気がしてならないので、ルッカが沢山活躍するような続きが読みたいです。
青い鳥文庫のファンタジー小説って侮れないと思っています。シリーズものとして展開してくれないかしら。
というわけで、隠れた良書的な風情のある、大人にも子供にもおすすめの一冊です。何かに一生懸命になりたい時には、特に勇気をもらえるかもしれません。


スポンサーサイト



おこぼれ姫と円卓の騎士 二人の軍師(石田リンネ)

おこぼれ姫と円卓の騎士 二人の軍師 (ビーズログ文庫)おこぼれ姫と円卓の騎士 二人の軍師 (ビーズログ文庫)
(2015/01/15)
石田リンネ

商品詳細を見る



(2015年読書感想8冊目)


石田リンネ 著 起家一子 イラスト  
おすすめ度★★★★✩(面白かったけど、もう少し、もう少しだけお砂糖を…!)


「メルディ、貴方はまだ若い。これからの人生の方が長い。あんな馬鹿な男に囚われることなく、貴方の才能を磨き続けなさい」(p199)
-レティからメルディに-


軍師候補メルディの成長と頭脳戦が楽しい「おこぼれ姫」シリーズ第10弾!


私も大好きな大人気の少女小説、「おこぼれ姫と円卓の騎士」第10弾となる今回は軍師編です。軍師というと様々な作品に、ものすごく優秀な軍師が沢山登場して、物語に華を添えていますが、この物語に出てくる軍師候補のメルディは、家柄以外は取り立てて取り柄のない平凡な没落貴族の息子で!?
レティは彼を見定めるために、ささやかな旅に同行させるが、立ち寄った街できな臭い事件が起こって……、というお話かな。

このお話はすごく面白かったです! 
なにより、最初は家でぐーたらしているだけの自宅警備員だったメルディが、レティと関わることで、レティもメルディと関わることで、徐々にその感情や認識を改め、一歩前に進もうとする姿勢がとてもよかったです。
メルディは応援したくなる人だったし、かなり好きなタイプの人物です。まだ騎士確定はしていないようですが、ぜひレティの頭脳になって、彼女を支えて欲しいです。
タイトルのふたりの軍師はそういう意味だったか、と読んでみて納得。
少女小説ではBL萌えなどしない私ではありますが、メルディに対するゼノンの少し歪んだ執着には、ちょっとときめいてしまいました。何はともあれ、ゼノンはこれからも手ごわい敵になりそうで、物語もちょっと動き出した感じがして、とても楽しく読めました。

ただ、やっぱり少女小説に期待するのは、糖度という部分もあって!
最初と最後だけでデュークは十分報われたし、すごくニヤニヤしたけれど、前巻のソレスに続いて、今回のヒーローもやっぱりメルディでした。
石田さんの潔くてうまいところではあるけれど、登場人物が多いから、必ず割を食らうキャラクターがいるというのも、どのキャラクターも魅力的な分寂しいですね。でも今回、名前しか出ていないグイード殿下がとても輝いておりました。グイード殿下ってすごいんだなぁ。
そんなお兄さま方の顔も久しぶりに見たいなあと思いながら、ますます面白くなる物語から目が離せません。今後が楽しみな一冊です。
このシリーズにもはや激甘な展開は求めていませんが、次回はもう少し少女小説らしさのある甘い展開を楽しみにしたいと思います。


雨のティアラ(今野緒雪)

雨のティアラ (集英社オレンジ文庫)雨のティアラ (集英社オレンジ文庫)
(2015/01/20)
今野 緒雪

商品詳細を見る



(2015年読書感想7冊目)

今野緒雪 著 結布 表紙絵  
おすすめ度★★★★★(読みやすいし面白いし、すごく好きです!)


「露ちゃんは」
アルトさんは、私の名前を漢字で呼んだ。
「雨粒でできた冠を被っているんだね」(p149)

―有斗の言葉ー


姉妹や家族の絆を繊細な筆致で描く連作短編集


集英社が2015年一月に創刊した新レーベル、集英社オレンジ文庫の第一回目の配本。路線としては、コバルト文庫を挿絵をなくして少しだけ一般よりにした感じでしょうか。
マリア様がみてるで有名な、今野緒雪さんの新作です。
竜田メグムは両親に内緒で美大進学を志望している高校一年生。大学生の姉カスミと、10歳の妹キリとの3人姉妹5人家族だ。
進路希望を打ち明けられずに悶々と過ごすメグムの日常は、近所の「お化け屋敷」に新しい住人が引っ越してきたことをきっかけに、少しづつ色を変えていく……。
16歳という今だけの青春の一瞬を瑞々しく描いた素敵な少女小説です。

マリみても読んでいたけれど、個人的にはマリみてよりこちらのほうが好きかも! ってくらい面白かったです。メグムちゃんの語り口は少しピリっとしていて、ユーモアにあふれ、思わずくすっと笑ってしまいます。この語り口が、本当に面白かったです。
3姉妹という姉妹ならではの、リアルな距離感の書き方や、10代の頃の友情の描き方、心の機微なども繊細にリアルに描かれています。
ただ、メグムを取り巻く環境は複雑というか、なかなかない状況だとは思うので、そこはあまりリアルではないのですが。

16歳の少女の、多分一般的には遅い初恋の様子が、甘くて、少し苦くて、微笑ましくて。
ああ、姉妹って、家族っていいなと思える、そんな小説になっています。
連作短編にする意味は正直あまりよくわからなかったけど、そのおかげで読みやすくなっていて、さらりと軽く読めます。今野緒雪さんらしい読みやすい文章は健在で、面白い本なので、あっという間に読み終えてしまいました。
なにより、タイトルである「雨のティアラ」の意味が美しいです。
この本はぜひメグムちゃんと同じ年頃の女の子に読んで欲しいなあと思いました。
正直なんとなく買った一冊でしたが、とても面白かったので買ってよかったです。
続編も出るならそれも読みたいな、なんて思わせる素敵な一冊でした。


女装王子の深遠にして優雅なたくらみ(一石月下)

女装王子の深遠にして優雅なたくらみ (富士見L文庫)女装王子の深遠にして優雅なたくらみ (富士見L文庫)
(2015/01/10)
一石月下

商品詳細を見る



(2015年読書感想6冊目)

一石月下 著 双葉はづき 表紙絵  
おすすめ度★★★✩✩(3・5位。最初はどうかな? って思ったけれど、結構好きかも!)

おそらくこれからも彼は、人に厄介な人物だと言われ続けるのだろう。親しみと、ときどき呆れを込められて。(p321)
―地の文章よりー


残念な美形女装王子の巻き起こす、ドタバタ宮廷コメディ


富士見L文庫の2015年一月の刊行書の中の一冊。表紙とあらすじに惹かれて、「でも面白いのかなー??」と少しドキドキ(躊躇)しながら購入。富士見L文庫はラノベと一般書の中間くらいを目指しているそうですが、これは完全に挿絵がないだけでラノベだよね!? ついでに言うと設定とか糖度とかは少女小説だよね!?ろ突っ込みたくなってしまう一冊です。
なんというか設定が少女小説。超絶美形の残念すぎるハチャメチャな女装王子とルイーゼと、ルイーゼと同じくらいの美貌を持つ貴公子オレス。もうこの設定からして少女小説。ビーンズとかで出せばいいのに、このレーベルで出したから挿絵がないのがぎゃくに残念です。双葉はづきさんの表紙のルイーゼは絶品。

作者のデビュー作だそうで、面白いかどうかは本当に未知数でした。
最初はこのハイテンションなノリと随所に挟まれるあまり上品と言えないギャグに戸惑い、不安になりましたが、小説としてはなかなかな面白かったです。いつの間にやら、ルイーゼのテンションに引き込まれ、また彼の残念なだけじゃない人柄にも惹き込まれ、気づけば先が気になってページをめくる手が止まりませんでした。
お話の筋とかもどちらかというと在り来りなんだけど、これはキャラクターとノリで読ませる小説ですね。
そのキャラクターも、登場する人数は少なめですが、なかなかに濃くていい感じです。
なによりルイーゼとオレスの距離感にキュンとしてしまいました。少女小説が好きな方におすすめの一冊です。

最初は読んでて戸惑ったけど、妙な中毒性があって、読み終わったら、続きが読みたいなぁと、少しの抵抗とともに思ってしまいうような、そんな一冊です。
なので、続きが読みたい一冊です。続編が出ますように。
世界観でいえば西洋風の異世界ファンタジーになるのでしょう。世界観も魔法と科学みたいなのが融合してて、なかなかに興味深かったです。
読もうかも寄っている方は、とりあえず読んでみてはいかがでしょうか??


王都炎上 アルスラーン戦記1(田中芳樹)

王都炎上―アルスラーン戦記〈1〉 (光文社文庫)王都炎上―アルスラーン戦記〈1〉 (光文社文庫)
(2012/04/12)
田中 芳樹

商品詳細を見る



おすすめ度★★★★★(初読みですが引き込まれました! 面白かったです!)


彼がかかえている多くの責任のなかで、もっとも大きいものは、おそらく彼自身を成長させることであった。(p237)
―地の文章よりー


田中芳樹の描く壮麗たる一大歴史ファンタジー、開幕の一冊。


これまた、絶対に手をつけまいとおもっていたシリーズに、とうとう手を出してしまいました。
田中芳樹さんの、「アルスラーン戦記」です。
手を出さなかった一番の理由は、刊行から約30年経つのに、まだ完結していないことと、新刊のペースが遅いから、ハマったら絶対ヤキモキするな、と思ったからでした。
しかし、今年の4月からアニメ化が決まったようで、こういう正統派的なファンタジー小説が今の時勢にアニメ化するなんて珍しいな、と思い、この機会に読んでみようと思って読みました。
田中芳樹さんのほかの著作は、特に創竜伝が好きで、銀英伝もアニメで全話視聴済み。2作品ともに面白かったし、ハズレはないよねって思いました。

結果、読んで一ページ目には平原に広がる霧が見えて、2ページ目には登場人物たちの呼吸が聞こえました。3ページ目にはすっかり魅了され、そこからは夢中で読みました。さすがというべきか、淡々とした筆致ではあるのですが、本当に情景を見せるのが巧いですね!

田中芳樹さんの作品は創竜伝以来、アルスラーン戦記はこれが初めてという私でしたが(唯一何かの理由のためにヒルメスのことだけは知っていました。なんでだったかな)、この作品の何よりの魅力は、活き活きした王道だけれども個性豊かな登場人物たちでしょう。
伯父の言葉をきっかけにアルスラーンに忠誠を誓うことになり、彼を支える戦士の中の戦士たるダリューン。奇策や智謀を巡らしながらも、その夢は宮廷画家であるという皮肉屋のナルサス、旅の楽士である謎に包まれたギーヴ、自他ともに認める絶世の美女神官ファランギース。
正直、アルスラーン戦記と言いながら、アルスラーン自身は今一歩影が薄いです。しかし、臣下をまとめ上げ、君主のために事をなそうと思わせてこその君主であるのだから、このくらい影が薄くていいのかもしれません。
14歳の未だ王太子であるアルスラーンを、周りの大人たちが助け、その成長に期待する……。
私も本を読んでいて、登場人物たちと同じように、アルスラーんの成長が、今後の運命が、楽しみで仕方ありません。
唯一田中芳樹さんは恋愛関係の書き方が納得いかない部分があるのですが、3国もの王たちを惑わすというタハミーネ王妃様は、是非アニメで見てみたいと思った方でした。
とにかく、なんでもっと早く読まなかったんだろう! って思っています。
戦乱のお話だから、生々しくて死者もたくさん出てしまうのですが、これからもアルスラーンとその成長を追いかけて行こうと思います。

時の旅人(長野まゆみ)

時の旅人時の旅人
(2005/03/11)
長野 まゆみ

商品詳細を見る



(2015年読書感想4冊目)

長野まゆみ 著 表紙絵  
おすすめ度★★★✩☆(3・5くらい。不思議なお話が長野まゆみさんらしいです。)

ねえ、知ってる、マツヨイ草ってね、しぼむとき紅くなるの。いじらしいねえ。(p39)
―真帆の祖母の台詞―


長野まゆみ流のファンタジックなSF浦島太郎物語。


久しぶりに長野まゆみさんの著作などを手に取って、読み耽ってしまいました。
長野まゆみさんは高校生の時にとても嵌った作家さんです。独特の文体や、少年像に夢中になりました。
なんとなく、久しぶりに図書館に行ったら目に止まり、無性に読みたくなってしまいました。

結論から言うと、長野さんは良くも悪くもブレないし、変わらないなあという印象です。
この本は短編集で、「リュウグウノツカイ」「タマテバコ」「トコシエノタビ」の3篇を収録しています。
すべてのお話はつながっていますが、そのつながりは明言されず、非常に曖昧なつながりなのも、なんとも長野さんらしいです。なんというか、長野まゆみワールド全開な一冊になっています。

つながりが曖昧で、不思議なお話のため、お話自体は非常に難解です。これを全て理解できる方がいたらすごいなあと思いながら読んでいました。長野さん流の浦島太郎ものがたりです。亀です。

でも、相変わらず長野さんの描く少年たちは大好きだと再認識させられたし、登場人物の名前のセンスも大好きです。

お話としては最初に収録されている、「リュウグウノツカイ」が一番好きです。何とも言えないSF小説っぽさと、記憶喪失な真帆君のために、一生懸命になるソイ君が好きでした。
昭和な世界感、カギカッコのない独特の文体も、幻想的な雰囲気を引き立てています。
久しぶりにまた、長野まゆみさんの世界に戻ってきてしまいそうです。読んでよかったと思える一冊でした。


Goth Girl: and the Ghost of a Mouse(Chris Riddell )

Goth Girl: and the Ghost of a Mouse (Goth Girl 1)Goth Girl: and the Ghost of a Mouse (Goth Girl 1)
(2013/09/12)
Chris Riddell

商品詳細を見る



(2015年読書感想3冊目)

Chris Riddell (クリス・リデル) 文 イラスト  
おすすめ度★★★★☆(4・5くらい。なによりも繊細なたくさんのイラストが素敵です!)


少しぞっとするけれど面白い、作者自身の魅力的なイラストで彩られた子供たちの物語。


日本でも、「崖の国物語」や「中世の城日誌」「海賊日誌」などの挿絵で知られているクリス・リデルが、自身でイラストを担当した初の小説となります。
エイダ・ゴスは詩人で貴族であるゴス卿の一人娘。母親はもうなくなっていて、友達もいなく、父ともぎこちない間柄。家庭教師とはウマが合わず、広いがストリー・ゴルム・ホールで孤独な日々を送っていたエイダのところに、ある日ネズミの幽霊、イシュマエルが現れる。イシュマエルとともにがストリー・ゴルム・ホールを探索していたエイダは、この屋敷に隠された秘密を知ることになり……。
という話かな。
タイトルの訳は「ゴス・ガールとネズミの幽霊」な訳ですが、主人公のエイダはゴス趣味なわけでも、ネズミの幽霊がすごく活躍するわけでもありませんでした。

国外で有名な賞を受賞したり、賞のリストに選出されていたりしたし、なによりクリス・リデルさんのイラストが好きなので、キンドルで安くなっていたのを見つけて、思い切って購入しました。なので読んだのは電子書籍版です。
電子書籍版のこの本は、本内部のレイアウトを崩さないように、キンドルの機能がほぼ使えないようになっています。

お話としては、悪い大人の陰謀を、少年少女が力を合わせて打ち砕く的な、王道なお話になっています。
でも、この本の何より素晴らしいところは、そのイラストの豊富さと、一つ一つのイラストの素晴らしさ、個性豊かな登場人物たちでしょう!特にイラストは2~3ページに一枚の割合で入っています。辞書機能は使えませんが、イラストを見ているだけで臨場感があり、辞書がわりになっています。
登場人物たちも、それぞれ個性的。
私が好きなのはエイダの家庭教師になるためやって来た、女吸血鬼のルーシー先生と、エイダと恋愛関係になりそうな爽やかな少年、キングスレーですね。この2人はそれぞれエイダにとって重要な役回りとなりそうなのに、この本ではそんなに出番がなかったので、次の巻以降に期待しています。
とにかく、たくさんの臨場感のあるイラストと、ワクワクするような登場人物、ドキドキする物語展開など、読んでいてとっても楽しい本でした。これは子供が好きだろうなあと思いました。もちろん、大人が読んでも十分面白いと思います。
続刊も出ているようですね。ぜひ読みたいと思わせる、そんな本でした。
英語自体は簡単な方です。中学生~高校生でも十分に読めると思います。
ぜひいろいろな人に読んで欲しい一冊です。

雪の鳥 ArcheAge もみの木と鷹3(ジョン・ミンヒ)

雪の鳥 ArcheAge もみの木と鷹3 (ゲームオン)雪の鳥 ArcheAge もみの木と鷹3 (ゲームオン)
(2013/07/12)
ジョン・ミンヒ

商品詳細を見る


(2015年読書感想2冊目)


ジョン・ミンヒ 著  田端かや 訳  
おすすめ度★★★✩☆(うーん、いろいろ気になってしまいのめりこめなかったです。)


「おまえを飼い馴らす。そして、一緒に輝く首都にいくつもり。待っていて、必ず待っていて」(位置No441)―キープローザの台詞ー


日本でもサービス中のオンラインゲーム、「アーキエイジ」の原作小説第3弾。電子書籍限定配信本です。
主人公、ジンの少年期と、もうひとりの主人公というかヒロインであるキープローザの物語が展開されます。
ジンが人生の師匠と出会い、首都を目指す物語、キープローザが父の道の後を追い、首都を目指す物語の二部構成といったところでしょうか。

ルーンの子供たちもそうだったけれど、この物語も決して明るくはなく、むしろどちらかというと暗いです。
本の最初に、「最初の遠征隊」12人によるお話が収録されていて、それがたまらなく嬉しかったです。私が読みたいのは彼らのお話であって、なぜ彼らの話がメインじゃないのかと思うことしきりです。
そもそもこの第三巻、個人的には最初が最も面白くて、ジンのパートも面白い、けれどキープローザのパートは、ちょっとのめりこめなかったというか、首をかしげてしまったのですよね。
なんだか、ジョン・ミンヒさんらしくないなあと思ってしまったといいますか。

あと、いくらなんでも翻訳が適当すぎるのが気になりました。表記の揺れとか、明らかに日本語としておかしな場所とか。

あと、物語の主役であるキープローザにいまいち感情移入できなかったのが残念です。これはむしろキープローザのおばあさまの物語といった風情ですよね。おばあさまとデニーは、いい味を出していました。あとジェイム(孫)が好きです。
キープローザはどこが慈愛なのかが全然わからなかったです。首都に行って変わるのでしょうが、だとしたら首都に行ってからのお話が読みたかったです。

キャラや設定は、さすがに素晴らしいです。最初の遠征隊12人はとても魅力的だと思いますし。なので、いろいろな意味でとても惜しい作品だなと思ってしまうのですよね。でも、わたしは嫌いじゃないので、機会を見つけて最後まで読みたいと思います。



Another エピソード S(綾辻行人)

Another エピソード S (単行本)Another エピソード S (単行本)
(2013/07/31)
綾辻 行人

商品詳細を見る


(2015年読書感想1冊目)

綾辻行人 著  遠野志帆 表紙絵  
おすすめ度★★★★☆(Anotherとはまた違った雰囲気の物語。好きです。)

「聞かせてあげようか、榊原くん。あなたの知らなかった、この夏のお話」(p5)
―見崎鳴の台詞ー

綾辻行人さんの大ヒットミステリーホラー「Another」のスピンオフというか続編というか、ヒロイン、見崎鳴を主役にした物語が本書です。
Anotherといえば、綾辻さんらしいホラーであり、いくつかのトラウマなシーンとともに、鮮明な記憶が焼きついています。「夜見のたそがれの~」の元になった人形のギャラリーにもいったなと、思い出深い作品です。
このエピソードSも、そういうホラー路線だったらどうしようか、などと思っていたのですが、その心配は吹き飛びました。これはなんというか、少しひねくれたゴーストストーリーといいますか、非常に綾辻さんらしい作品となっていると思います。
綾辻さんは大好きなミステリー作家の一人で、その柔らかい独特な文体が特に好きです。
でもとてもゾクッとするものがあって。今回は特に死体の描写が怖かったです。

お話としてはシンプルなミステリーなのですが、相変わらずの伏線というかトリックの巧さに脱帽してしまいます。
エピソードSのSについては、あとがきで書かれていますが、わたしはそれよりも、想君の物語なのかな、などと思ってしまいました。
このエピソードSは、夏らしい、なんとも言えない雰囲気のミステリーです。
ひと夏のお話であり、夏の暑さのように、夏の記憶のように、蒸発して消えてしまうような、そんな不思議な密度と繊細さ、儚さと切なさが同居しているように思います。わたしはこういうお話、大好きです。
綾辻さんらしさ一杯の本だと思いますし、Anotherがお好きだった方にも、Anotherは少し怖かったという方にも、しっかりとおすすめできる一冊です。
軽装版も出ましたが、なによりこの表紙が素敵ですね。
死を想う、メメントモリである、そんな一冊のように感じました。
いくつかの続編の構想があるそうです。いつか読めたら嬉しいな、などと思います。

NEW ENTRY «  | BLOG TOP |  » OLD ENTRY

プロフィール

マユリ

Author:マユリ
FC2ブログへようこそ!

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ(タブ)

カテゴリ

未分類 (6)
紅茶・お茶・珈琲 (9)
海外ファンタジー (202)
ハイ・ファンタジー (105)
エブリディ・マジック (50)
アーバン・ファンタジー (22)
アニマル・ファンタジー (9)
ヒストリカル・ファンタジー (16)
国内ファンタジー (70)
異世界ファンタジー (58)
日常の不思議 (11)
神話・伝説・童話 (31)
神話 (4)
伝説 (9)
童話 (18)
ロマンス (14)
SF (29)
少女小説 (76)
ラノベ (26)
BL・JUNE・少年もの (20)
BL (14)
JUNE (3)
少年物 (3)
ミステリ・ホラー (38)
ミステリ (31)
ホラー (7)
古典・文学 (8)
現代小説 (7)
ヤング・アダルト・児童書 (114)
YA (58)
高学年 (29)
低学年 (27)
絵本 (34)
戯曲・詩 (4)
幻想・耽美小説 (7)
ハードボイルド (1)
伝奇 (2)
歴史・時代物 (4)
ノヴェライズ (4)
漫画 (5)
日記 (2)
このブログについて (1)
未選択 (2)
キャラクター文芸 (3)
エッセイ (1)

タグ

美青年 王子 美少年 王女 魔法使い 妖精 異世界 騎士 吸血鬼 双子 学校 海賊 ドラゴン 兄妹 女王 吟遊詩人 アーサー王伝説 中華風 三角関係 身分違い 兄弟 巫女 西洋風 人狼 姉妹 エリザベス朝 本・図書館 ケルト  妖怪 近未来 おすすめ 姉弟 切ない 神父・シスター 人造人間 天使 幼馴染 ユニコーン ヴィクトリア朝 お店物 RPG小説 軍人 和風 人魚 食べ物系 学園 中世 人形 ホームズ 

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR

訪問者様