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2015-05

フェアリー・レルム〈4〉妖精のりんご(エミリー・ロッダ)

フェアリー・レルム〈4〉妖精のりんご
フェアリー・レルム〈4〉妖精のりんご


(2015年読書感想28冊目)

エミリー・ロッダ 著 岡田好恵 訳 仁科幸子 イラスト
おすすめ度★★★★☆(今回の妖精はノーム。やっぱりこのシリーズは面白いです!)


「それに、ハッピーエンドの物語って、いつでも最高!」(p167)
―フォーフォーの言葉―


妖精のりんごのためにジェシーが奮闘! 様々なことを考えさせられる、とても素敵なフェアリー・ファンタジー。

図書館に行ったあと、このシリーズの続きを借り忘れるといつも後悔してしまうので、今回は忘れずに借りてきました。
ジェシーはジェシカおばあちゃんに頼まれて、ノーム(多分一般的なイメージで言うドワーフ)のビルバートと一緒に、「かくれ谷」の様子を見に行くことになります。谷の名産だったおばあちゃんも大好きな妖精のりんごの木が、どうなってるか見に行って欲しいというのです。旅の末、ジェシーが見た谷の光景は? ジェシーがとった行動は?
というお話かな。

今回の主役はノームのビルバートです。妖精は好きですがノームにはいまいち惹かれないという私も、このお話はすごく面白かったです。ビルバートのキャラクターがすごくいい味出しているのですよね。
最初は仲がよくなかったジェシーとその仲間たちも、一緒に行動していくうちにお互いを理解したり、ああ、理解することって大事なのだな、と思わせてくれます。
また、今回ジェシーは魔法ではなく、人間の知恵で事態を解決しますが、その様子も良かった。
相変わらず途中まで読めばお話のラストの展開は読めてしまうのですが、そこはやっぱり、「物語はハッピーエンドがやっぱり最高!」というところで、全て許せてしまいます。

人間の知恵を前面に出すような、なかなか含蓄の深いところもお気に入りです。
お金よりも大切なものとは? とか、行いは帰ってくる、といった、人間としてもとても大切なことが書かれた本だと思います。子供はもちろん、大人が読んでも、きっと何か考えさせられる、そんな児童書です。やっぱり子どもの本って侮れません。
女の子が大好きな物がたくさん詰まった、安心して読めるファンタジー小説です。
続きを読むのも楽しみです。おすすめ。

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太陽の召喚者 (魔法師グリーシャの騎士団1)(リー・バーデュゴ)




(2015年読書感想27冊目)

リー・バーデュゴ 著 田辺千幸 訳 吉田ヨシツギ 表紙絵
おすすめ度★★★★☆(わたしは好きです。なかなか面白い世界観。)


「わたしたちは、自分に与えられた才能をどれくらいわかっているのだろうと思うことがある」(p155)
―<闇の主>の言葉―


暗闇の中の太陽のような、少女の成長と愛を描くファンタジー


ハヤカワ文庫のFTは大好きですが、読むのは少し久しぶりかもしれません。
なんだかある日急に読みたくなって、手にとった一冊です。
ハヤカワFTの中の一冊としては、ちょっと軽い読み応えな雰囲気でしょうか。でも異世界ファンタジー小説として、世界観やそこで活躍する魔法など、とても興味深くて面白いと感じました。

お話の構成自体は、最初と最後は急展開なんだけど、中がちょっとゆったりと進む感じでした。
孤児の少女アリーナが、<太陽の召喚者>としての力に目覚め、王宮に迎え上げられ、ハンサムで絶大な権力を持った<闇の主>の膝下でさらにその力を磨くが……、みたいなお話で、アリーナの幼馴染で、優れた<追跡者>としての能力を持つマルと、<闇の主>というふたりの魅力的な男性を配置した、三角関係物のロマンスありありな物語になっています。

でもそのロマンスがちょっと強引かなあ、と思ってしまいます。特に<闇の主>、でもその強引な理由は最後まで読めばわからなくもないのですが。
あと、主人公アリーナが途中、とにかくどこまでも受け身なので、なんというかイライラするかもしれません。アリーナ、自覚するからいいんですけど、無自覚だったら読むのやめていたかもしれない……。

そんな中、魅力を放っていたのは、アリーナを指導する老婆バグラと、アリーナの友人、ジェンヤですね。
2人が続編で出てくる可能性ってあるのでしょうか。あと、グリーシャよりも、マルの<追跡者>としての能力の方が絶対にすごいと思うのです。
三部作の一冊目で、続きも出ているのですが、絶対読む! ではなく、気が向いたら読もうかな、くらいのお話です。好きなのですけどね。

ロマンスもある、ちょっと軽めな少女小説のような異世界ファンタジー小説が読みたい方にはおすすめかもしれません。

風呂ソムリエ 天天コーポレーション入浴剤開発室(青木祐子)

風呂ソムリエ 天天コーポレーション入浴剤開発室 (集英社オレンジ文庫)


(2015年読書感想26冊目)

青木祐子 著
おすすめ度★★★★☆(お風呂に入りたくなる素敵な一冊。)

きれいになって、よく眠れて。
明日もなにか、いいことがありそうな気がする。
「お風呂、最高――」(p247)

―ゆいみと美月の言葉―


入浴剤への愛がたくさん詰まった、ほのぼのと楽しいあたたかな現代短編集。


大好きな少女小説家、青木祐子さんの新刊はオレンジ文庫から。最近コバルトではあまりお見かけしませんね。
しかも舞台は、お得意のヴィクトリア朝ロンドンものではなく、現代の日本です。
題材は入浴剤。入浴剤の販売と開発会社で働く女性たちのリアルな感情の機微が描かれています。

しかしさすが青木先生、どんな小説を書くにしても、文章が読みやすくてお上手だなあ、と思いました。
この本もするすると読むことができました。
3話からなる連作短篇集の体をとっていて、若干視点人物が変わるのですが、登場人物がそれぞれに魅力的で、ついつい微笑ましくなってしまいます。

しかし、この本はなんというか、美月ちゃんと同じ気分になり、女子力が試されてる本なのかしら!? とかちょっと思ってしまいました。
だとしたら、私はまだまだだなあと思ったり。
でも女子力の高い登場人物たちがすごく可愛いので、嫌味がなくて、すごく面白かったです。
読んだあとは入浴剤を入れたバスタブか、温泉に入りたくなること間違いなし! なあたたかい一冊で、おすすめです。

個人的にはゆいみちゃんも美月さんも格馬さんも皆それぞれに素敵で、良かったなあという印象です。2組の恋模様もよかった。
全体的に軽く読めるので、何かあたたかい正統派? 現代ものが読みたい時にはいいのではないかなと思いました。

西風のくれた鍵(アリソン・アトリー)

西風のくれた鍵 (岩波少年文庫)


(2015年読書感想25冊目)

アリソン・アトリー 著   石井桃子 中川李枝子 訳
おすすめ度★★★★★(ファンタジー小説でもあるような、すごく好みの童話集でした!)


「これで、この木が、どうしてこんなにしあわせそうにしてるのか、わかった。木の奥に、夏がしまってあるからなんだ。」(p135)
―西風のくれた鍵 より ジョンの言葉―


現実と魔法の交錯を描いた、幻想的で楽しいファンタジックな童話集


アトリーの本は題名は聞いたことある有名なものが多いのですが、実は初めて読書しました。
この短編童話集は、妖精などを題材にしたものが多くて、きっと好みだろうなあと思ったので借りてきたのですが、その予感はあたっていて、すごく面白かったです!
最初のお話、「ピクシーのスカーフ」では、翻訳の言葉が粗暴な印象を受けたので、正直すごく戸惑ったのですが、それに続き収録されている「雪むすめ」、「幻のスパイス売り」「妖精の花嫁ポリー」が、すごく好みでした。
特に雪むすめとポリーは、自分の故郷に帰りたいと願い一度は故郷に帰るのですが、そこにはもはや自分の居場所はなく、自分と故郷は異質なものなのだと思い知り、育った先に帰る。
みたいな展開が一緒なのですが、なかなかほかの童話には見られないようなお話の筋で、とても気にいています。

物語を彩る文章も、叙情的でとても美しく、読んでいて想像力を膨らまされ、心地よいです。
また、童話には人生に大切な訓えや気づきを含み与えられているんだなあと、改めて思わされる、そんな素敵な童話たちばかりで、本当に面白かったです。
適度な分量、親切な訳注、それらも揃った、本当に良質な本になっています。
童話のように生きていくことは、現代においては不可能なのかもしれないけれど、童話のような生き方を、忘れないようにしたいと思えるような、そんな一冊で、読んでよかったと思いました。
おすすめです。

以下に収録作品を挙げておきます。

「ピクシーのスカーフ」
「雪むすめ」
「鋳かけ屋の宝もの」
「幻のスパイス売り」
妖精の花嫁ポリー」
「西風のくれた鍵」


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