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2017-10

ひみつの小説家の偽装結婚 恋の始まりは遺言状!? /仲村つばき 著



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(2017年読書感想34冊目)


普段はビーズログで書いている仲村つばきさんのコバルトの作品。
仲村つばきさんは一冊しか読んでないけれど、品と趣のある少女小説を書かれる方だなあと思っていて、コン感度が高い作家さんです。
この本は、一寸軽めなタイトルはどうかと思いつつも、落ち着いた色合いの表紙と他の読書家さんたちの評判のよさに興味を惹かれて読んでみました。

女性はほとんど本を読む習慣がない国で、無類の本好きであり、男性名義でせいべつを偽り小説を書いているセシリア嬢が主人公。セシリアのペンネームはセオ。
とある事情によって父親ほどに年の離れた国の騎士団長のヒースと契約結婚していたが、そのヒースが病気で亡くなったところから物語は始まります。
ヒースの遺言状には、自分の亡き後、騎士団長になる貴族の三男、クラウス・シロンと結婚するように書いてあって……。セシリアは已むに已まれぬ事情により、二度目の契約結婚をすることになります。

仲村さんらしい、しっとりと品のある落ち着いた少女小説でした。
読書家のクラウスはセオ(セシリア)の小説の熱烈なファン。そうとは知らず、最初は最悪な出会い方をして、お互いの印象は悪いなんてものではなかった二人。しかしセシリアとクラウスの共通の趣味読書を通じて、心が通い合っていく様が本当に素敵でした。
二人の性格も相まって、糖度は低めですが、2人のお互いに対する信頼感というか、お互いを尊重し合い支え合い、気遣う様子は、低い糖度を感じさせないほど、胸をときめかすものでした。
また、全編にわたって演出されるヒースの遺言状の、なんと二人への愛情に満ちていることでしょうか。ヒースは挿絵もなかったけれど、どんな人物か、想像しながら読むのは楽しかったです。
また、ヒースに限らず、どこか憎めない弁護士のマルコや、クラウスの兄デューイなどの脇役も、皆が皆二人の事を察して思いあっていて、とてもよかったです。
セシリアの小説家仲間で、同じく男性名義で小説を書いているフレデリカとの、ライバルであり、善き友人でもある友情関係もとてもよかったです。お菓子会社のご令嬢のフレデリカの家で振る舞われるお菓子がどれも本当においしそうで、読んでいる間、お菓子が食べたくなってしまいました。本が汚れるからそんなことしませんけれどね。
クライマックスの展開も秀逸。というかほとんど完璧。一見冷たいクラウスの家族が、実はとてもクラウスの事を想って、かわいがっていることが判り、読んでいる私まで涙が出そうでした。
展開は地味なんだけれど、物語として無駄な要素というか展開がそぎ落とされていて、本当に素敵な小説だなと思います。読者の視点の「本」と、作者の視点の「本」の違いというかも、興味深いものでした。
ラストシーンも良かったです。思わず泣きそうになりました。この本で何度泣きそうになったんだろう。
この作品そのものが、セオの小説の様に、厳しい夏、苦しい冬を乗り越えて、新しい芽吹く春になっているような、そんなイメージが浮かびました。
この話はこれできちんとまとまってるから続編とかはいいかなと思うのですが、同じ世界観でスピンオ展開なんかを期待してしまいます。
面白かったです。おすすめ



この本の概要


著者 仲村つばき
本(作者)の国籍 日本 
訳者 
イラスト 藤ヶ咲
出版社 集英社
レーベル コバルト文庫
ジャンル 少女小説
ページ数 237P
フォーマット 紙本
ノンシリーズかシリーズものか? 単巻。
なぜこの本を読んだか。表紙に惹かれて
本の入手方法 書店にて購入

   

収録作品




内容

覆面小説家のセシリアは、没落貴族の両親から逃れるために後見人の騎士ヒースと名目上の結婚をしていた。だがヒースが亡くなり、遺言でヒースの部下クラウスと再婚させられる羽目に。その上次の小説大賞を獲らなければ契約を切られる危機に陥る。が、最初は喧嘩腰だったクラウスがセシリアの小説のファンだとわかり、ふたりの気持ちは次第に近づいて…。にせもの夫婦の間に芽生えた、本物の恋。文学少女と堅物騎士のラブロマンス!


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森のノート/酒井駒子 著



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(2017年読書感想33冊目)


絵本作家の酒井駒子さんのエッセー。雑誌に連載されていたものの様です。
不思議な本だ、と思いました。
作者である酒井駒子さん自身のエッセイなのだけれど、本当にエッセーなのか、フィクションなのか。物語なのか、ファンタジーなのか、現実のことなのか、日本なのか、外国のことなのか、詩なのか。あるいはそのすべてが絶妙に混ざり合っているの本なのかもしれないと感じました。
なんて豊かな本なのだろうかと思います。なんて素敵な感性から紡がれる言葉たちなのだろうかと。なんて事のない日常の景色も、駒子さんの言葉として紡ぎだされれば、魔法にかかっているように鮮やかだ。
150ページほどの本の中に、見開き2ページにわたる美しく瑞々しい言葉たちと、挿絵が添えられたものが、36編にわたって紡がれている。まるで大切に大切にしている秘密の宝箱みたいだと思う。
酒井駒子さんの心の宝石でできた万華鏡の宝箱を、我々読者が覗きこんでいる、そんな錯覚。いや、きっと真実。だからこの本はこんなにも素敵なのだと思えます。

森の中の別宅と、東京の家を行き来する生活の中で紡がれる、感じる言葉たち。
森のノートというタイトルだけあって、自然や動植物に関するエピソードが多いです。しかし東京に戻った時の、何気ない都会の物事をとらえる視線も、またとても素敵な感性をしていると思います。自然と都会的な人工物とのコントラストを描くのも鮮やかだ。酒井駒子さんは、本当に素敵な人なのだろうなと思う。
この本の中で感じる四季の流れも美しいものだと思いました。
冬から始まって春になり。夏、秋と過ごして、また冬になる。そうして再びの張ると夏。
森の中にいたはずなのに、最後は地下鉄で終わるのも不思議な余韻を残します。本当に不思議で、瑞々しくて、素晴らしいエッセーだと思います。
酒井駒子さんの挿画は勿論素敵で、この本の中だけでも沢山の彼女の絵に出会えるのが嬉しい。まるでこの本自体が画集か、小さいころ宝物にしていたビードロ玉を覗き込んでいるような一冊です。
また、何度も読み返したい一冊です。この本を開けば、底はいつでも異世界で、素敵な森が広がっているから。森の音が聞こえてくるから。



この本の概要


著者 酒井駒子
本(作者)の国籍 日本 
訳者 
イラスト 酒井駒子
出版社 筑摩書房
レーベル 
ジャンル エッセー
ページ数 157P
フォーマット 紙本
ノンシリーズかシリーズものか? 単巻。
なぜこの本を読んだか。酒井駒子さんが大好きだから。
本の入手方法 書店にて購入

   

収録作品




内容

小さなトンネルの向こう側の森は、秘密のような、よその世界のような感じがする。静謐な絵と驚きに満ちた言葉が、ともに響きあう珠玉の1冊。

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ジャック・オー・ランド: ユーリと魔物の笛/山崎貴 著



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(2017年読書感想32冊目)


ハロウィンシーズンだから、なにかハロウィンの物語を読みたいと思っていた時に、本屋さんの店頭で見かけたのがこの本でした。なぜだかとても惹かれるものがあって、数日たっても忘れられずに、書店に買いに走りました。
何やら私でも知っているような映画やアニメの監督さんたちがタッグを組んで描いた、初めての絵本の様です。
しかし、本を開く前に想いました。
ハロウィンの物語が読みたいと思っていても、私はハロウィンの何を知っているのだろうかと。
死者のお祭りなのは知っているけれど、なぜ始まったの? どうして仮装するの? なんで子供はお菓子をもらい食べるの? など、知らないことの方が多いくらいで、思わず苦笑してしまいました。
しかし、それらの疑問の答えは、総てこの本の中に眠っていました。

大きな不気味な城が聳える山の街に、ユーリという身寄りのない子供が住んでいました。
ユーリにはエルという名前の幼馴染の女の子がいました。
しかしエルは、街の呪いにかかって眠りから目覚めなくなってしまいました。
ユーリはエルのために、魔物の住処である山に向かいます。
ジャック・オーが所持している宝、「魔法の笛」が、エルの呪いを解く唯一のものなのです。

ハロウィンらしいおどろおどろしい要素とイラストが、1ページ目から気分を盛り上げて、ドキドキとさせてくれます。ハロウィンの物語としては、これ以上ないくらいの良い雰囲気です。
しかし、この本は最初からハロウィンの話なわけではありません。
最初は純粋なファンタジー。主人公の少年ユーリが、幼馴染の少女のために頑張る話です。
その中には出会いがあり、試練があり、様々な思惑があり。それらすべてを乗り越えて、ユーリは人々が想像もしなかったことを成し遂げます。

正直、お話の筋やテーマは子供向きなお話です。
しかし私が最も印象に残ったのは、ユーリがあることを成し遂げた後の、周囲の大人たちの反応です。
何とおぞましい、醜い感情なのだろうかと、そう思いました。しかし、それと同時に「しかし私も同じようなことをやってしまわないだろうか」とも思いました。
しかしユーリは、最後にはそれらの試練をも乗り越え、人間として最も大切な事と言ってもいいことを成し遂げます。
「信じること」です。
正直王道な話で展開なんだけれど、思わずぐっときてしまいました。
そうしてその「信じる心」が、この本の中ではハロウィンという一日の発祥となるのです。

「信じること」というのは、簡単なようでいて、とても難しいことです。少なくとも、私は日々の中でそう実感し、そう思ってしまいます。
しかしそれを貫けば、きっと人々が想っていないような「奇跡」が、現実に起こるのだろうと思います。
このお話は、ハロウィンという日に繋がる奇跡のお話。
実に絵本らしい、そんな一冊だと思います。


この本の概要


著者 山崎貴
本(作者)の国籍 日本 
訳者 
イラスト 郷津春奈
出版社 ポプラ社
レーベル 
ジャンル 絵本
ページ数 63P
フォーマット 紙本
ノンシリーズかシリーズものか? 単巻。
なぜこの本を読んだか。ハロウィンの本が読みたくて。
本の入手方法 書店にて購入

   

収録作品




内容

山の上の魔物の街の、黒い大きな城には、おそろしい魔物の王、ジャック・オーが住んでいる。 人間の少年ユーリは、幼なじみのエルにかけられた呪いをとくために、ジャック・オーの魔物の笛を借りに、変装をして魔物の街へ。 ジャック・オーは、ユーリが友だちになったゴブリン魔物のコブを身代わりに置いていけば、笛を貸すと言う。 ユーリは必ず戻ると約束して村に戻るが──。 信じる心が奇跡を起こす、映画監督・山崎貴による感動のハロウィン・ファンタジー!


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世界のすべての朝は《特装版》/パスカル・キニャール



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(2017年読書感想31冊目)


1650年、サント・コロンブ夫人はこの世を去った。
後には彼女の夫である音楽家と、2人の娘、マドレーヌとトワネットが残された。
音楽家の演奏はやがてヴェルサイユの王にまで届くほどとなり、彼に弟子入りを志願するものも絶えなかった。ムシュー・ド・サント・コロンブは、悔恨の墓という楽曲を弾いた後、稀に訪れる妻の亡霊と対話する。
果たして、音楽とは誰のためにあるのだろうか。音楽とは何なのだろうか。
静かに、しかし烈しい愛と、生と死が語られています。

とても美しい本です。静謐で、物哀しく、神聖でありながらも、身体から肉体を剥がすような烈しい感情が波の様に押し寄せてくる本です。
物語は、とても静かに紡がれていきます。音楽の話なのに、そこに音はないような。しかし、実際には本書は沢山の音で溢れています。
「音楽が舞踏のためではなく、王を喜ばせるものでもないのなら、音楽とは何のためにあるのか、考えたことはあるか?」というようなセリフが、この物語の中に登場します。考えさせられます。
痛々しいまでに不器用で、繊細で、情熱的な老音楽家サント・コロンブの、生き様、心臓の音、その最期の1音まで、つまり彼の人生そのものも音楽そのものではないかと思わされ、一気に、しかしかみしめるように、物語に没頭してしまいました。
烈しい愛、狂おしいほどの静かな愛。物語の中には、エロスとタナトスといった主題が二重に絡み合いながら奏でられていくように感じました。
世界の全ての朝は、2度と帰らない。この本ではそういっています。
まるで、この本自体が仄暗い夜明け後から始まり、朝を迎え、昼を経て夕刻に暮れ、夜に沈み、そうして世界の全ての朝と同じように明け、帰ってこないものとして過ぎ去っていくような、そんな物語だったと感じます。
音楽とは、言葉を持たないものたちのための言葉なのだとしたら、死者の涙のような、靴紐のささやきの様なものだとしたら、音楽を作り、奏でる人間自体には、真に音楽は必要もないのかもしれません。
しかし、音楽がなければ、生きていけないのが人間でしょう。
何度も、泣きそうになりながらこの本を読み終えました。
きっと、2度と帰ってこないのに、またいつかやってきて過ぎ去っていく世界のすべての朝と同じように忘れられない、心に残る、美しい本でした。


この本の概要


著者 パスカル・キニャール
本(作者)の国籍 フランス
訳者 高橋啓
イラスト 手嶋勇気
出版社 伽鹿舎
レーベル 
ジャンル 文学
ページ数 160P
フォーマット 紙本
ノンシリーズかシリーズものか? 単巻。
なぜこの本を読んだか。出版社の姿勢に惹かれて
本の入手方法 出版社から通販で購入。

   

収録作品




内容

芸術とは誰の為にあるのか。
死者に届く音楽は何を老音楽家にもたらすのか。

こんなにも静かな激情
これほどにも高まる愛

ゴンクール賞に続き、2017年アンドレ・ジッド賞を受賞した現代フランス文学最高峰の作家が紡ぎ出す珠玉の物語。
芸術とは誰の為にあるのか――
亡き妻との間で、師弟間で交わされる深遠なる問答。

特装版は著者パスカル・キニャールの意を汲み、本編とコメンタリーブックを分けました。
コメンタリーブックには、若松英輔の美しい解説、岡和田晃の緻密な批評、翻訳家高橋啓のあとがきを収録したほか、新進気鋭の画家手嶋勇気による本編に沿った装画をフルカラーで収めました。
是非、この美しい本をお手元に。

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新装版 ロードス島戦記 3 火竜山の魔竜(上)



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(2017年読書感想30冊目)


やはりロードス島戦記は面白い。
改めて読んで、その想いを深くした一冊でした。
この巻は、20年くらい前に放送されたアニメの原作にあたる巻。懐かしいですね。アニメ、何回見たかわかりません。
久しぶりん原作を読み返すと、様々な思い出と共に、情景がばぁっとあふれるように、甦ります。
ああ、ロードス島戦記は、間違いなく私のファンタジーの原風景、アルカディアの一つだなぁと思います。
この、読ませる力は何だろうか、と考えます。そしてそれはきっと、難しく複雑な事を、平易な言葉で表現する、作者の筆力にもあるのだろうなと思いました。プロの作家でも、誰にだってできる事じゃありません。本当にすごいことだと思います。
物語の中では、2巻から3年の月日が流れ、よい意味で登場人物たちも変化、成長しています。
魅力的な女傭兵シーリスの登場で、嫉妬の気持ちを抱くディード。
名声を買われ、王にならないかと誘われるパーン。実際に王になったエト。
そうして、華麗なるアシュラムの再登場。
ロードス島戦記は日本の王道の異世界ファンタジーですが、その本の内容は、まさしく王の道を描くものではないのかな、と読んでいて感じます。
人の上に立つと言こと、国を治めるということ。
現実世界では関係なさそうなこれらの出来事でありながら、この本には現実世界にも大事だと思われるような言葉が沢山ちりばめられています。そうして、そういう物事こそが、ファンタジーの物語としての役割ではないかと、私はそう思います。
一気に読みました。下巻も楽しみです。



この本の概要


著者 水野良
本(作者)の国籍 日本
訳者 
イラスト 出渕裕
出版社 KADOKAWA
レーベル 角川スニーカー文庫
ジャンル ハイ・ファンタジー
ページ数 262P
フォーマット 紙本
ノンシリーズかシリーズものか? シリーズ3作目の上巻。
なぜこの本を読んだか。このシリーズが好きだから。
本の入手方法 電子書籍版を購入

   

収録作品




内容
皇帝ベルド亡きあと、かつての勢いを失ったマーモ帝国。その騎士アシュラムが、絶対的権力を与えるという太守の秘宝「支配の王錫」を求めて旅を始めた。パーンはその野望を阻止すべく後を追うようにディードリットやスレインたちと冒険に出る。しかしその秘宝はロードス各地に棲む5匹の古竜のいずれかが守っているらしい。硬く巨大な体躯を持ち、強力な魔術をも駆使する伝説の古竜にパーンは立ち向かうが!?

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幻想古書店で珈琲を―招かれざる客人/蒼月海里 著



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四作目を読んで、あまり間をおかずに5作目になる今作を読みました。
今作は新キャラ、魔神アスモデウスが登場し、彼の想いが物語のテーマになります。
アスモデウスといえば色欲の悪魔みたいなイメージがあって、新キャラとしてどうなのかと思いましたが、なかなかどうして素敵なキャラクターです。文章からにじみ出る、彼の色気を感じ取るのが楽しかったです。
アスモデウスのキャラが強すぎて、今回はコバルトが大人しく感じました。それ4でもコバルト好きですが。
アスモデウスも、アザリアさんも、司君に一石投じていきますね。
それを受けて、考えや想いを深めていく司君の物語は、既に薄っぺらい本なんかではないと確信できます。
今回の本は、
「賢者の贈り物」「黄金虫」「老人と海」
どの本も名前は知っているけれどきちんと読んだことのない物なので、また機会があれば読んでみたいなと思わせる本ばかりでした。
物語の本としての方向性や形式も固まってきて、私もすっかり「止まり木」の常連さんの気分です。
蒼月さんの本は、本当に、いっぱいの珈琲のようなもので。
どのお話も愛おしくて、ふとした時に思い出すような、私にとってそんな存在になっています。


(2017年読書感想29冊目)



この本の概要


著者 蒼月海里
本(作者)の国籍 日本
訳者 
イラスト 六七質
出版社 角川春樹事務所
レーベルハルキ文庫
ジャンル キャラクター文芸
ページ数 221P
フォーマット 紙本
ノンシリーズかシリーズものか? シリーズ5作目
なぜこの本を読んだか。このシリーズが好きだから。
本の入手方法 書店にて購入

   

収録作品




内容

本の街・神保町にある不思議な古書店『止まり木』で働く名取司は、大天使のアザリアから、最近この辺りで『魔神アスモデウス』が目撃されているので気を付けるように、と注意を促された。アスモデウスの事をほとんど知らない司は、彼について聞こうと『止まり木』の店主・亜門の元へ向かった。聞けばアスモデウスは亜門の友人だというが、その亜門の表情はいつになく複雑だった―。一体アスモデウスとは何者なのか!?大人気シリーズ待望の第五弾!!
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幻想古書店で珈琲を―心の小部屋の鍵/蒼月海里 著



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(2017年読書感想28冊目)


このシリーズも4冊目になりました。
一作目を読んだときは、正直何とも言い難く微妙な感じでしたが、今となってはすっかりこのシリーズに愛着がわいています。
というのも、登場人物たちの心情の変化や成長が感じられるからでしょう。
特に今回は司君の成長が著しく、熱く、そうして眩しいです。
人と人の縁を結ぶ亜門と司のパート、その間に挟まれる司とコバルトの冒険、そうしてほっこりと豆知識の味わえる幕間と、本は薄いし、あっという間に読めるけれど、なかなかに濃い一冊となっているように感じました。
今回の本は、「ジギルとハイド」「青髭」「ウンディーネ」でした。
そうして幕間ではTRPGやカードゲームなどの話題も。
特に作中で振れられる「キャット&チョコレート」はこないだ遊んだばかりで、司君たちのゲームの様子が目に浮かぶようでした。アナログゲーム好きとしては嬉しい一冊で、今回取り上げた本のチョイスも最高でした。
でも何より熱かったのは、司君の決意と決断です。
この決意に至るまでには、亜門は勿論コバルトとの出会いや交流があったわけで、そう思うととても感動してしまいました。
何事も無難に生きてきた司君の、自らの決断は、きっと幸せな結末をこのシリーズにもたらしてくれる。そう感じられるものでした。
司君の中で、亜門とコバルトと自分、となっているのはちょっと苦笑するしかないけれど、けれどそれでも大きな決意ですよね。
幕間の缶コーヒーに関する知識なども含め、バランスが絶妙で、やっぱりこのシリーズが好きだなと思わされる一冊でした。次巻にも期待です。

この本の概要


著者 蒼月海里
本(作者)の国籍 日本
訳者 
イラスト 六七質
出版社 角川春樹事務所
レーベルハルキ文庫
ジャンル キャラクター文芸
ページ数 228P
フォーマット 紙本
ノンシリーズかシリーズものか? シリーズ4作目
なぜこの本を読んだか。このシリーズが好きだから。
本の入手方法 書店にて購入

   

収録作品




内容

「御機嫌よう、本の賢者にその友人よ!」。派手な衣装に身を包んだ青髪の魔人・コバルトが嵐のように不思議な古書店『止まり木』の扉を開けた。店番をしていた名取司が、店主の亜門は奥の書庫にこもっている旨を伝えると、コバルトは困りだした。聞けば天使の風音を街で見かけたが、その動向が怪しいので、一緒に調べたいという。半ば強引に連れ出された司はコバルトとともに、風音の張った結界の中に入っていく―。人気シリーズ待望の第四弾!!

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