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2019-11

アーサー王物語伝説 魔術師マーリンの夢

アーサー王物語伝説 魔術師マーリンの夢
アーサー王物語伝説 魔術師マーリンの夢
  • 発売元: 原書房
  • 価格: ¥ 1,995
  • 発売日: 2000/07

原題 Merlin Dreams
ピーター・ディキンスン 著 山本史郎 訳 アラン・リー 絵
お勧め度★★★★☆(あまりアーサー王らしくありませんが、文章、挿絵の美しさは随一です)

曠野を、丘をさがしても、
どんな岩の下にも、そんな男などいない。
だが、生まれくる人びとの心の底に埋もれながら、
男の心は夢をみる、夢をみつづける。

アラン・リーの挿絵の美しさに惹かれて読了。アラン・リーと言えば、指輪物語の愛蔵版の挿絵で有名な人ですね。
アーサー王伝説に登場する魔術師マーリンが、乙女ニムエに夢中になり、彼女に教えられるだけの魔術を教えたら、逆に岩の中に閉じ込められてしまったというマロリーのエピソードから着想を得ています。
本作はその閉じ込められたマーリンが見る夢という形で語られています。

マーリンは夢から目覚める合間に過去のことを思い出します。夢の内容はアーサー王とはあまり関係がなく、童話のような物語たちといった雰囲気です。
マーリンのことも「男」、ニムエの事は「女」と統一されて表現されているので、本当にアーサー王に着想を得た話なのか、どこの国のどの時代の話なのか、非常にあいまいな気分になります。
ファンタジーと分類しましたが、非常に幻想文学的なお話です。

マーリンが見る夢の中のお話でも、夢がキー・ワードになる話は多いので、本当にそういう意味では幻想的なのですよ。

アーサー王の話はあまりないけれど、その時代のエッセンスというようなもの、騎士や乙女たちの交流や当時の暮らしぶりなどの雰囲気はとても出ていて、これは形を変えた一つのアーサー王伝説の形なのかもしれないなあなどとそんなことを考えてしまいました。

アラン・リーの挿絵は文句なく美しく、訳文も硬質な美しさをまとっていて、カラーも白黒の挿絵もふんだんに挿入されているので、アラン・リーのファンなら必読の1冊だと思います。
とにかくきれいな本なので、そういうものが読みたい方にはお勧めです。

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サソリの神3 スカラベー最後の戦いと大いなる秘密の力


原題 The Scarab
キャサリン・フィッシャー 著 井辻朱美 訳
お勧め度★★★★☆(三部作で一番面白かったです)

サソリの神三部作完結編。
前の巻でハーミアが死んだので、アルジェリンはハーミアを取り戻すために冥界に行くという話です。
と言ってもそういう展開になるのは物語も半分を過ぎたころから。

個人的に、三部作の中で一番面白かったです。
前2作は読んでいてもなかなか物語や登場人物に入り込むことができなかったのですが、今回は登場人物たちに寄り添えたという実感があります。
また、作者のイメージの喚起力とも言うべき筆の冴えがいよいよ鮮やかで、文章自体にもひたれました。

今までどうしようもない悪役だったアルジェリンがとても格好いいです。
シリーズものの完結編としては、エピローグっぽいものが少ししか書かれなかったので、たとえばミラニィとセトの今後がすごく気になる! とか、ジャッカルとかもどうなるんだろう、とか思うところはたくさんあります。
でも物語は確かに終わってるので、充足感はありますね。

シリーズ全体の評価は★4つくらいでしょうか。
砂漠と、一面の暗闇、そうしてそれでも照りつける眩しい太陽等の世界観がお好きな方はぜひ読んでみてください。

このシリーズ、一冊に一か所は誤字があるんだけど、それもまあ愛嬌ということで。

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聖なる森の家1 白き手の巫女

白き手の巫女 (ハヤカワ文庫FT―聖なる森の家)
  • 発売元: 早川書房
  • 発売日: 1994/11

原題 The Forest House
マリオン・ジマー・ブラッドリー著 岩原明子 訳 あしべゆうほ 表紙絵
お勧め度★★★★☆(物語はまだこれからですが、とにかく表紙が素敵です)

アヴァロンの霧で有名なブラッドリーの別シリーズ。ハヤカワ文庫FT200番。
アヴァロンの霧の前史をなす話といってよく、作中には同じキーワードをたびたび目にすることができます。
しばらくブラッドリーは読まないつもりだったのに、表紙の美しさに惹かれてつい手に取ってしまった作品です。あしべさん、大好きなんですよね。

物語はケルト人の高貴なドルイドの家の娘エイランと、ローマの司令官の息子ガイウスが出会い、惹かれあっていく中で、その想いを断ち切るために聖なる森の家の巫女になろうと決意するエイランの様子が描かれます。
そこに同じく巫女になったエイランの同い年の叔母であるディエダと、エイランの血のつながらない兄でもあるキンリクの恋の様子、ローマ人に対する憎しみ、葛藤などが描かれます。

この巻で語られるのは少年少女の恋模様などで、なんだかとてもみずみずしい読書感です。

この先どうなるのかとても楽しみ。
巻末には用語集と、訳者様の詳しい解説があり、親切です。
ただ、その用語集で微妙にネタばれしてるよね…。

もう絶版のシリーズのようですが、お勧めです。

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サソリの神2 -アルコンー 神の化身アレクソスの<歌の泉>への旅


原題 The Archon
キャサリン・フィッシャー 著 井辻朱美 訳
お勧め度 ★★★★☆(物語としては一番おいしい時期なのでは?)

ちょっと間が空きましたが、サソリの神の2冊目です。
一巻で、アレクソスが友達の楽師のオブレクに、歌の泉を探しに行こうよ、的なことを言っていましたが、今回はまさしくその歌の泉を探しに行く旅。
アレクソス、オブレク、セト、ジャッカル、キツネの5人で砂漠をまたにかけた旅に出かけます。
一方都に残った巫女ミラニィは、またもや陰謀に巻き込まれ…?

題名はアレクソスですが、主役はセトですねー。
なんか、ここまで登場人物同士がお互いを信じあっていないというか、お互いに警戒し合ってるファンタジーもあまりないですよね。
ミラニィも友達だと思ってた巫女クリスに騙されてから、したたかになったというか、成長しましたし。
世界観はファンタジーだけど、そこに描かれる登場人物は非常に現実的、というのがこのシリーズの一番の魅力だと思います。

それにこのシリーズほど、恋愛っ気のないファンタジー三部作もやっぱり珍しいですね。
ミラニィとセトはお互い気にかけてるんだけど、恋に発展するには二人ともちょっと奥手すぎる気がするし…。
なかなか殺生なところで終ってるので、続きが気になります。

分厚いので読むのをためらいがちなのですが、読み始めたら一気に読めてしまいます。
思うに、文字とか、行間とかがとても読みやすいと思うのです。良い本ですね。

以下続きで思うところを少し。
 
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アヴァロンの霧 4 円卓の騎士

アヴァロンの霧〈4〉円卓の騎士 (ハヤカワ文庫FT)
  • 発売元: 早川書房
  • 発売日: 1989/01
原題 The Mists of Avalon
マリオン・ジマー・ブラッドリー著 岩原明子 訳 まつざきあけみ 表紙絵
お勧め度 ★★★★☆(非常にスピリチュアルな一冊です)

アヴァロンの霧の最終巻。ゆっくり読むつもりが読み始めると先が気になって一日で読み終わってしまいました。
モーゲンはドルイド教に仕える巫女として女神の意志を実行するためアーサーと敵対する様々な事柄を実行しようと策略をめぐらせるという話です。

なんか最終巻は、こんな形で聖杯探究が出てくるとは思わなかったし、いろいろな人が死んでいくし、とてもなんだか、人生の無常(あるいは運命?)というものを感じさせる巻で、少しさみしかったです。
でもなんだか心が洗われるような気持ちになって、最後は、最後まで読んでよかったなという気分になりました。
アーサー王伝説を大胆に解釈した物語ですが、とても登場人物が活き活きしてるので、これを読んでからほかのアーサーものを読むとちょっと物足りないというか違和感があるかも。本当はこの物語がアーサー王伝説的に見ればかなり異端なんですがね。

アーサー王伝説が好きな方も、実はそうでもない方にも、ぜひ読んでほしい一冊です。
私はこの本を読んで、アーサー王伝説がさらに好きになりました。
登場人物たちに新たな光と影を投げかけてくれたこの物語は、読んでよかったというお気に入りの一冊です。

追記でちょっとネタばれでこまごましたこと。あと、このお話にインスパイアされたCDのご紹介などですー。

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